第百三十九話「クロエの進化」
こんばんわ。
那祢です。
前回はすみませんでした。
今回はクロエ対イルフィス。
どうなるのか?
またあとがきで!
「ようやくお出ましかい?クソ魔女様。」
「あらー。汚い口癖はそのままですね。ざーこ。」
- ガキンっ! -
- バシュン! -
二人の間に剣と魔法がぶつかり合う。
「うわっ!!」
僕はその衝撃で吹き飛ばされた。
いや・・・・
吹き飛ばされたフリをした。
転がるついでに周りを確認する。
まずはシュウ。
服がボロボロになっている。
どうやらいきなりイルフィスの不意打ちを受けたようだ。
でも様子からして・・・
あっ!
動いているので何とか助かったようだ。
ばれないように魔法を唱えているので回復するだろう。
次に・・・
セオンとファルスティーナを確認する。
うっ・・・・
セオンは体半分が焼かれファルスティーナは右半身を。
この焼かれ方はヴァンパイアの弱点、聖魔法だろう。
動きの素早い彼女らに当てずらい聖魔法をピンポイントで命中させる。
恐ろしい技術を持ってるな。
そして転がっていく先にいるのは・・・・
アルムファイムだ。
先ほどのクロエの剣。
あれは確か呪恨の剣だったような。
人の魂を栄養糧にして自分の能力を上げる禁じられた剣。
人間のクロエには扱うことができない剣なのだ。
それを扱える者は人間を辞めた者。
そう、妖怪または化け物なのだ。
「クロエちゃん。貴方まさか?」
「ああ、お前を殺すためにさーヴァンパイアってやつの血を飲み干したんだよっ!」
獣人化だと思っていたクロエの姿が変化する。
深紅のドレスを着た悪魔。
ヴァンパイアの姿に。
「先ほどの姿はイリュージョン?」
「こざかしいのは嫌いだがな。」
「では先ほどの私の魔法、なぜ効かないの?!」
「ごちゃごちゃうるせえなっ!」
大剣で薙ぎ払う。
「ぐっ!!!」
イルフィスは何とか擦れ擦れでかわす。
「あたしはね。この数か月あんた達をどうやってやっつけるか考えていたの。獣人化の時はライローグの力を借りなきゃいけなかったし。でさーわかったことがあんのよ。」
「わかったこと?」
「戦った種族で亜人っているじゃない?」
隙をついて切り込む。
それもかわすイルフィス。
反応いいな。
感心してる場合じゃない。
彼女のもとへ行かないと。
「亜人?ああ、最下底種族の生き物の?」
「ああ。ヴァンパイアや狼男、沢山いるよな?」
「それが・・・・・・ま・・・まさか!!!!」
イルフィスの細い目が見轢かれる。
クロエは顔を隠して笑いだす。
まさか?
・・・・・・・・
アッ!!!
僕は気が付いた。
僕の妖力が吸い取られてクロエは獣人化した。
彼女にはその物・・・・いわゆる他種族から得たもので進化する。
じゃあ彼女は・・・・
「ギルドの依頼で受けた討伐任務。その中にはいろんな亜人がいたさ。その殺した亜人の血液を啜ったのさ。こいつの餌にもなるしな。」
剣をずいっと見せる。
こ・・・・こいつ・・・・狂ってる。
そしてクロエがこちらを向く。
「全部ライローグ、お前を手にいれるためさ。」
ぞくっ!!
悪寒がよぎる。
いきなりなぜかメモの内容を思い出す。
まさか!!!
彼女は多分あの種族も口にしているはず。
これではいくらレベルを上げたイルフィスでもかなわない。
「イルフィス逃げろ!!!!!」
僕は叫んだ!!
あれほど嫌悪感を感じていたイルフィス。
そんな彼女に逃げろと伝える。
驚くイルフィスだったが気にせず彼女の弱点の聖魔法最大のレーザーを当てようと構える。
持ている杖から光がはなたれ・・・・・・クロエを包んだ。
「これで終わり・・・・・・えっ!!!!」
- ズザシュッ!!! -
光と影のシルエット。
僕はしっかり見えてしまった。
イルフィスが・・・・剣で貫かれるのを。
光が収縮して周りの景色が戻る。
そこにいたのは剣を持ったクロエと剣に刺さったイルフィス。
「な・・なんで?か・・・回復が・・・できない・・・の」
「お前、馬鹿だろ?さっきあたし、何って言った?」
「亜人の・・・・・血・・・を・・・・」
「そう、亜人。てことはお前ら天使の血も飲んでんだよ。」
「!!!?まさ・・・か・・・・・」
「じゃあな。昔の相棒。あの絶望を与えた事、ぜったい許さんからな。」
-ズボッ!-
「げふっ!」
クロエは剣を抜く。
そして・・・・・・・
- ザシュ! -
「ぎゃはっ!!!」
イルフィスが真っ二つになった。
空中で戦っていた二人。
僕の目の前に亡骸となったイルフィスが落ちてくる。
- ドシャっ・・・・・ -
「ら・・・・い・・・・・ろ・・・・・」
涙ながら手を伸ばした彼女。
その言葉を残し彼女の目は・・・・・・光を失った。
「ざーこざこざこ!!!弱すぎん!自信が合ったくせに隙を見せる。なんかこんなアニメあったよなー?DBだっけ?」
下りてきたクロエ。
そんな彼女はイルフィスの下半身を持ってる。
まさか!
「クロエ!」
「殺したら食べてあげないとな。無駄な切傷したくないんで。おいしくいただくところ見ててね?」
血を啜り始めた。
そうか。
深紅のドレスはこの為。
目を背ける。
見たくない。
顔をもそむけるがそれは許さない。
彼女の剣がこちらに向けられているから。
「ん?おっと!もう一つ忘れてたな。」
やばい!
アルムファイムの事がばれた。
先ほどクロエの攻撃で瀕死だったので回復させていたのだ。
このままでは食べられてしまう!
その時だった。
「クロエさん!!!何をやっておりますの!!!!!!」
もう一人安否確認を忘れていた。
大きな足と瞬足のスピードが通り過ぎる。
その蹴りがクロエを吹き飛ばす。
「うおっと!?てめえは!」
「あら、私をお忘れでしょうか?巨人族の長の娘、シャンメール。この学校の風紀委員です!」
防具で固められたシャンメールが参戦するのであった。
クロエの目的。
野望はいかに。
また次回もよろしくお願いいたします。
那祢でした。




