第百七話「彼女が求めるものは?」
こんばんは。
那祢です。
いきなりシャンメールに質問されたライローグ。
その内容は?
それがどうかかわるのか?
またあとがきで。
シャンメールのお願い。
それは勇者に纏わる伝説。
聖剣のありかを探すことだった。
聖剣・・・・・
それは悪しき生き物を葬り去る伝説・・・・・
妖怪からモンスター、すべての生き物が知っている幻の剣だ。
- まーぼーろーしー! -
どこかの有名人が頭の中で出てきた。
まあそれほど有名な剣である。
ー 世界が闇に包まれたときはこれを振れ。あらゆる悪は葬り去られるだろう。 ー
その逸話があってこの世界では戦争や争いが無い。
イコール聖剣を持ったものは世界をも制すとも言われているぐらいだ。
それを俺に探せと。
「なあ、シャンメール。お前、世界の調和を乱そうと思っているのか?」
俺はシャンメールに聞いてみる。
こいつが望んでいる物。
これを何故カイルに渡したいのかを。
「調和を乱す?何を言っていますの?私が望んでいるのは世界平和ですわ。」
「世界平和?」
突拍子もないことを言われたので俺は変な声を上げる。
「そう、世界平和ですわ。・・・・貴方、この世界を少し不思議に思いません?」
「不思議?」
まあ、創造主が作ったこの世界の裏側を知っている俺にはおかしいことだらけなんだが。
「まあ、凡人で庶民の貴方にはわからないことですわね。ごめんなさいね。」
「今、馬鹿にされたのか?ならこの話、無かったことにして断ってもいいんだが?」
「あら?それがどこにあるのか知っているみたいな話し方ですわね。」
情報屋の俺が知らないはずがない。
そう思って聞いてきたと思ったのだが。
探るためカマかけてきたのか。
少しイラっとした。
まあ、場所は知らないが探す方法はある。
しゃべらないでおくべきか?
「伝説の剣の歌、知ってるだろ?昔から歌われている歌。」
「馬鹿にしないでいただけますの?子どもの私だって知っていますわ。幼稚園で習いました。」
腰に手を当てふんぞり返った。
スカートがフワフワする。
あ、見えた。
今日は青と白の縞々だ。
「!!!!何見てますの!」
俺の視線に気が付いたのか。
少し離れてスカートを隠す。
まあ、さっきからこいつが近すぎなんだよな。
「男の夢?」
素直に答えた。
見えたら嬉しいもの。
ベストテンには入る。
一位?
それは推しかな?
「まあ!本当にあなたって人は品が無いですわ!」
「いや、たぶん俺以外のやつも見ているはずだよ。言わないだけで。」
「えっ?」
シャンメールは周りを確認する。
目をそらす草食系男子と助平顔な肉食系男子。
そいつらを冷めた目で見る女子でそれぞれ別れた。
「だから見せていいパンツを・・・・うをっ!!」
そういう前に俺はシャンメールに掴まれた。
離れていたのにすごい瞬発力だ。
「こうすれば見られませんですわ!」
自信満々だ。
浅知恵だが対策をとれたことがうれしいのか満面の笑みだ。
顔が近い!
お嬢様がこんな顔されたら耐久がない奴は惚れてしまうだろう!
だが俺は耐久がある・・・・はずだ!
「確かに。今度見たいときはお願い・・・」
「しても見せませんわよ!!!」
笑顔が怒り顔に。
コロコロ表情が変わるし愛嬌もいい。
勇者が惚れるのも頷けるな。
「で話を戻すと・・・・」
「謝りもせずにいきなりですわね!?まあいいです。童謡になっているあの歌?」
「そうそう、あれの歌にヒントがある。まあ持ち上げてくれたのでちょうどいい。ちょっと耳に寄せろ。」
「耳って!?何をするつもりですの!?」
・・・・・・・・・・・・
何をするって言うんだ?
「何もしねえよ!憶測だけど大きい声で言いたくないから小さい声で言いたいんだよ!それと他のやつに謎が解けたら面倒くさくなるだろ?」
「私としては構いませんわ!ライバルは多い方が燃えますわ」
「俺は困るんだよ!面倒な脳筋だな!」
聖剣が悪用されたら世界は滅ぶ。
そうも言われているものだ。
しかも聖剣は認められた者以外持てないというロック付き。
使用者が死なない限り永遠にその所有者しか使えない。
なのでうかつに教えることができないのだ。
「の、脳筋?!ふん、わかったわ。」
少し不満そうだが俺を耳元に近づける。
耳にグーンと近づく。
このぐらいなら大丈夫だろう。
「なら教えるぞ・・・・」
「あっ!囁かないで・・・」
「さっきの童謡の話で・・・・」
「いやっ・・・息が・・・・」
おい!
そんな声出さないでくれや。
こっちも恥ずかしくなる。
耳から離される。
「なあ、シャンメール?」
「はあ・・・はあ・・・・・」
シャンメールが曇り声になってしまった。
煩悩退散煩悩退散!!!
ターボババアお思いだせ!
てけてけさんを思い出せ!
「やっと普通の俺が戻ってきた!」
「ふう・・・・ライローグ、どうかいたしたの?」
お前のせいだ!!!
お前っ!
お前が!
言いたかったがこらえることにした。
「お帰り。後でいいんだが皆がいない場所へ移動ほしい。」
「いない場所へ?!何をするつもりで・・・・」
「さっきの話だよ!耳元で言えないからある程度大きい声が出せる場所へ移動するんだよ!」
「あ・・・そうなのね!!ならば今すぐに・・・」
「食べたものを片付けたいんだが?」
「あら、これね?私が片付けますわ!!!!」
ラーメンもどきの配膳を空いてる手でひょいと持つとそのまま回収口へ向かった。
あっという間だ。
本当に早い。
巨人族は大きさだけでなく瞬発力もすごい。
スピードも持久力も通常の人間と比べると段違いだ!
あるロボットで言えば量産型とガンが付くロボットぐらいだ。
握る力を間違えれば一瞬でつぶれる。
それをそっと持てるのは彼女のやさしさと技がなせるのだろう。
「早くいきますわ!」
急ぎ足で行きたいのか俺をあの場所へ収納する。
胸ポケットへ。
昔こんなドラマあったな。
あれって確か小さくなったの女の子だったからよかったけど。
男の場合は・・・・・・・
速足で向かうシャンメール。
その動きにあわせ柔らかなものに包まれる。
社会的抹殺が怖く煩悩を消すために頑張る俺。
別室に向かう時間がとって長く感じられるのであった。
柔らかなものに包まれたライローグ。
彼は彼女に教えることができるのか?
それとも社会的抹殺なのか?
次回は更新できないのでお休みします
お願いいたします。
那祢でした。