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第百三話 「忘れていた勇者とモブと」

こんばんわ。

ポケモンが気になる那祢です。

今回は・・・・・

忘れられていたもう一人の勇者ヤスベのお話。

ヤスベはちょっとおかしいことを言って・・・

ではまたあとがきで。

カイルとの出会いは想定内だった。

しかし・・・・


「ライローグ、俺にも誰か薦めてくれないのか?」


そうヤスベの存在を忘れていた。

勇者カイルはどちらかと言えば前線向けで攻撃重視のアタッカー。

その分ヤスベはサポートをこなす補助系アタッカーだ。

と・・・前回までいたライローグが言っていたな。

・・・・奴はどこ行ったんだ?

声をかけても俺の中から出て来やしない。

少しむくれてしまう。


「あのー、俺を無視しないでほしいな。」


ヤスベが再び声をかけてきた。


「すまんな。お前にアドバイスする相手を考えていた。大きいお嬢様か保健室のお姫様か。」

「おー、その二人だけ?」

「いやまだいるんだが・・・・」

「?」


俺は言葉を濁した。

このゲームのヒロインはかなりいる。

俺の持っているメモには対象の子だけではなく学園全員の情報が載っているのだからモブの女の子にだって恋することができる。

できるのだが・・・・


「モブの子達って恋もできる?」


やはりこの話題を聞いてきたか。

この世界の人たちはそれぞれ空想生物たちが集まって出来ている。

ヴァンパイアやフランケン、ハーピーやマーメイドなどの洋風なもの。

猫又や雪女、濡れ女にろくろ首など和風妖怪。

キョンシーや八尺さま、ホムンクルスにドッペルゲンガーまでいる。

というかジャンルを決めない創造神がいい加減なんだ。

ちなみにこの中で言うとヴァンパイアはセオンでフランケンはアズーガ。

ハーピーはピオでマーメイドはヴィッシール。

猫又はキサラギ、雪女はセツ。

濡れ女はユマナ、ろくろ首はカズミ。

キョンシーはシャンファンレーで八尺さまはポポ。

ホムンクルスは・・・確かベーナでドッペルゲンガーは名前ないみたいだ。

ん?

気づいたのか?

そう、キサラギは最初はモブだったのだ。

創造神の仕業だ・

俺との関係性を知った創造神は彼女をヒロインに抜擢したのだ。

ヒロインになるとそれぞれ攻略イベントやスチール画がある。

俺はそれが嫌で違う女の子を選んだ。

それが人間の女の子、ユミファだった。

結果は・・・最悪な終わりになったのだが。

さて話を戻すか。


「勇者は姫候補以外は選べないよ。モブでかわいい子でもいたのか?」

「ああ、少し気になる子がいたのだがね。あ、あの子!」


ああ、あれか?

そこには雪女のセツがいた。


『学園の氷監獄鉄壁女』


彼女にはこう名がついている。

隣のクラスで男子に人気なのだが告白した男子の心を折る冷たい一言。

言われた方はショックで固まり塞ぎ込んでしまう。

そして仲間グループも全く笑ったところが1度も見たことが無い。

むしろ表情がない。

それを学園の氷監獄鉄壁女と呼ばれている。

女子からも男子からもあまり好かれていない彼女。

なぜヤスベは気に入った?


― チラッ・・ ―


セツがこちらを見る。

勇者が気になったのか?

ヤスベが嬉しそうに小さく手を振る。

あっ。

そのまま視線を戻した。

全く相手にされていない。


「なっ?こっちを気にしてくれただろう?」

「気にしたというかこっちを確認しただけで・・・」

「だからさ、あの子の情報を教えてほしい。」

「あの子は脇役キャラクターでそういう情報は・・・」

「だったら恋愛はできないの?」


恋愛ができるか?

答えはイエスだ。

脇役にも小さながらイベントはある。

前のライローグとメドサ、俺とセオンのように。

だが勇者の場合は脇役たち同士の恋よりイベントが少ないのだ。


「恋愛は・・・できない。」

「えっ!できないの?」

「小さいイベントはあるが恋人になるとかは確かできない。」

「そっか・・・」


ヤスベはしょんぼりしてしまった。

このままではやる気がなくなってしまうか。

しょうがない。


「友達になるのはできるって書いてはある。」


僕はメモ帳を確認するふりして答えた。


「えっ!友達になれるの!?俄然やる気が出た!!じゃあ攻略できる女性の話を・・・・・」


ふうー。

やっと納得してもらえたか。

俺はそのあとヤスベにジュリー先生とシャンメールの情報を教えて終わった。


シャンメールか。

俺は少し気になっていた。

前のライローグがまわりに優しかったため女性たちの好感度はかなり上がっていた。

だが前回のアルムファイムに変な噂などながされ全キャラ平均、または平均以下にされてしまった。

ただそのなかで唯一下がんなかった女の子がいた。

それがキサラギとシャンメールだ。

二人ともアルムファイムの話に対し


「本人から聞いてないから信じないにゃっ!」

「見てないことを正しいとは思いません。立証できる証拠はお持ちですか?」


など話、アルムファイムにあきれられていた。

キサラギはわかるがシャンメールまでとは。

少し嬉しい俺がいた。


シャンメール。

彼女は俺が出会ったときにはかなり厳しいやつだった。


「服装がだらしがない!」

「ダラダラあるかない!」

「背筋を伸ばせ!」

「時間厳守!」


色々言われて頭にきた俺はお尻をパンっと叩いた。

― パチンっ! ―


「エッチなことはしてはいけません!」


あの時のビンタから俺はイタズラしなくなった。

・・・・・・

そうか、悪いことしたと反省したんだ。

それから気まずく話をしなかった。

アッチも同じなんだろ。

それをアイツはぶっ潰したんだ。

・・・・・・・・

どこに行ったんだ?

アイツは。

モヤモヤしたまま廊下を歩き続ける。

アイツの意見を聞きたい。

もう一度あの悲劇を繰り返したくない!

彼女たちを幸せにしたい!

いるはずのない彼らを願うのであった。

雪女セツを選びたい勇者ヤスベ。

防ぐことにするのかそれとも?

あとまだ運命と戦う決心がつかないライローグ。

彼の苦難はまだまだ続く。


本日もご愛読ありがとうございます。

次回もよろしくお願いします。

那祢でした。

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