第百十九話 「勇者は・・・・」
こんばんわ!
那祢です。
キサラギ編そろそろ終わる詐欺になっています。
もうしばらくお待ちを!
今回は勇者のお話。
彼は何でここまでできたか?
ではまたあとがきで。
「ライローグ君、君は何で情報屋なのに命より大切なものを無くすんですか?」
「面目ありません。」
開口一番に創造主に注意される。
確かにただのモブである。
小説やコミックでは目がなかったり黒く塗られたりトーンをかけられたり。
アニメで出てくるモブは主人公たちの横をただ歩く顔のないキャラだ。
なら今までの俺はどんなモブだ?
勇者の親友で情報を提供しているから顔が無かったことはないだろう。
声も音声がついてたのだろう・・・・なら今は?
クイズ!モブダービー!!
「『情報屋のモブ』が『情報』を無くしてしまった場合に何が残るでしょうか?」
- ピンポン!! -
「モブ!!」
ー ピンポンピンポン!!正解!!!! ー
脳内でついクイズにしてしまった。
そう俺は単なるモブになってしまった。
なら謝るしかないだろ?
「怒っているわけではありません。無くした時に何で私に伝えないんですか?」
「ええっとー言われてなかったから?」
「ああ、もう!!最近の子はよく言われてなかったからといって自分勝手なことをしますね。本当に面倒くさい!私も貴方の行動をずっと監視しているわけにはいかないんです。」
「まあ、神ですからね。忙しいんでしょうし・・・・」
「わかっているなら勝手なことをしない!!!」
「・・・・・はい。」
言っていることは正しい。
だから返事をした。
「・・・・でカイル君。」
「あ、はい。」
「じゃあどうして貴方はそのメモでこの世界をグシャグシャにかき混ぜたんです?」
そう、俺が気になっていたのはそこだった。
俺らにとっては世界を救った英雄でも創造主にとってはシナリオを書き換えた迷惑かつ邪魔な者にしかなかったようだ。
「何故って?そんなの決まってる。」
「ふむ。」
「・・・・・・・」
会場の中は逃げ惑う人達で溢れかえっていた。
だが創造主のお陰かこの三人の会話はクリアに聞こえる。
「俺がお前達に嫌がらせをしたかったからだ。」
「・・・・・えっ?」
「はぁ!?」
想像していた言葉ではなかった。
俺が創造していたのはこの世界で勝てるものが一人もいなく全てを手に入れる。
例えるなら力での世界征服だと思っていた。
だが実際はそうではなく・・・・・嫌がらせだとは・・・・
「まず創造主。」
「はい。何ですか?呼び捨てにして。私があなたをゲストに・・・・」
「はい、黙っててねー。俺は世界を乱しているものがいる事に気が付いたのは雪山の出来事だった。」
「雪山?」
ああ、スキー教室か?
確かあの時こいつは・・・・・
「ライローグ、気づいていると思うがあの時に頭をぶつける事故を起したんだ。その時に
色々思い出したんだ。」
「色々?」
「そう初めのオープニングとかこいつのナレーションとか。アドバイスする俺の親友とかな。」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
創造主は黙る。
いつもの薄ら笑いが全くない。
「ライローグ・・・・君はメモで相手に触れて情報を探り俺たちに女の子の情報を流す。これで会ってるよね?」
「あ、ああ。そうだが。」
「なら俺が全校生徒と仲良くなって握手またはスキンシップをとったらどうなると思う?」
そうだ。
こいつは俺が想像したことをやっていた。
全校生徒の情報公開。
それはあらゆる秘密を知ること。
貴族御用達の離反や魔王討伐の武器作り。
何処にダンジョンがあるか魔王とは。
それをすべて知っていたのなら・・・・
まさに創造主の言う『チーター』だ。
「ふむ。そんなことは想定内だ。ライローグ君のメモを持ってしまったなら。でも貴方はライローグ君から盗んだ上にそれが何なのか知っていた。そこが私が気になっているところ・・・・」
「ちょっとー創造主さんは黙って。」
「何を!私を誰だと!」
創造主の手が光り出した。
この世界の魔法だろう物がカイルに放たれる。
がカイルはそれを持っている剣で真っ二つにした。
凄い早さだった。
「まだ、話してる最中でしょうがー!」
誰だっけ。
どっかの国からのあの人に似ている。
どっかの国・・・・?
それってなんだ?
- ズキン!!! -
「痛っ!」
頭が痛くなった。
何かを思い出したいのに出てこない。
「僕は創造神がこの世界をいつでも壊せるのが嫌だった。だから創造主の起こそうとする事を事前に全て壊すことにしたんだ。」
だからカイルは最強の力を手に入れたんだ。
「じゃあメモは・・・・」
「君がお風呂に入っている時に時空を歪ませて部屋に入り拝借しただけ。」
「それって窃盗じゃねえか!!!」
「大丈夫大丈夫。お借りしただけだから。」
勇者が家宅侵入と窃盗犯。
まあ確かに俺がやっていたゲームにも勝手に勇者が部屋に入って箪笥を漁ったりツボを壊したりしていたな。
ん?
ゲーム?
「でこれで創造主に対抗できる力を持ったってわけ。」
「ほう、それでシャンメールの国を守ると?私も舐められたものですね。残念ですが君が恋人、二人共を諦めないと想定していましたよ。欲深い生き物ですから貴方は。」
創造主の顔が怖い。
いつもは人形みたいな顔立ちなのに完璧に顔が引きつっている。
怒りが止められないんだろう。
ここで先が読めたことが嬉しいのか少し緩んだ気が。
「いいや。違うぞ?」
「「えっ!?」」
その言葉に俺と創造主は驚いた。
世界を救う力がある。
ならばそれを使えば世界を救うことができる。
なのに何故?
「で話を戻すかな。創造主はそう考えていると最初から思っていた。」
「なんですって!」
読まれたことに驚きを隠せない様子の創造神。
「だから俺は最終日に協力してもらった。出てきてほしい。」
カイルが声をかける。
そこにはエルグーラがいた。
「え、エルグーラさん?」
「な、何です?このモブは私が啓示に利用しただけの女のはず!そしてライローグの伴侶にする目的で・・・・・・まさか!!!!!!」
「あはははっ!」
驚く創造主を見てカイルは笑う。
まさかって?
何だよ?
「ライローグはまだわかってないよな。彼女はライローグと婚約は全くしていない。」
「え?えっ?」
いきなりの言葉に俺は驚く。
「創造主の話はあらかと終わった。」
「まだ終わってないんですが・・・」
カイルは創造主を無視して話をする。
「じゃあ次はライローグ・・・・いやライローグ君に話をしよう。」
いきなり改まった話方になる。
俺に話って?
「俺にってあとはお前が創造主を倒すだけだぞ?」
「こいつはそんなものでは絶対死なない。」
「ご明察。私はこの世界で作られたもので・・・・」
「まあいいや。で君の話だ。」
創造神が無視をされ苦虫をかんだ顔になる。
「ライローグ君。君の『それと』の続きを早く教えてほしかった。」
それと?
俺ってそんな言葉いったっけ?
それと・・・・・・それと・・・・・それ・・
「あっ!!!!!」
俺は気が付いた!
創造主はまだ気が付いていない。
「お、お前はまさか!!!!」
その問いにカイルは笑顔で答えた。
「やっと会えたね。相棒」
勇者は結局何を伝えたかったのか?
彼は何でこんなことを?
そして創造神の裏をかいた彼とは?
全部読んでいる人にはばれていると思いますが・・・
また次回もよろしくお願いいたします。
那祢でした。




