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第百七十二.五話「停電で大混乱?ザ・ファミリー」

こんばんは。

那祢です。

前回はなにも書かずにすみませんでした。

色々とあれていて。

今回は最後のヒロインとなりました彼女です。

ではまたあとがきで。

「勝者、秤芽瑠紗!」


レフリーならぬ八木沼さんの声が体育館に響き渡る。

その場に立っている者はいなかった。

語の激闘、誰がわかるのか?


「片足立ち対決の勝者は秤芽瑠紗」


もう一度読み上げる。

八木沼さん、それは駄目だよ。

秤ちゃん恥ずかしさで顔真っ赤になってるよ!


事の始まりは各競技で対決を行っていた。

その中なんと停電があってゲームので電光掲示板できていた得点掲示が消灯。

自分の点数がわからなくなるという事件が起きたのだ。

犯人はわかっていた。


「ズミマゼンデシた・・・・・」


相武クレア。

彼女が電光掲示板を消した張本人であった。

内容は簡単。

学校の水道の蛇口が自動で停止するものだと思いだしっぱなし。

それが延長コードでつないでいた掲示板にシュート!

火花が散って超エキサイティングとなった。

悪気があったわけじゃないので責めたりできないけど。

しょんぼり正座。

それと頬に誰かビンタをしたのか跡が残ってる。


「何でこれで決着になるんだよ!」


卯月響が怒鳴り騒ぐ。

彼女は参加していなかったが応援していた袖木音姫がすぐ負けていたので納得できないようだ。


「そうですわ!何で片足立ちが最終種目なんですの!」

「そうです。お姉さま!私も納得できません!」

「体力勝負なんて信じられませんわ!」


二古紫音と二古月菜、曽利唯流紗達も声が上がる。

彼女達も体力が持たず負けていた。

曽利なんておでこから落下している。


「・・・・・・・お前達。」


八木沼さんがすごむ。

さすが元レディースの頭だけあって皆びくっとして黙った。


「停電していてわずかな蝋燭の光で協議しなければいけないんだよ?なあ?わかるか?」


近くにあった掲示板を握りしめる。

メキメキ音がする。


「それで何をするか聞いた時『レフリーが決めてくださいっ』って誰が言ったんだ?休み返上して手伝ってやってんだぞ?なあ?」

「ひぎい!」


近くにいた相武クレアのおでこを掴む。


「で・・・・片足立ちにしたとき誰も文句言わなかったよな?それで私のせいか?ふざけんなよ!」


相武クレアが吹き飛んだ。

あっ!

これ見たことある!

〇ンダムで〇クの口を引きちぎったあのシーンだ。

吹き飛んだ相武クレアのおでこに手の跡がある。


「私がルールだ!でこの争奪戦、秤芽瑠紗の勝利でいいよな?」


周りを見渡し皆に尋ねる。

皆硬直する。

たぶん誰もがわかってるのだろう。

この人に勝てるのは柳生芦恵だけだろう。

彼女は不在だ。

ならばだろも文句を言えないし言わない。


「てなわけでこの勝負秤ちゃんの優勝!で獅々田さん。退院したら早めにこの子を嫁にもらって言ってくれ。あと、病院にはこのままいてほしいから継続で。頼む。でわ解散!」


そう言うと八木沼さんは急いで出て言った。

後々聞いた話だと副院長先生がお休みでご飯の予定が入っていると秤ちゃんから教えられた。

だから早く切り上げたかったのだろう。


「ええっと、獅々田さん。」


秤ちゃんが呼ぶ。


「ん?ぶふ!」


首を彼女の方に向けると彼女の指がある。

振り向いた僕は頬をつかれる感じになった。


「へへ、引っかかったわ。もしかしたらライローグ君の方がよかった?」

「ん。どっちでも構わないけど。」


先ほどまでがナース姿だったが競技の為、動きやすいジャージを着ていた。

何と言うか学生時代・・・・・・・いけない背徳感を感じてしまう。


「体を見渡して・・・・・もしやジャージ姿でドキッとしたのですか?」

「いや・・・なんていうか。うーん。」


わかっているんだ。

男子生徒が学生時代で会ったら嬉しい事その一!

クラスの可愛い子にかまわれること。

80年代の人にはたまらんシチュエーションだろ!


「はっきりしませんね。シャキッと言ってください!」

「あーもう!ドキッとしたんだよ!学生時代に戻った感覚でな!」


頭を掻きむしりながら答えた。

その反応に彼女は


「照れていたんですね?えへへ、嬉しいです。」


笑顔で答えた。

甘ったるい雰囲気が流れたが・・・・・・


「すみませんが見せつけは止めてください。」

「きい!あの女!許さない!」

「甘々ですわ!ショートケーキみたいに。」

「甘くとろけそう。お姉さま。」

「学校内でそう言うのはいけないと思います!」

「せんせーここは体育館だよー?交わってなければーいいんじゃないー?」

「うー!うらやましい!」


それを見ていた女の子達を感じすぐ離れる。

そして彼女は僕の腕を掴んで・・・・・・逃げだした。



数年後


「パパ?何をしてるの?」

「ん?写真整理を少々。」


ママからお呼びがかかる。

僕はアルバムに写真を片付けていた。

八木沼さんの結婚式や響ちゃんのお見合い写真などある。

あ、ママのお父さんが映ってる。

秤建設の秤次郎。

ものすごく怖い社長だった。

いや正しくは組長と言った方が良いだろう。

反社会の方ではないのだが・・・・・・

建設業を生業としている。

部下を何十人と一緒に住み込みしながら暮らしてる。

ナノデ・・・・


「お嬢!今日は旦那とお出かけで!」

「うちら数名付いていきましょうか?」

「不要ですわ。私が自分自身守れないと?」

「旦那の警護の方は!」

「だーかーらー私がいるから不要です!」

「流石ですぜ!お嬢!」


出かける時はこんな感じだ。

探偵業もこれだと成り立たない。

実際


『旦那、尾行ですか?ついていきまっせ!』


だったし。

なので探偵業は止め秤建設で経理&秘書をこなしている。

ちなみにママは病院で働いています。

八木沼婦長の次に偉いんだってさ。


「アルバム片付けてたの?ああ、息子写真を?」

「可愛いだろ?ちゃんと日付とメモを入れてわかるようにしているんだよ。」

「ふふー。ちゃんとしないとじいじに怒られますもんね。」


本日はじいじとばあばが孫と一緒に遊びに行っている。

会社が休みだから動物園行くって言っていてたが従業員二十人くらいついて行ったな。

動物園と途中寄るレストランの従業員を驚かせないでほしいな。

まあそのため今はお屋敷が僕たち二人である。


「2歳になっていろいろなことしてるからね。ワンパク息子は。」

「ふふっ。誰に似たんだか。先に言っておくけど私ではないわよ?」

「僕だって。じゃあ誰なんだい?」


二人は顔を見合わせて。


「「おじいちゃんかな?」」


声がそろった。

二人で笑いあう。


「ねえ、掃除終わったよ。あとは・・・・・」

「ん?何か手伝う?」


写真整理が終わったので眺めていたところだから暇をしていた。


「んー手伝うって言うには手伝ってもらいたいんだけど・・・・・・」

「ん?」


珍しく歯切れが悪い。


「どうしたんだい?」


つい聞いてしまう。

すると彼女は僕を抱きしめてこう囁いた。


「そろそろ二人目・・・・・・ほしいのですが。お暇でしょうか?」


甘く囁く声に僕は


「僕で良ければ喜んで!」


そう告げる。

そうして彼女をお姫様抱っこしながら連れていく。


「ちょっと!先に汗かいたからお風呂に・・・・」

「あとにしてください。」

「忠頼くん・・・・お願い。」


彼女のネコなで声に理性を失い僕は彼女を抱えて走り出す。

目的地へ!


その後、歯止めを聞かず暴走した僕は彼女に説教をいただくのであった。

夜になった。

皆が帰ってきたのでご飯を一緒に食べた。

早食いなのであっという間に食べ終え僕は家の縁側に座る。

外には大きい月が見えていた。

僕は今、人生を楽しんでいる。

家族が増え、仲間が増え支えていくものもどんどん増える。

もっと頑張らないと。

自室の片隅に置いてあるパソコン。

それに手を乗せこう告げる。


「シュウ、君も家族の一員だよ。」


嬉しかったのかパソコンモニターに電源が入る。

パソコン自体古くなったので軌道を避けてるがたまにこうやって反応してくれる。

喜んでくれたのかな?

そう思いもう一度外を見る。

まん丸の満月だ。

えーっとあれってなんだったっけ?

ああ、そうか!


「「月が綺麗ですね。」」

- 月がきれいですね。 -


いつの間にか隣にいた僕と芽瑠紗ママ、シュウが同じ言葉を言う。

二人と一台。

まあ一台は音声読み上げだったけど。

そう思っていると画面にこう打ち込まれていく。


- 愛羅武勇なんてロマンティックだね。私から一言。頑張れとは言わないよ。やれるだけやりな。それが君の・・・・君たちのいい所さ! -


「「ふっ。」」


二人して笑ってしまう。

そして僕は二人にこう告げる。


「やるだけやってみるよ。だから一緒についてきてほしい。」

「・・・はい。」

- はい。 -


二人の声が重なる。

縁側から入る秋の風。

その風は優しく僕たちを撫でるようにふくのであった。

人それぞれの幸せ。

価値観も違うんだろうなと思います。

これで全ヒロイン終わりました。

まだ残っていたら教えてください。

ではまた!

那祢でした。

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