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第百七十二.五話「ゆずりあい?愛を取り戻せ」

こんばんわ!

那祢です。

今回はゼリーと蛇女?

もとい先生たちです。

どう終わるのか?

ではまたあとがきで。

獅々田争奪、大運動会?

よくわからない大会が開かれ皆が頑張っている中、僕は一人首をかしげていた。

何故かって?

それは・・・・・・

ミリュン先生こと瑞亀美流とジュリー先生こと樹里洋子は何故この大会に参加したのかを。

参加がおかしいって?


「DD〇ボリューションで一位の樹里洋子にコメントを聞きたいと思います!洋子さんおめでとうございます!今のところ三位になっていますが・・・・一位の獅々田君を狙っているんですか!?」

「えー?一位ー?全然狙ってないですよー?」

「では何故参加したんですか?」

「なんで参加したかってー?だって楽しそうだったから―?私のお店でもこれやって―みたいねー。」

「現場からは以上です!」


というコメントだ。

レポーターは暇をしていた相武クレアだった。

ちなみにクレアは僕の事は好きではないと言っていたので参加を辞退したそうだ。

メドサ、こと袖木音姫が忘れられないらしい。

ゲーム内で好きだったのはまさに彼女の好みで・・・・・・とそこまでにしておこう。

そんなことを言って楽しんでいる樹里さんをみていた。


「あら何処を見ているんですか?」


僕の横に瑞亀美流が来た。

結果はと言うと数学と日本史、漢字はダントツ一位で強かったが他が駄目で下のクラスになっていた。


「ああ、先生。」

「先生は止めてください。年だってあなたの方が上なんですから。」

「あ、はい。すみません。」


僕は謝った。

美流はそれを見てクスっと笑った。


「冗談です。良いですよ。先生呼びでも。塾の先生をやっていますし教員免許ももう少しで取れますから。」

「おっ!すごいですね?」

「その言い方、馬鹿にしてます?」

「いやいや違いますって。普通にほめていただけで。」

「あなたはよく普通普通って言いますが普通は誉め言葉じゃないですよ?!」

「ここでもミリュン先生のお説教だ。」

「お説教ではありません!あの時の復習です!」

「復讐?」

「そこ!漢字間違えてます!」


二人は顔を見合わせて笑った。

年が近いせいかノリにツッコミを入れてくれる。


「さて、そろそろ私の番かな?頑張ってきますね。」

「無理しないでお年なんだから。」


美流はピタッと止まった。

そして首がゆっくりこちらを向く。


「・・・・・・ライローグ君。」

「はい先生!」


笑顔が引きつっている。

しまった!

女性には・・・・・


「妙齢の女性に年齢がかかわるボケやツッコミを入れてはいけません。」

「・・・・・・はい、すみません。」

「素直でよろしい。では行ってきますね。」


瑞亀美流は戦場へ向かった。

運動音痴な先生では勝てないのはわかっているが。

負けてほしくないと僕は思った。


夜遅くの最終結果発表。


運動系があり麻里亜と響、そして後半入ってきた柳生が一位を獲得。

総合結果は・・・・・・なんと樹里洋子が一位を獲得した。

全ての競技が平均で四位、五位を獲得していたので総合得点で優勝した。


「あららー?私が一位ー?じゃあーライローグ・・・じゃなく獅々田君をもらえるのー?でもどうしようかなー。」


そう言いながらちらっと明後日の方を見る洋子。

頬に手を当てる彼女の周りに彼女のいきなり取り巻きが現れた。


「洋子さま!こんな所で何をしていらっしゃいますか!」

「皆さま、お店でお待ちかねですよ!」

「沢山のお客様が洋子様に会いたくてバーに通ってるんです!」

「送迎を用意しました!」


スーツ姿の取り巻きに手を引かれ洋子は送迎車に向かう。

その時、彼女は僕と横にいるもう一人を見てこう言った。


「うーん。私ーライローグちゃんだったらいいけどー獅々田さんじゃあー要らないんだよねー。だから君にあげちゃうよー。」


僕の横にはいる方。

瑞亀美流だった。


「わ、私?」

「うん。前にー病院へ来た時言ってたじゃないー。『学生のライローグ君は可愛かったけどーおじさまのライローグ君はー大人の魅力でセクシー』だって。」

「ちょっと!」

「『だから私、頑張って皆と勝負するー』ってさー。それと・・・・・」

「それ以上は駄目!!!」


美流は慌てて止めようとするが彼女は送迎者の中に詰められる。

ゆっくりパワーウインドウが開く。

追いついた美流。


「はぁ・・はぁ・・・はぁ・・・・・」

「美流ちゃんー頑張って走ったねー。」

「う、うるさい。あんたが走らせたんでしょ?」

「だってー美流ちゃん。言わないんだもんー。自分の気持ちー。先生ぶってー?大人だから―?」

「ち、違うわよ!ただあたしが・・・・・・」

「恋に臆病だから?」


美流はビクンとする。

そうだ。

彼女の恋愛は大変なものだった。

親にせかされ長年付き合った彼に告白するも浮気が発覚。

それで命を絶とうとした。

彼女は恋が怖いんだ。


「獅々田君はーそんなことする人じゃないよー?」

「わかってる!わかってるけど!」


そんな時だった。


「じゃあいらないんだったら私がもらいますね!」 

「いや、私がもらう!」

「そんなはしたない方達ですね。その権利、私にお譲りを。」

「お姉さま、結局ほしいのですね。私も!」

「皆、寄ってたかって。まあせっかくだし私も。」

「ああん?勝手に競技初めてあたし後からきて不公平なんだよ!あたしがもらう!」

「喧嘩はいけないですよ喧嘩は。私も立候補しますね。」


競技に参加していた者たちが一斉に樹里洋子にアピールしてきた。

それを見た美流は


「わっ!私が譲ってもらったの!誰にも渡さないから!」


僕を抱きしめた。

やわらかにーつつまれたならーずっとー。

つい心の中で歌ってしまった。

このままでは呼吸ができない。

美流がそう言い放つと一斉に


「どうぞどうぞ。」


と譲るのであった。

一人以外は。


「えっ?」


コントみたいな状況に美流の胸の抱きしめが緩む。

息が出来た。


「皆、先生にあった出来事を多分知ってるんだよ。だから素直になってほしかったんだよ。」

「えっとさっきのは・・・・・・」


先生がもじもじする。

そしてこう言った。


「私、獅々田君とお付き合いをしてから結婚します!もう臆病になりません!彼を支えたり引っ張っていけるような妻になりたいです。皆さんのご理解をお願いします!」


美流が頭を下げるので僕も一緒に頭を下げる。

周りから拍手が起きる。

一人以外から。


「一緒に頑張っていこう。」

「うん。」


こうして大会が終わった。

僕達はしばらくのお付き合いの中で結婚する。

途中に曽利唯流紗の誘惑もあったが負けなかった。

今日、彼女が出産する。

僕は慌てて仕事を切り上げ病院に向かう。

仕事は彼女の働いていた塾講師と掛け持ちで他の仕事をしている。

到着するとナースに案内され僕は分娩室に向かう。

立ち会わないなんて旦那じゃない!


頑張ってください!

旦那様が向かってますから!

ひっひっふー!


部屋に入ると声が聞こえてきた。

美流がいきんでる。

僕は消毒をし手術服に着替え、妻の手を握る。


「あ、あなた。」

「美流、待たせた。」

「うん。あなたが来たのでいっぱい頑張る。」

「無理するなよ。」

「ここで無理しなければいつするんです?」

「確かにな。」

「「はははは・・・・・」」


それから数時間後子どもが生まれた。

僕は母子無事を目の前で確認し大きな声で泣いてしまう。

泣く赤ちゃんに優しい顔をした妻、美流。

女神しか見えないのであった。


「泣かないの。この子のパパでしょ?」

「ああ、そうだよね!パパ頑張るから!」

「うん。二人で・・・・・ちがうわね。三人で頑張りましょう。」

「うん!」


病室でそう決意した。

それからと言うもの何事にも全力で。

喧嘩もあるけど。

楽しい夫婦生活を過ごしましたとさ。


「もー!あーちゃんはー!またパパとママの話を他の友達にしてるでしょー!」


少年に美女が抱きつく。


「だって樹里叔母さん・・・・・・」

「おばさんじゃないでしょー!お姉さんでしょー?」

「でもーお母さんが年が近いからって。」

「もー!本当に美流ちゃんはー!」


美女は少年を放してはくれない。

そのためか気まずくなった友達はちりじりになる。


「で、あーちゃん。いつ私をもらってくれるのー?」

「あー、それはー。」


子どもの頃に約束してしまった約束。

子どもが覚えているのはあるが大人が。


「あれは白紙に。」

「できませーん。」

「お母さんに言って。」

「無理でーす。わたしが先にゆずったのでー。」


胸の圧迫から逃げたい少年をはぴったり捕まえている。

彼は逃げれないと分かるとこう呟いた。


「なんでうちの女性陣は強いんだ!」


それはむなしく響きわたるのであった。

幸せな二人。

いいですね。

次回はおやすみ予定です。

またよろしくお願いします。

那祢でした。

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