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第百五十八話「ケンタウルスと双子のヴァンパイア」

こんばんわ。

那祢です。

今回も続きです。

マリアンと誰か。

タイトルでばれてるな。

ではまたあとがきで。

マリアン。

僕がこの世界に来て初めて勇者と幸せにした女の人だ。

そんな彼女の番だ。


「まって!」


手を前に向けるシュウにマリアンは制止するよう呼びかける。

送還作業をしているシュウは驚き止まった。

何なんだ?

怪訝そうにマリアンを見た。

ん?

じっとこちらを見ている。


「?」


僕は首をかしげる。

どうしたんだ?

何か忘れものでも・・・・・・?

そんな時だった。


「ライローグ!ちょっとこっちへ来てよ!」

「ふぇ?」


行きなり呼ばれたので変な声が出てしまった。

恥ずかしい。

顔を赤らめながらマリアンの元へ向かった。


「ん?なんだよ?」

「・・・・・・・」


僕の顔を眺めてる。

無言の空間だ。

すると・・・・


- ちゅっ! -


唇にキスをした。


「「「「「「「「「なっ!」」」」」」」」」

「ん?」


キスをされてるので声が出ない。

ちょっと待て!

舌が!

濃厚な奴・・・!

ディープ・・・・・!

もがく僕をようやく解放する。


「ハアッハアッハアッハアッハア・・・・・・・」

「へへっ。」


息を切らす僕に満面な笑みを浮かべるマリアン。

周りの子達が怒りで邪魔をするかと思った。

が驚いただけで終わったようだ。

何かぶつぶつ言っているが・・・・・


「いきなりキスしてごめんね。きみに感謝とご褒美をもらいたくてね。私ってこんな見た目だからさ。肌も焼けて黒くガサツで・・・・・男友達にしか見えないって昔言われたことがあるんだ。だから男の子にはモテないけど・・・・・」

「そんなことないよ!可愛くて魅力的だよ?」

「そう?そういってくれると嬉しいな。私。でね、君が私を勇者に進めてくれた時は嬉しかった。私にもまだまだ魅力があるって・・自覚して・・・・ううん違うか。」

「?」

「本当は君に好きになってもらいたかったんだよ。そのためいっぱい頑張ったんだ。結局は勇者を選んであんなことになったんだけど。」

「弓矢で射貫かれた時は本当に怖かった。」

「ごめんごめんw」


マリアンは背中を擦ったりパシパシ叩く。

優しくてくすぐったく時に痛い。


「だから元の世界に戻ってもまた会いたいなって思ってさ。」

「ああそれな。僕は・・・・・」


- ペシッ! -


シュウにチョップで止められた。

そっか僕はこの世界に残るんだった。

彼女たちに後悔を形にして残すのはいけない。


「あーわかった!ゲーム世界だからここで情報を公開するのは無理なんだな?」


馬の下半身をウイリーをして威嚇するポーズをとる。

攻撃か?

ああ、方向転換の為か。


「シュウ、願いする。」

「はいっ!」


シュウはマリアンに手を向ける。


「またな。マリアン。」

「またなーじゃないな!へへーん!絶対探す!」

「探す?」

「ああ、元の世界に戻ったらぜってー探してやるさ!この足で・・・・・があああああ!!!!!」


マリアンに痛みが襲ってきたようだ。

肉体的じゃなく精神的に。


「陸上に戻って・・・・新聞配達で稼いで・・・・・意地でも・・・・探す・・・・・」

「ま、マリアン?」

「・・・・覚えておけ!私は・・・・・マリアだ!お前の・・・・嫁に・・・・なる・・・・」


- ピシュン! -


マリアンが消えた。

最後に何か伝えようとしたがわからなかった。

ただ『マリア』だけはかすかに聞こえた。

感傷に浸っている場合ではない。

どんどん行かせないと!

次の相手を確認する。


「順番って言ったら?」

「私たちですよね?お姉さま。」


自ら僕たちの前に進んでやってきた二人。

セオンとファルスティーナだ。

そんな彼女らも僕の前やってきた。

ファルスティーナを勇者と結ばれるように頑張った二つ目のお話。

ヴァンパイア双子娘。


「何か変な解説してない?」

「ギクッ!」

「普通の人は自分でギクッて言わないわ?」


二人に挟まれたじたじになる僕。

それを見て笑ってる二人。

お嬢様のほほ笑みは見てるだけでご飯三杯行ける!

そんな二人からは・・・・


「チュー!」

「むちゅー!」

「おっ!」


先ほどのと違い軽いキスをされた。

外野はうるさくない。


「ふふふ、ディープキスを期待してましたのかしら?それは残念ね?キスは軽いものにいたしました。二人いるんですから。分けないとね?」

「流石お姉ちゃん!私もお姉さまを真似しまして半分キスしましたわ!」

「真似って・・・・」

「お姉さまは何でもできるのではなく努力して色んな事できるようになっているのをこの世界で知りました。だから私もお姉さまを見習って努力するのです!」


努力ってキスに関係あるのか?

心の中でツッコミを入れる。


「あら、ファルスティーナ。そうでしたの?私はただここにきてライローグと出会い色々考えましたの。完璧主義の思想とか。いくら沢山こなしても命尽きれば意味が無い。ファルスティーナと融合したあの時、強く思いましたの。」

「そんな!お姉さま!私はお姉さまの・・・・」

「だから私は・・・・・」


セオンが僕の方へ向き


「隙あり!ロングキスだ!ちゅー。」

「ふっ!!!!!!」


再び唇を奪われる僕。

周りからヤジが飛ぶ。


「お姉さまったら。私も!はむチュー!」


やっと離れた唇を奪うようにファルスティーナがキスをする。

しばらくして解放される。

そして二人はシュウの前に・・・・


「「お願いします。」」


声が重なる。

綺麗な声だ。

シュウが構える。


「ライローグ、私。絶対君の事忘れないから。」

「私も!貴方の事忘れないから!」


手を振るファルスティーナ。

次の瞬間。


「ああああああああ!!!!私た・・ちの・・・・財力・・・・で探し出す・・・・から・・待って・・・・なさい!!!!」

「ふわああああああ!!!!私の・・・彼氏か・シオンお姉ちゃんの・・・・彼氏にして・・・・絶対お兄ちゃん・・・にするよ!!!!」


二人に記憶が戻る時の痛みが走る。

見てるだけで痛そうだ。


「「ライ・・・・ローグ・・・・私たちの事、忘れないで!!!」」

「・・・・・・はい」

「「・・ぜったい・・・・覚えていなさい!!!」」


そういう声を上げて二人は元の世界に飛んで行った。

何を覚えるのか?

探すこと?

それとも彼氏の件?

特に財力で探すのは怖い!

怖くて忘れられないよ。


- ブルブルブル ー


体を擦って震えを止める。

残ったのは数名。

次の方は・・・・・あの方だった。

三人の女性と別れを告げたライローグ。

彼が残るとは誰も知らずに。

次は誰との別れに?

次回もよろしくお願いいたします。

那祢でした。

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