第二十五話「さよならの痕」
おはようございます!
那祢です。
暑くなって来ました。
マスクつけてると脱水しやすいのでこまめに水分補給してくださいね。
さて今回の話は卒業式後の話。
どうなるのか?
またあとがきで。
卒業式の終わった後はにぎやかだった。
「せんぱーい!ボタンください!」
「先輩の胸についているスカーフ、ください!」
「いつまでも忘れませんから!ぜひ、遊びに来てくださいね!」
「先輩、ぼ、僕は・・・・」
「先輩たちの栄光、続けていきます!」
うん、青春のワンシーンだ。
後輩の挨拶回りが始まっている。
ここでめでたく結ばれれば卒業パーティーにも出れる・・・・ようだ。
ようだって?
又聞きした話なのでくわしくは知らない。
この間カイルから聞いたのだ。
「なあ、ライローグ・・・」
噂すると彼だ。
周りには彼を慕う
ボタンが何にも無い制服を着ていた。
まあ、人気者ですから。
えっ?
僕?
安心してください!
全部ありますよ!
「どうしたんだよ!人気者。ボタン全部貰われたんだろ?このっ色男!」
モテモテなカイルにちょっと皮肉な悪口を言ってしまった。
あっ!
しまった!
そう言う俺の前に数名立ちふさがる。
「カイル様に何て言い方だ!」
「庶民の分際で!カイル先輩は勇者さまなんだぞっ!」
「妖怪風情が!」
ハーピーと半魚人風な男、そしてミノタウロスだった。
まあちなみに「妖怪風情が!」と言っていたミノタウロス。
日本では牛頭となっているのだが。
まあ謝りますか。
「すまないな。カイル。人気者で少し羨ましかったんだよ。」
「だからって言って良いことと悪いことがある!」
「そんなだから女子人気が下から三番なんですよ!」
「フンッ!化け狐がっ!」
ちなみに先輩ですよ!
人気投票とはなんだ?
一と二が気になるんだが・・・・
最後にミノタウロス、お前も牛だろ!
まあ、先輩なので耐えますけど・・・・
「そう言えばカイル、なにか言いたそうだったけど?」
「あ、そうそう。マリアンの事なんだけど・・・」
おっ!
本題来ました!
最後の好感度チェックだ!
恋愛ゲームなら必ずしもある最終確認の好感度チェック。
彼女らの気持ちがこちらに向いているのか。
ちなみに僕が始めてやった恋愛ゲームは全員仲良くしてしまい・・・・・
「○○くんって友達しか感じられないのよね。ごめんなさい!」
って言われたな。
そんなわけでマリアンの最終チェック!
俺は胸のポケットにあるメモ帳を出した。
ー ピッカー! ー
メモ帳が金色に輝いている。
多分彼女の全ての情報が書き記されたのだろう。
マリアンのページを開いた。
そこに書いてあったのは・・・・・
・マリアン・ミーゴ
種族 ケンタウルス
180㎝ B88W58H98(馬なので秘密)
出身 リフシーの森
森の民ミーゴ家の長女。
好きな物 肉、野菜
嫌いな物 魚
ミーゴ家では年頃になると外へ出て色々学ばなくてはならない。
そのため彼女はこの学校へ入学してきた。
自由気ままでまさに豪快な性格なのだが最初は内気であった。
ある日、森であった生物と仲良くなる。
それと話をする内に次第に気になっていく。
しかし何故かその小動物は森から忽然といなくなってしまった。
それが自分がおどおどしていたせいで、嫌われてしまったと思っている。
それが初恋であり彼女の性格を変えたコンプレックスになっている。
頭はさほど良くないので追試を受けることもあったが友達と頑張り今では上位クラスまで行く。
自分に会う人が好き。
優しい人で面倒見が良い人が好き。
只今、カイルに惚れている。
色々追加してある。
それをカイルに伝えた。
ある一項目だけ抜かして。
「あ、ああ、ありがとう!自信ついたよ。じゃあ卒業パーティーに彼女を誘うね!今までありがとう。ライローグ!」
そうして彼は少し急ぎ足でマリアンのいる場所へ向かう。
後輩三人も空気を読んでか付いていかなかった。
そして俺は学校寮に向かう。
パーティーへの支度?
出席しませんよ。
寝てすごそうと思っているんだ。
二人が結ばれるのをみるのは・・・
つらいから。
俺はメモ帳見た。
言わなかった最後の文字。
ー ライローグとカイルの両者に恋心を抱く。だがライローグに気持ちを伝えがフラれ、そしてカイルへの恋心を認める ー
つたえられないよ。
俺は足を止め、卒業の青空を少し眺めることにした。
マリアンの思い。
彼の心に傷が。
次回マリアンのストーリー完結予定。
お楽しみに。
次回もよろしくお願いいたします。
那祢でした。




