第三話 宿敵?と書いて友と呼ぶ
俺は彼女に抱えられながらあっという間に二年B組の教室の扉の前までやってきた。
目の前にはそびえる鉄の扉。
(さすがに巨人の女の子も通っているので扉がかなりでかい。三階建てのビルくらいかな?)
抱えられながらそう思っていると巨人の女の子は手を離しいきなり床に俺を落とした。
「ぎゃいん!!」
見事に頭から落下して頭にこぶができた。
「痛いじゃないか!せめて優しく下ろしてくれよ」
「なにいってますの!あなたみたいな犬を抱えたまま教室に入ったら何を言われるかわからないじゃないの。しかもあなた、獣人だから体、丈夫でしょ?」
(ひどい扱いだ!初めてあったのに。でも大人だから怒ってはいけないよな。連れてきてもらったし。)
優しく返して好感度アップだ!
「連れてきてくれてありがとう。少し迷子になっちゃって。早かったし(やわらかかったし)助かったよ。」
俺が頭を下げながら感謝の言葉を言うと巨人の女の子(巨ガール)は驚いた顔で覗きこんできた。
「ねえ、あなた頭大丈夫なの?おろしたとき頭ぶつけましたの?いつものあなたなら『さわるなデカ女』と言い返ますのに?気持ち悪いですわ。」
失礼な!
まあ、悪い人ではないが一応答えるか。
「さっき中庭で頭をぶつけて記憶が消えてしまったらしいんだ。だから自分のクラスがわからなかったんだよ。だから引っ張ってきてくれてありがとう。」
「えっ!!・・・そういえばいつもの口調じゃないわね。冗談かもしれないけど自己紹介しますわね。私はシャンメールですわ。どんな人かはたぶんあなたの持ってるメモ帳に書いてるはずよ。読み返して思い出しなさい」
シャンメールは俺を指先ながら答えた。。
(お~!この人がシャンメールさんか!たしか仲良くないとノートに書いてあったな。お嬢様で高飛車な上、委員長体質だからかな?でも悪い子ではなさそうだし。)
「わかったよ。後で確認してみるよ。教室までありがとう綺麗なお嬢さん」
「綺麗なお嬢さん!?おやめなさい!恥ずかしいから!わすれましたの?私の名はシャンメールよ。だから前と同じ呼び方のシャンとお呼びなさい!おわかり!ライ。」
「わかったよシャン。また色々聞くかもしれないけどよろしくね。」
シャンメールは顔を赤くしてそっぽをむいてしまった。
どうやら恥ずかしかったらしい。
(大きくてもやっぱり青春真っ只中の学生だね。若さってすごいね。うんうん。)
シャンメールのそんな姿をうなずきながら見ているといきなり『ピカッ!!!』と自分のメモ帳が光だした。
(おい!いきなりメモ帳が光だしたぞ?)
そう思いながら俺は自分の胸にいれているメモ帳を取り出し光っているページを開いてみた。
「なんだ?これは!?」