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第百三十話 「モブよ、このままでいいのか?」

こんばわ。

那祢です。

今回はあの疑いがかかった後編。

シュウを幸せにできるのか?

それともできないのか?

または?

またあとがきで。

男好きと勘違いされて早数か月。

僕たちは二年生になった。

人のうわさは四九日と言ったものだがなかなか治まる様子はなかった。

クラスのBL大好き腐女子からは


「ねえねえ!攻め派?受け派?それとも両党使い?」

「うんうん!わかるよ!誰カプ?シャズライ?シュウライ?」

「タチ、ネコは必要よ!やおいなら!」


と・・・ひっきりなしにやってきては冷やかしていく。

僕はBL自体あんまり詳しくないのだけどな。

まあその中でも


「ノンケでもいいのかい?」


と上級生に言われたときは少しヒヤッとした。

危うく間違えたら強制的に


「あーーーーーーーーーーーー!」


となってしまう所だったよ。

まあ、噂が消えない理由は他にもう一つある。

シュウが毎日僕のところに来るからだ。

来ては・・・


「ねえーライローグ?僕に恋愛を教えてくれるんでしょ?」


と言いながら首に手を回したりしてきてアピール。

アイツ自信は小馬鹿にしてるんだろう。

まあ創造主本人に向かって


「勇者が嫌なら僕と恋愛しろ!」


と言ったのが原因だから否定はできないんだけどね。

まあ噂をすれば影だ。

奴がきた。


「ライローグ、元気ー?」


今日も男子用の制服をきっちり着込んだシュウがやってくる。

しかもその姿で距離が近いんだから困ってしまう。

何で女子用ではないかって?

理由は・・・・・


「見て!またあの貴公子、来ましたわ!あの汎用型狐妖怪の何処が良いんでしょう?」

「私もそう思うわ。彼は素敵なのに!どうして狐とBLなのよ!」


とまあ無駄に僕の悪口を言われてる。

アイツはイケメンだから女性の評価が良い。

面倒が少ないと言っていた。

それと・・・・


「最近あの女、いないわね。」

「噂だと毎日のいじめで部屋に引きこもっているらしいわ。かわいそー。」

「でもその彼女の代わりに貴公子が出席しているんだからそのクラスいいわよねー。」

「アイツじゃなくずっと貴公子がいてくれれば・・・・・」


と女性の時のシュウのヘイトを下げられるからだと思う。

だから・・・・


「なーに考えてるんだい?」

「うおっ!」


ずいっといきなりイケメンが僕の顔に覗き込む。

目の前に美男子の顔は心臓に悪い。

変な声をあげてしまった。


「いきなり覗き込むな!」

「あれー?驚かせちゃった?」

「お前わざとやってるだろ?」

「・・・・・僕には黙秘権があります。ふふふ・・・」


口に指を当てわらってごまかしてきた。

その笑顔に周りの女性陣の歓声が沸く。


「お二人さん、教室での男同士のイチャイチャはひかえてくんない?」

「ミテル俺ラガ恥ズカシクナル。」


僕の友達二人からも冷たい目で見られる。

まあ二人にはこいつが男女性別を切り替えができる奴と話してあるから誤解はされていないけどな。

・・・・まあいいか。

話が進まないから本題を聞くことにした。


「で、今日は何か用か?」

「用ってわけじゃないけど最近気になってることがあってさ。」

「気になってること?またか?」


シュウが頷く。

そしてから近寄って耳元で内緒話をしてきた。

クラスが騒めく。


「君が考えていた勇者の恋ってどうなったの?僕、あれからあんまり男性の姿しかになっていないけど。」


まあ確かに他の奴に聞かれたら面倒くさい話をする。

だから放課後にすればいいのに。

今この話をする?

うーむ。

多分僕との関係を見せつけたいのもあるのだろう。

その案に乗ることにした。


「勇者はね、シュウにフラれたと思い違う女の子にチャレンジしてるよ。」

「え?でも情報やアドバイスを伝えているところ見ないし・・・・」

「ああ、情報相談は寝る前の時間のみにしたからね。」


なのではっきり言って自分の時間が無くなったのだが。



「もしかして僕のせい?」


学校の貴公子が上目遣いで覗き込む。

いいえ違うよ?

パーフェクトなイケメンならそう答えるよな。

でも僕は


「そうかもしれないな。でも気にしていない。あちらこちらの場所で聞かれるよりはましだから。」


そう答える。


「もー。『そこは全然気にしなくていいよ』って言う部分では?」

「でもお前嘘嫌いだし・・・・」

「まあ、たしかにね。よくわかってるー。ふふふ。」


だよな。

こいつと一緒にいてわかったことが一つある。

彼はバレバレの嘘が大嫌いだ。

それを知ったのは初めて二人で買い物に出かけた時である。

彼は買い物時間が長い。

特に服を選ぶのが。

多分、中身が女性だからなんだろう。

そう言い聞かせて待っていた。

男性用と女性用両方を買うからかもしれない。

二役は大変なんだよ。

僕はベンチに座りまちぼうけしていたその時


「ごめーん。待ったー?」


と申し訳なさそうな顔のイケメンがきた。

シュウだ。

買い物袋をたくさん持って話しかけてきた彼女。

まあここはマナーとして


「ん?全然待っていないよ。」


そう伝えた。

その時だった。


「ねえ、君さー嘘が下手だよね。気がついてなかった?なんだからー嘘は言わないでほしいかな。」

「え?」

「僕ね。嘘をつかれると体に悪寒が走るんだ。するとなぜか色々その人をと疑いたくなっちゃうのよー。本当にこの人は私を愛してくれるのか。信用してくれてるのかとかさー。」

「でも待ったは・・・」

「他の子なら喜ぶけど私には金輪際絶対しないで。」

「・・・・・わかった。」

「じゃあこの袋を持って帰りましょーう!」


そう僕に伝えるといつものテンションに戻った。


とまあこんな感じで怒るには何らかの理由があるんだろう。

メモを確認すれば答えが書いてあるはず。

でも今の関係をもう少し楽しみたい。


「また考え事をしているな?」


再び覗き込むシュウ。

眉毛がへの字だ。


「ん?あまり考え事はしてない。」

「あまりってことはしてたじゃないの?ねえねえ?」


への字の眉毛が元に戻った。

煽るのが好きなシュウ。


「全く、僕のお連れさんにはまいるよ。」

「参るってちょっとまってー!うわっ!なにするのっ!いたたたた!!!!」


そう言いながら話をごまかすためヘッドロックをシュウにかます。

優しい世界。

この関係をもう少し続けたい。

そしてこの世界を平和に終わらせたい。

そう思い願ってしまうライローグであった。





「あらま。勇者を放置で情報屋なんて馬鹿じゃないか。」


教室の入り口で眺めているものが一人。


「モブが幸せになりたいだけなんて許せないな。壊しちゃうか?」


そのものは影のように教室から去っていく。

それに周りは気が付かないのであった。

男同士のライローグとシュウ。

二人はこれからどうなるのか?

嘘つかれて嫌がるシュウの理由は?

また次回もよろしくお願いいたします。

那祢でした。

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