第百六十三話「創造主と創造神」
こんばんわ。
那祢です。
今回は残り二人の帰還。
どうなるのか?
またあとがきで。
「さて、残っているのは・・・・・」
「はい。」
「・・・・・ふん!」
僕の声に二人が反応した。
メドサとヒビキだ。
本名は蛇川芽衣佳と袖木音姫だ。
この世界を作ったのは彼女らだろう。
そしてこの原因を作ったのも彼女らだ。
その創造主たちを元の世界に戻す時が来た。
「・・・・・ねえ。シュウ。」
口を開いたのはヒビキだ。
「ん?なんだい?」
問われたのでシュウが反応する。
まだ帰還作業を始めていないようだ。
「私たちを本当に元の世界に戻すつもりか?」
「うん。その予定だけど何かいけないの?」
「・・・・?」
その問いかけにシュウとメドサは首をかしげる。
「だってさ、元の世界に戻ったところで私はパソコンを壊して恋愛ゲームのプロジェクトを台無しにし、怒られるか金払わなくちゃいけなくなるんだぞ?」
「まあ確かに。」
「だったらさ。この世界にずっといるのはどうかな?」
ヒビキが交渉を持ちかける。
確かにこのままヒビキ達ふたりは元の世界に戻っても所属していた会社から損害賠償を受けさらに苦しむことになるだろう。
しかも自分たちが作ったわけのわからないゲーム内に百人ぐらい閉じ込めたとなればさらに増えることは間違いない。
「まあまあ音姫、私も謝るから。だから一緒に戻ろう。」
「せ、先輩。」
「色々時間の無い中ゲームを作れって言われて二人とも残業してまで頑張ったじゃない。」
「うっ・・・・・・・やっぱ先輩優しい。」
「まあストレスのせいであなたにぶつかったこともあったけど。今回の件は私にも失態があったの。」
「えっ?先輩、あの時なにかあったんですか?」
「あ、ごめんなさい。伝えてなかったわね。あの残業前、上司にセクハラまがいな事されてね。注意したら『女のくせに!素直に従ってればいいものを!』って言われ制作納期を減らされたの。」
「はあ?あのセクハラ親父!」
「だから、あの事故の原因は貴方だけじゃない。私もいけなかったの。」
セクハラ親父のせいで納期が減り残業続きで精神的負担。
そのストレスでいつもより感情が入り注意がきつくなり怯える部下。
根を詰めた所、今回の失敗が起き二人とも病院に送られてしまったそうだ。
ん?
じゃあさ・・・・・・
「今回の事、セクハラとパワハラで訴えたら?」
「「えっ?!」」
「だってセクハラしてるのは確実だしそれを断ったら納期を減らすとか残業させるなんてパワハラに値するんじゃないかな。」
「た、確かに。」
「そうです・・・ね先輩。」
「だからさ、戻ったら警察に証拠を出して訴えて裁判でも持っていけばいい。タイムカードやボイスレコーダーで録音とか・・・・・・」
「あ、私。撮ってるのがあるかもしれない!」
「わたしも!わたしも!ムカつくこと言うから撮ったのある!」
「ならさ。二人とも元の世界に戻っても平気だよね?」
僕が声をかけると二人は頷く。
そんな時だった。
「あーそれって一応、今裁判しているらしいよ。君たちの両親が。会社の方がなかなか認めないらしいから早く戻って助けてあげた方が良いかも。」
シュウが話に割り込んできた。
「え?何で知ってるの?」
そう問うメドサに
「だって僕はプログラムで出来てるから他の機械に入り込んできただけ。それでニュース見てきた。」
と胸を張ってこたえるシュウであった。
早く言えと残りの三人は思うのであった。
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「さてはやく戻ろうか?皆が待っているし。」
「そうですね。パパママが待ってる!」
メドサとヒビキが言う。
「ライローグ、貴方との思い出。忘れられないわ。」
「ああ、僕も。」
「ちょっと来て・・・・」
「ん?」
- ちゅっ! -
唇にキスされた。
「また、いいえ。必ず再会するから。そしたらそれよりすごいことしてあげるんだから!先にあっちで待ってます!」
そう告げるとシュウのそばに歩いていく。
「ライローグ。先輩、年齢は言ってるけど乙女なんですから。早めに迎えに行ってあげてください。多分あの反応だと処・・・・・・」
- ぺシン! -
「いったー!乙女の頭を叩くなんて!も~ぐいぐい押すな!!」
ヒビキをシュウのいる方へ送る。
それ以上は言わせねえよ!!
と伝わったのかメドサの横に怒りながら向かうヒビキ。
シュウが呪文を唱える。
その瞬間頭を抱えて痛み出す。
「これって・・・・ほんと頭痛いわね!失敗した?恥ずかしい?先輩が助けてくれるんだもん!!それより早く戻ってあの親父刈り取らないと!!!」
「いったあああああいな!もうこの記憶の思い出す魔法いや!!それはそうとあのセクハラ親父!許せないわ!裁判でごっそり奪い取ってくるからね!」
そして二人は顔を見合わせ
「「そしたらまた会いましょう!獅々田忠頼くん」」
声をあわせると二人は光の中に消えていった。
残ったのは僕と
「やっと二人きりになったね。」
「ああ。」
シュウの二人になった。
そして僕とシュウはこの世界で二人っきりで暮らすことになる。
そう。
永遠に。
全員もとの世界に戻りました。
残った二人はどう暮らしていくのか?
決まったストーリーはあるんですが。
まだ修正するかも。
次回もよろしくお願いいたします。
那祢でした。
那祢でした。




