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第十ニ話「貴方は誰?」

「どうしたの!?」

「・・・・・」


いきなり高校一年ぐらいのヴァンパイアの子に抱きしめられた俺は戸惑った。


「ライローグ・・・」


小さく囁きながらぎゅーっとしていてとても嬉しそうだ。

うむ。

柔らかいな。

しかしこのままでは勘違いされてしまうのでは?


「ねえ、聞いてる?」


ーびくっ!ー


俺の一言で我に返ったようだ。


「あっ、ごめんなさい。」


と言いながら照れて離れるヴァンパイアの子。


「いいえ、気にしないでいいよ。・・・まあ、いい匂いだったし・・・」

「えっ?」


そして柔らかかった。

柔らかかった?

もう一度確認して考えてみる。

俺より身長の小さいその子にわずかながらふたつの柔らかさが感じられていた。


ー 胸がある! ー


女の子だ!

短髪だから男の子と勘違いしていたのだ。

俺はすかさずごまかすように


「可愛かったから。」


そう一言付け加えた。

するとその子はさらに真っ赤になって俯いてしまった。


ー 照れているのかな?イヤだったのかな? ー


「ごめん、気にしないで。知らない男に可愛いなんて言われて嬉しくないよね。」

「ええっ!?」

「イヤな気分にさせちゃったね。」

「いえ、久しぶりに貴方に可愛いって言われて嬉しいんです。」

「えっ?」


どうやら知り合いみたいだ。

俺がポカーンとしていると


「あっ、ごめんなさい。そういえば記憶がないんでしたね。私はセオン・ベルドビュート。妹のファルスティーナがお世話になっていますよね?」


ああ!

イタズラドSヴァンパイアの姉か!

俺はメモで確認したことを思い出した。

なんでもできてしまう姉。

それにコンプレックスを感じていると。


「貴方にあまりひどいことをしないでって言ってるんですがどうも怒って構ってくれるのが好きなようで・・・・よくちょっかいをかけますがファルの愛情表現だと思ってください。」

「大丈夫ですよ。こちらこそあなたに対しての記憶がなくてすみません。」


あっ!一瞬影が入った。


「いえお気になさらないで。」


そしてもじもじし始めた。


「そういえば話していませんでしたね。貴方は私の幼なじみなんです。だからよく妹の面倒も見てもらったんですよ。」

そうなんですか。

その一言言った後に彼女は照れながら近寄ってきて


「あと私の初恋の相手なんですよ。」


と耳元に囁いた。

そしてほっぺに「チュッ」とキスされた。


「な、な、なんですと!」


俺はとっても動揺した。


「何してるんですか!」

「えっ?昔はよくやりましたよ?」

「でもキスは・・・・」

「えっ!?私たちのキスは挨拶ですよ?」


と言いながらとてもニコニコしている。


ー 欧◯かっ! ー


「だから中世の妖怪は・・・」


俺は照れ隠しでつぶやいた。

その一言に彼女は動揺する。


「もしかして記憶戻ったの!?」

「なんで?」

「よく私がするとそう言っていたから。」

「よくするんかい!」

「ふふふふっ・・・」


笑顔で笑われた。


「まあ、自分が何者か何をするのかぐらいが分かってきたぐらいだよ。」

「じゃあ、私・・・私たちとの記憶は?」

「幼馴染みと遊んでいたっていう記憶はある。」

「そうなんだ・・・・」


セオンはとても寂しそうな顔をしてうつ向いた。


「・・約束も・・したのに・・」


うまく聞き取れなかった。


「ごめんでもいつかすべて思い出すよ。がんばるからさ。」


すると顔をあげると笑顔で


「期待してますから。」


ーちゅっー


そうは言いながらほっぺではなく唇にキスをされた!


「おまじないです。早く記憶、戻りますように。」

「また簡単にして!」

「ふふふふっあなたにしかしてませんよ?」

「なっ!!!」


二人とも顔が赤くなる。

セオンは俺の反応をみてから


「あなたの寮はこの左方向まっすぐ行くと着きますよ。いってらっしゃい。」


そう言いながら俺を寮の方へ向けて背中を押した。

俺は照れ臭かったので寮に向かった。

寮に向かってる最中キスされたほっぺと口が熱かった。

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