第百伍話 「楽しさいっぱい?スキー教室。」
こんばんわ!
那祢です。
今回は行きなりスキー教室。
スキー教室で何が起きる?
ではまたあとがきで。
- ピュー・・・ -
それから数か月たった今は冬。
俺は一人に屋上にいた。
理由はって?
それは・・・・・
ヤスベとジュリー先生の恋のエピソード。
そのなかに雪山でのイベントスチールがあるのだ。
だが・・・
最近は雪女のセツが関わってくるイベントが多くなったのだ。
今回もそれだ。
学校裏山でのスキー教室。
上級生の雪男のサウトさんとセツのお姉さん、ズフリーさんが率先して毎年開催されている。
上手に滑れないヤスベはセツと手をつないで教えてもらっている。
生まれたての小鹿みたいだ。
くっついた!
あれってワザとじゃないよね?
ワザとだったら策士なんだが。
一応ジュリー先生は保険の先生として救護用のコテージにいるが・・・・
「ヤスベ君、デレデレして-!帰ってきたら問い詰めようかなー。」
と少しご機嫌斜めである。
ん?
なぜジュリー先生の状況がわかるって?
それは・・・・・・
「ごめんなさい!」
「あたしに言われてもわからないにゃ!!」
俺の横のベッドの上で治療されて寝ている者がいた。
カイルであった。
足には包帯がぐるぐるに巻かれている。
ケガをしたのだ。
内容はこれだ!
スキー、スノーボードが滑れる人と滑れない人での班分けがあった。
俺とキサラギはスキーを選び、他のクラスの人と同じ班だった。
「寒いにゃー!馬鹿だニャー!何が楽しいにゃー!」
「狐って雪山に見るって言っても寒さは嫌いなんだよ!」
キサラギと俺はブーイングをしながらもゆっくり滑る練習をしていた。
そこに現れたのがカイルである。
スキーが得意だったのか軽やかにやってきた。
キサラギに見せつけるためだろう。
「どうだい?練習をしたから上手だろ?」
プルークしながら止まる。
うむ。
確かにかっこいいのだが・・・・
俺たちできない奴らにすれば嫌味にも感じる。
「俺が教えてあげようか?」
俺たちの方を見て問いかけてきた。
完璧嫌な奴だ。
まさに優しさとかっこ良さがある。
まさに絵にかいたイケメン。
女の子達はメロメロだろう。
そう思った時だった。
「あら?止まらないわ!ちょっと危ないからどいてー!!!!」
「えっ?!」
- メキョ!グキッ!! -
スノーボードをしていた大きい生徒が・・・・・
カイルを引いていった。
巨人族の生徒かな?
女子は悲鳴、男子は喜びの歓喜をあげた!
- 俺たちはスタンディングオベーションをした!!! -
どっかの映画の海外の視聴者が立ち上がった絵を思い出した。
- よしっ! -
「止まらないー!わー!!!!」
引いて行った者はそのまま下まで通り過ぎて行った。
あーあれはシャンメールか・・・・
そう思いながら引かれてボロボロになったカイルを回収することに。
そして今に至る。
謝っているのはもちろんシャンメールだ。
「カイルが良いて言ってるんだからだいじょーぶにゃ!」
「で、でもっ!」
「一緒にダンジョンにパーティー組んで通っている仲にゃ。カイルは全然怒ってなんか無いにゃ。紳士だもん!」
うん。
色々とフォローしたい気持ちはわかる。
だがお前がそれを言うな!
引かれて雪にめり込んだカイルを寒いから触りたくないと言っていたお前が!
つい心の中で突っ込みを入れてしまう。
「紳士って言っても流石に勇者様をスキー場で轢いてなにもないは・・・・私的には無いと思うんだが?」
シャンメールもそう言って考え込んだ。
有所正しい巨人族の娘。
伝説の勇者を轢いてましてや怪我をさせたとなれば長は許さないだろう。
まあよかったのは大きさを変える魔法で三メートルぐらいまで小さくなっていたのでシャンメールの全体重がかかっていなかった。
かかっていたら・・・・
メモを取り出し確認する。
- ブルブル -
つい震えてしまった。
それくらい重いのだ。
「ううん・・・・」
おっ?
勇者様が目を覚ましたみたいだ。
「ここは?私は・・・・」
周りを見渡すカイル。
ここは?
私は?
・・・・・まさか!
俺は近寄り全力でカイルを揺さぶった。
「お前は勇者カイルだ!ここはコテージのベッド!」
「やめてくれ・・・起きたばかりで辛いから・・・・ライローグ・・・」
ほっ。
記憶喪失フラグは免れたようだ。
安心して胸をなでおろす。
・・・・・ん?
なんか後ろから刺さる視線が・・・
後ろを確認するとキサラギとシャンメールが睨んでいた。
キサラギは両手を腰に当て、シャンメールは腕を組んでいる。
「ライローグ・・・お前何やってるにゃ?」
「病人に対して配慮がなっていない!」
「これには訳がありまして・・・」
これはやばい!
彼女らを怒らしてよかったことは一度もない!
当たり前だが。
「訳?いきなり目を覚ました人を揺さぶるのが?」
「あ、はい。」
シャンメールの問いに俺はうなずく。
プルプル二人は震え上がる。
そして
- ゴンっ!ピシュッ! -
一瞬に出来事で気が付かなかった。
俺は頭部に拳骨を頬を引っ掻かれた。
「いったーい!」
「カイルだって痛かったにゃ!」
「そうです!あなたにはお説教が必要ですね!」
「にゃ!すみませんジュリーせんせー!」
「一部屋借りますね!」
「シャンメール、ライローグの首を掴むにゃ!」
「わかりましたわ!」
「え?」
シャンメールが俺の首根っこを掴む。
そこを掴むと変身したとき逃げられないから。
さすがご存じで。
このままではやばい!
「た、助けてくれー。」
助け舟を勇者に出すが・・・・
もうはるか先にいた。
俺はこの後お説教の嵐だった。
そしてまた一つ強くなった気がした。
そして放置されここにいた。
― くしゅん! ―
くしゃみをしてしまう。
寒いんだぜ?
ここ。
反省してるから助けてくれないかな。
空を見上げて思う。
俺も見学にすればよかったな。
あのリザードマンみたいに。
こたつに暖まるリザードマンが向かいの窓に見える。
暖かそうだな。
・・・・・
・・・・
・・・
・・
・
俺が助け出される頃は空は真っ暗だった。
この俺のいない空白時間、色々な歯車が狂うことに気がつくのはまた少し後のことになる。
スキー教室のお話。
何気ない一日。
これがすべてを変える。
と思います。
いや思われます。
次回はお休みします。
またよろしくお願いいたします。
那祢でした。