第百五十九「いきなり四人。エルフとドワーフと・・・・」
こんばんわ。
那祢です。
まだまだ続くこの話。
あと少しって何回言ったかな?
もうすこし、もうちょっとお付き合いおねがいします。
またあとがきで!
「あら?ライローグさん。先ほどから彼女たちと別れ際に何をしていらしたの?」
イルフィスだ。
天使族の・・・・ほぼ堕天使に近いイルフィスだ。
目が笑っていない。
怒ってるよ。
しかもわかっていて聞いてる。
「ああ、いやー。別れの・・・キスかな?」
「あら、キスでしたの?欧米では挨拶と言いますよね・・・・・・・」
そう言いながらイルフィスは明後日の方向を見てる。
あっちに何かあるのか?
向いてる方を僕も確認するが。
その瞬間、僕の胸ぐらをイルフィスが掴み彼女の方に引きずり込んだ。
バランスを崩した僕は彼女の胸に飛び込み翼でおおわれる。
「でもここは欧米ではありません!私、他の女といちゃつくなと言いませんでしたか?妻の話を聞けない悪い子です!お仕置きしないといけませんね。」
「妻?・・・・・・あ。」
彼女はあの出来事の記憶を取り戻してる。
ということは・・・・
「オラ!!!」
いきなり大剣が薙ぎ払われる。
彼女の翼に包まれている僕ごと巻き込むように。
風圧で吹き飛びそうになった。
「おい!鳥!そう言いながらあたしのこれといちゃつくいくんじゃねえよ!」
クロエだ。
あの時の出来事を覚えてるのならここで喧嘩が始まってもおかしくない。
そう思った。
だが・・・・・・・
「あら、そうでしたわね。半分半分の約束でした。」
「ああ!そうだとも!」
半分半分?
お饅頭やパンなど分けるときに聞いた言葉。
「あの時に私たち後悔をしましたの。二人で奪い合って全てを無くしまして。」
「奪い合い争うだけだったら簡単だ。だが消えてしまったものは戻せないし取り戻せない。」
「ですからあの後二人で話し合いました。真っ二つに分けてから増やすのも考えましたがそれではあなたではないような気がしまして・・・・・」
ぞくっ!
怖いことを平気で言いますな!
「だから右と左で分けるってことになった。あたしが右で鳥が左ってね。」
「そうです・・・・・って鳥って呼ばないでくださいませんか?暴力女。」
「お前こそ!暴力ふるっていねーし!」
言い争いを始める。
ちゃっかり左右で僕の腕に組んで猛抗議を行っている。
あ。
もめているその隙にシュウがターニアルとルンを転送始めてる。
ターニアルはこちらに手を振っている。
ルンは親指を上げこちらに向けている。
確か『グッドラック!』だっけ?
シュウが二人に手をかざす。
「・・・・・大工の棟梁は無理かもしれないけど・・・・・やりたい事は・・・・したい・・・・・ふぐ!お父さんに・・・・・ダメって言われたら・・・・自分で作る!友達と!」
「うっ・・・・!わたしは・・・一人で寂しかったんだ。もっと色んな人と話を・・・・・していって・・・・・信頼できる・・・・友達を作る・・・・。だからねっ!・・・・・ルンちゃん!!そしたらまた何処かで会って・・・・友達になって!だから・・・・・私たち」
「「頑張ろう」ね!」
二人は消えていった。
少し寂しい空気が漂う。
何処の場所に住んでいるかわからない二人。
運命と言うぐらい少ない確率で出会えるのか?
それは彼女達次第なのかもしれない。
シュウがワープして僕の後ろに回り込んだ。
ああ、なるほど。
もめている間に転送しちゃえってわけか。
シュウが手をかざす。
「キャッ!頭が・・・・・いたいっ!!!・・・・・私は片思いだった人を忘れられず・・・・・。ううっ!だって・・・・・・彼ったら彼女がいて・・・・・・知ってて優しくされた・・・・靡かなかった。」
「がっ!あたしは・・・・・剣道が好きなだけだ!なのに男子たち・・・・アイツら女の癖に粋がってんなって・・・・だから叩き潰したんだ・・・・・・剣道で。」
「だから今回・・・・・この世界で出会った・・・・・彼氏のライローグとの思い出を・・・・・忘れたくないの・・・・!」
「あ・・・・あたしは強い男が好きなんじゃない!優しく・・・・・あたしを気にかけてくれる・・・ぐっ!お前のような王子様が好きなんだ。」
二人は思いを語る。
そしてクロエは僕の頭を掴み自分の方に向ける。
キスをねだる仕草だ。
僕は優しくキスをする。
唇が離れた時少し寂しげな顔だ。
次にイルフィスの番・・・・・・・・
彼女は目をつむり唇が近づく。
「アッ・・・・・・」
その声と一緒に二人は消えてしまった。
声の正体はシュウだった。
皆の視線が集まる。
「ごめん。思ったより早く転送しちゃった!てへっ。」
ああ無常。
別れを告げられなかったイルフィスを思う。
「次は気を付けます。ごめんなさい!」
シュウの謝罪する。
プログラムだから悪びれる様子もない。
『哀れなイルフィス。』
『前回あんなことしたし自業自得では?』
『それより早く転送して印象が薄かったターニアルとルンの方が可哀そうでは?』
残った者たちは皆々そう思った。
「さあ次の方!話す時間はいっぱいとりますよ!」
静寂が押し寄せる。
雑に扱われたくない。
声を出さなくても聞こえそうだ。
シュウの呼び声で一人歩み出る。
「生徒達が行かないなら私が行った方が良いでしょ?」
「流石ミリュン先生―。なら私もー。」
声をした方を見る。
そこにはミリュン先生と・・・・・後ろにジュリー先生がいた。
「次は先生をお願い。」
「まかせるよー。」
二人は準備をするのであった。
雑に扱われたら切ないですよね。
次は先生たちだが?
他には?
またよろしくお願いいたします。
那祢でした。




