第二十二話「すれ違う二人」
おはようございます。
アンド遅れてすみません。
那祢です。
今回は登校の話。
恋愛ゲームと言えば登下校が仲良くなれるチャンス!
ただモブにとっては?
またあとがきで!
目覚めの悪い朝だ。
顔を擦りながら廊下を歩く。
時間的にご飯食べていける感じではない。
少し早歩きで歩く。
その時だった。
ー ガクンッ! ー
「うわっ!」
いきなりつまずき転びそうになる。
ー トントントッ! ー
うまくバランスをとり立て直した。
転んだ先を振り替える。
そこにいたのは・・・・・・
「おや、コンキチ。飯は食わないのか?」
俺より二倍くらい大きい女性がいた。
彼女は確か・・・・・
「おばちゃん、転ばせないでくださいよ!」
ふじえさんがいた。
彼女は最強の鬼一族である。
三十代後半で寮では「寮母」とまで。
「ふんっ!転ばせるなんて当たり前だいっ!あんた、またご飯食べないで学校に行こうとしたでしょっ!」
ガチバレしてる!
急いでいるときはほとんど食べない。
理由は遅刻しなんだけどな。
さて、言い訳するか。
「すみません。今日も出遅れたので大丈夫です。」
「ああん?!大丈夫だぁ?お前はさー、ご飯食わなくて頭が回るかいっ?」
ー バンバンッ! ー
思いっきり背中を叩かれ・・・・・
その瞬間だった。
「はもっ!?ふもはまふふっ!?」
いきなり口のなかに何かが詰め込まれる。
あっ?この味っ!
「パン一切れでもいいから食ってきなっ!」
食パンを食堂のおばちゃんから貰う。
かなり大きめだ!
これならは昼御飯まで持つ!
「ふぁりはとー!」
「あと食べてる時は話はするなっ!」
「へぐっ!!!」
理不尽。
そうしか思えなかったが時間がない!
ふじえさんからもらったパンを咥え、寮から颯爽と出発した。
学校までの道のり。
ほぼ一直線なのだが・・・・
ー ズーンズーンズーンズーン・・・ ー
朝練をしていたのか巨人の方々が後ろから走ってくる。
ー ドタドタドタドタドタドタ・・・・・ ー
遅刻しそうなのかケンタウルス二列に並び通りすがる。
おっ!
ギャル風なハーピー達も空を飛んでいる。
バサバサ揺れてスカートの中が・・・・!
おっ!
おおっ!!
・・・・・・
まぁ、短パン履いていました。
安心してください!!
見えても大丈夫ですよ!
一人心の中でツッコミを入れた。
が・・・・・
「何見てんのよー!」
「マジっ!覗かれたの!」
「ちょっ!キモっ!」
空を飛んでいたハーピー達が僕に気が付き降りてきたのだ。
「こいつ、学校で噂のエロギツネよ!」
「あのー男女問わず見境がないというー?」
「ヤバっ!卵生まれちゃう!」
酷く勝手な言われようだ。
しかも、地面をホバーしているので砂煙も舞っているし・・・・
ちょっと言い返すかな。
「そんなことしてな・・・・」
「ヤバっ喋ったっ!」
「キツネは鳥の天敵よっ!襲われる!」
「孕むー!」
そう言うと急上昇して僕の周りを回りの出した。
確かハーピーの特性って・・・・
昔に調べたことがある。
ハーピーの特徴の本にこう書いてあった。
ハーピーは集団で狩りをします。
その際周りを回って相手が惑わされている時に・・・・・
ー ピューン!バシンッ! ー
攻撃して相手を弱らせます。
そして獲物を上空に持ち上げ落下させて仕留めます。
「って書いてあったな。・・・・・今その状況だけど。」
「うんしょ!うんしょ!」
ただいま足で捕まれ上空。
五メートル位かな。
鞄をもっているのでなかなか上がらないのか?
それともこの子が非力なのか?
でもこのままでは落下して死んでしまう。
悩んだ。
悩んだ結果がこうなった!
「ちょっ!止めっ!」
ー すーりすり ー
捕まれている足を優しく撫でる。
レディを攻撃するわけにはいかないし。
二人落下して怪我しても困るから。
擽ると同じようにゆっくり擦る。
結果。
ゆっくり降りてきた。
作戦は成功!
そう思っていた時だった。
「へぶっ!」
ー むにゅっ! ー
彼女のお尻が顔にヒット!
体重全体のし掛かり。
そのままバランスを崩して倒れてしまった。
今の僕の現状はスカートに頭を突っ込んでいる変態さん。
しかもハーピーさんがなかなか退いてくれない。
「ちょっ?はまくほいてにょー!」
「ふぬっ!」
真っ暗で見えないが何かに押し潰されうまく喋れない。
ただ反応はあるのだが。
このままではいけない。
何を言われるのか想像がつく。
そう思い退かそうと手をかけたときだった。
「お前!このような場所で何してるっ!・・・・してるんじゃない!さっさと退け!」
怒号が混じった声で注意をされる。
確かこの声って・・・・・
その声に気が付いたのか。
上に乗っていたハーピーが退いた。
そこには・・・・
「なっ!何故お前が?」
「あーマリアン、助かったよ。」
マリアンがいた。
そして彼女から。
「・・・・動物だから発情するのは構わないが・・・・行為を大衆の前でするものではない!」
「ふぇっ?ちが・・・」
「これで吹っ切れた。さてお前も遅刻しないで学校に行くのだな。」
そう言うと風のようにマリアンが駆け抜けていった。
そう、これがフラグだとは気がつかないで・・・・
ライローグとマリアン。
ここで二人の間にヒビが入る。
ヒロイン恋してはいけないライローグ。
彼はどのようなエンディングを迎えるのか。
またよろしくお願いします。
那祢でした。




