表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
38/192

第三十七話 「特訓したらなんとかなるはず?」

おはようございます。

那祢です。

今回は続けてこちらの話。

ファルスティーナとライローグ。

久々の特訓の話。

特訓とは特別訓練!

確かに二人の訓練は・・・・特別だ。

またあとがきで。


そしてその日の放課後から特訓が始まった。


まずカイルの希望の一番、よく笑う子。


「はいっ!笑顔笑顔っ!」

「そっ!そんなー!は、はしったあと、だからむ、無理だよ!」

「わがまま言わない!身近にできることで変えていかないと!」

「で、でも朝の長距離は、わ、私たち、ヴァ、ンパイアには辛いのよっ。」

「言いわけは良いからやるー!」

「こ、の鬼教官!」


僕は体育の時間が終わったあと直ぐに笑顔の特訓をさせていた。

何故かって?

大変なときに笑顔は普通の(ヴァンパイア)にはできないはずだからだ。

特に朝一番が苦手なヴァンパイア。

その上、体育で日差しに出させるのは彼女の自己判断とさせている。

気力がないと灰になりそうなのだが。


「絶対に、負けないっ!・・・・絶対に!」


彼女が一生懸命頑張るならやり続けてみるか。


「まだひきつっているぞ!可愛い笑顔持っているんだろ!見せてみろっ!」

「くふーっ!アイツめー!」

「それは笑顔じゃないぞ!睨んでいるだけ!君ならできる!」


このように特訓を始めた。


一ヶ月たつと・・・・・・


「なにかしら?ちゃんと走りましたわ。見ていたでしょう?」


体力がついたみたいで大きいパラソルを持ちながら走り終わっている。

息も切れていないようだ。


「あ、嫌なんでもないよ。」


驚きに言葉を濁す。


「あら、馬鹿にしてこないわね?まあ、そうよね!この炎天下に近いこの場所で私は笑顔でいるのだからっ!おっほっほっほー!」


確かに笑顔だ。

まあ、大きいパラソルは持っているけどね。

日差し対策は出来ているようだ。

笑顔は・・・・・

どちらかと言うとお嬢様の高笑いみたいなんだが。

まあ、ニコニコしているのには間違いない。


「・・・合格とします。」

「えっ?もっと大きい声で?」

「第一関門、合格ですっ!」

「うふっ!そうでしょう!」


そう言って僕に近づき・・・・


「あっ!」

「えっ?」

ー てーんっ! ー


ファルスティーナが躓いて転ける。

その瞬間、パラソルが飛ぶ。

僕はすかさずパラソルをキャッチ!

ファルスティーナに被せる。

そして・・・・


「第一クリアで灰に成らないでくださいよっ!」

「ご、ごめんなさーいっ!!」


校庭に怒鳴り声が響くのであった。



第二、淑女など神秘的な人が好き。

まあ、ヴァンパイアだしな。

神秘的と言えば神秘的と言えるだろう。

だがそれだけじゃ駄目だろう。


「神秘的と言うのはまず無理だ。だから淑女になれ!」

「うんっ!わかったわ!で・・・・・淑女とは?」

「うーん。君の姉?」

「・・・・・・・・・・」

「違う?」

「あれは興味あるものに対して変態なだけです。」

「えっ!?」

「神々しくないし神秘的とも言えません。なので対象外です。」


どうやら姉のセオンを嫌っているようだ。

かなり感情が溢れ出ている。

僕に対しては「かまってちゃん」みたいだが。


「じゃあ誰が近いかな?」

「シャンメールさんは?」

「ゲっ!」

「ああ、貴方嫌いでしたわね?」

「嫌いって訳じゃないけどね・・・・風紀委員がね。どうも嫌われやすいから。」

「君はだらしないし、エッチだからね。」


うっ!

正直前の人がしたから覚えていないのだが・・・・

あっ!

止めてっ!

ライローグ!

思い出させないでっ!

妖力でフロントホックのブラをはずしたなんて!

しかし、白色のブラジャーとはさすがに風紀・・・・


ー グシャリ! ー


なるほど。

そして俺はビンタで壁に飛ばされてから彼女を恐れていたのか。

んっ、妖力?

そうかっ!

僕は考えがまとまった。


「ならばシャンメールと仲良くなり習いながら自分の特性を鍛えたらどうかな?」

「特性?」

「僕なら妖気で使う妖力。君ならヴァンパイアの力とか。使いこなせるなら凄いと思うんだけど。」

「うーん。」


悩んでいる。

たぶん納得はしていないのだろう。

シャンメールは巨人の姫だ。

彼女の動きを見て真似ることはできても仲良くは難しいだろう。

あっちはキッチリ系でこっちはユルフワ系。

合間見えぬ二人だからな。

そう考えているその時だった。


「私!決めたわ!」


何を決心をしたのかファルスティーナが握りこぶしを握りながら話し始めた。

       

「私、絶対に頑張ってシャンメールと仲良くなる!そして、淑女になるっ!」


そう決心をして三ヶ月。


「どこ行こうとしていますの?ライローグ。もしやまた授業サボるの!」

「いけないと思いますわっ!ねぇ、シャンメールさん。」

「そうですわっ!学生は学舎で学ぶ。それが世界の理ですわ。」

「さすがです。シャンメール師匠。」

「そんな風に言われるとまあ、恥ずかしいわね。」

「そんなことないです!あなた様が・・・・・」


恐ろしいぐらい二人は仲良くなってしまった。

たまに二人の世界をも作る。

まあ、放課後から能力の特訓を一緒にしてるし任せるか。


「聞いています?ライローグさん!」

「そうですわっ!ちゃんとお聞きになって!」


放課後まで我慢しよう。



三つ目、嘘をつかないこと。

これは訓練が始まるときに話をした。

なので彼女に聞いてみると正直に答えてくれるのだが。

ひとつだけ答えてくれない物がある。

それは・・・・・


「ライローグ、早く練習しよう!」


また今度にしましょう。



四つ目、頑張る人が好き。

今までの頑張り、ちゃんとカイルの見える場所で行っている。

たまに聞きにくる時にアピールしたり。

校庭での話をふってみたり。

アドバイスをしたり。

少しは気になったはず。

姉の方も聞いてくるので何となく悪口を混ぜてみるのだが・・・・

後々夜にセオンが来て注意されるのが日課となってしまう。

なかなか噛みついて離してくれないんですよ。

えっ?

エッチ?

違いますよ!

物理的な意味です。



いつつ目、好き嫌いがない人。

人や妖怪との交流をがんばっている。

苦手な天使族にも歌を教えてもらっている。

マーマンや人魚さえも仲良くしているには驚かされる。

本当この子、すごい子ではないのか?

そんな期待さえしてしまうぐらいだ。

ヴァンパイアの長。

彼女ならなれるのではないか?

そう期待さえ・・・・・


「あ、お姉さま。」

「あらファルスティーナ。ごきげんよう。」

「ご、ごきげんよう」


セオンお姉さま登場だ。

どうやら彼女にだけは苦手を隠せていない。


「今日もライローグさんと訓練ですか?お邪魔して申し訳ありません。」

「い、いえお姉さま。ライローグは私に付き合って・・・・」


ー ギランッ! ー


「ひっ!」


ファルスティーナをセオンが睨む。

ヴァンパイアの睨み。

別名「凝視」だ。

弱いものならば泡を吐いて倒れるくらい。


「ファルスティーナ、私はライローグさんと話をしています。貴女が口を挟む事ではなくて?」

「は、はい。」


ファルスティーナはそわそわして落ち着かない様子だ。

なるほど。

姉に恐れを感じているのだろう。

僕はセオンに近寄り


「セオン、あまりファルスティーナを責めないでほしい。彼女は僕の教え子だし。」

「ライローグさん。それはわかっています。なので身内に軽く失敬な箇所を説いただけです。責めてはいません。」

「それはわかるが・・・・・」


僕がファルスティーナを庇おうとした時だった。


「わ、私の事はかまいませんから!ライローグは気にしないで良いです・・・」

「気にしないでって・・・・無理だろファルスティーナ。」


そう話をしていると・・・・


「・・・・・ファルスティーナ、あとで話があります。お屋敷で待ってますわ。私の部屋に来なさい。」


そう言い残しセオンは煙のように消えていった。

はっ!?

僕はファルスティーナが気になり彼女を見ると


「ご、ごめん。帰るね。ライローグ。」


青白い顔をこちらに見せず彼女の屋敷の方に飛び去っていくのが見えた。

夜の闇と月の光がなにかをキラキラ光らせながら彼女は飛び去っていくのであった。


その夜セオンは家には来なかった。

ファルスティーナとセオン。

彼女等の不仲の理由とは?

怒りのセオン。

ファルスティーナはどうなる?

またよろしくお願いいたします。

那祢でした。


追記 1月30日


みなさんすみません。

体調不良のため今回はお休みします。

次の週に更新します。

またお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ