百一話 「サヨナラ」
こんばんわ!
那祢です。
アルムファイムとメドサの話。
最後になります。
メドサは?
アルムファイムは?
最後は?
またあとがきで。
それからと言うものメドサ、彼女の扱いは相当ひどいものだった。
アルムファイムの愛玩ペット。
そう呼んでも可笑しくないものだった。
あるときはまわりの王族を仲間に率いれる駒として。
そしてまたあるときは暗殺者としてまわりの王や貴族を殺していた。
そんな仕事を終えたある日の事だった。
「可愛いメドちゃん。お利口よ。」
「ありがとうございます。アルムファイム様。」
「アルムよ。」
「いえ、アルムファイム様。」
「・・・・・・・・・私が構わないと言ってますのよ?」
「しかし、王女様を名前呼びは・・・・」
「どうして・・わかりませんの!」
頑なに名前呼びを断るメドサにアルムファイムは少し苛立ち・・・・・・
ー ヒュンッ!パシンッ! ー
鞭の扱きをする。
メドサに綺麗に当たり彼女の肌を赤く染める。
アルムファイムは彼女が『アルム』と呼ぶまで。
何度も何度も繰り返される。
アルムファイム家では当たり前みたいなものになっていた二人だけの呼び名。
でも彼女は呼ばない。
そうしている内に・・・・痣から血が。
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「や、やめてくれ!これ以上こんなのを見せるな!」
僕は叫んでいた。
好きになった人が目の前で酷い目に遭う。
そんな映像が繰り返しだったから。
さすがに耐えられない。
「えー。見たくないの?」
「当たり前だろ!これで何回目だ!」
「正しくは八十二回目?」
なぜ数えているんだ!?
僕が心の中で思うと
「だってさ・・・・・ふ、ふふふふ」
創造主はニヤリと笑う。
背筋がヒヤリとするぐらい。
「な、なんだよ。」
含み笑いをする創造主が怖くなり問う。
「これが彼女の最後だからさ。」
「えっ?」
そして映像が再開した。
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ー パシンッ!ピシャン!バギッ! ー
「なぜ言わない!昔みたいに!」
「いっ!」
「アイツ!?アイツのせいなのねっ!」
「がふっ!」
唸る鞭は皮膚を打つとかではなく腹部や内蔵まで打ち尽くす。
アルムファイムは今日使っていた鞭が人用ではなくモンスター用退治とは知らない。
そうとは知らずいつもと変わらず打ちまくるアルムファイム。
それから数十回打つことしばらく。
アルムファイムは気が付く。
何時もはこれくらい鞭に打たれ自分の名前を呼ぶメドサが。
動かないことに。
「め、メド?」
「・・・・・・」
「おいっ!兵士達!メドを下ろせ!」
「はっ!」
「メド!おいっ!メドっ!」
アルムファイムは呼び掛けるがメドサは動かない。
「い、医療班を呼べ!早くだ!おいっ!メド!」
その時だった。
「アルムファイム様。王がお呼びです。」
違う兵士が入ってきた。
王様の直属の部下の兵士だ。
断ることはできない。
「わ、わかりましたわ。もう少ししたら行きますとと伝えていただけないかしら?」
「いえ、世界会議のため今すぐでお願いします。」
「うー。そこの兵士達。この子を頼みますわ!」
そう言うとその場を後にした。
兵士はおずおずとその吊られていた血まみれのラミラらしい生き物を下ろす。
体のあちらこちらから骨まで見えていた。
確かに回復魔法なら直ぐに治るが。
見ていられない。
「お待たせしました!」
医療班が到着する。
医者とナース、そして魔術師の三人組だ。
三人はメドサの状態を確認する。
「せ、先生!メドサ様が!」
「や、ヤバいぞ。脈が弱まっておる!急いで緊急手術をしないと・・・・・・」
「ならば一時的に回復魔法・・・・」
そんな話をしている途中だった。
先程来た医者とナース、魔術師が一瞬で石化する。
「なっ!」
石化した三人を見た兵士は言葉を失った。
メデューサは見たものを石化させることができる生き物だ。
メドサもその血を受け継いでいる。
だが今回は違っていた。
メドサの目を誰も見ていないのだから。
兵士達は逃げ出そうとするが・・・・
「あれ?」
足が動かない。
気が付くと全兵士の身体はもう石化していた。
そしてメドサが聞こえる声で
「もう、疲れたからさ・・・・・終わりたい。皆、ありがとう・・・・」
そして兵士達は石化した。
メドサは血塗れで這うように動く。
少し。
また少し。
空いている出口に向かい。
お城の階段の段差に身体を痛め。
また少し。
少しだけ・・・
目の前に光が見える。
あれ?
あれば誰だ?
一人の男の人。
狐の一族なのかな?
尻尾と耳がある。
少し近寄る。
彼がしゃがみこむ。
両手を開いている。
おいでってことかな?
ああ、光が暖かいな。
あの笑顔、安心するな。
誰だろ?
あれは確か。
思い出せない。
でも・・・・
会いたい。
手を伸ばす。
ヒビが入った言うこと効かない手を
少し。
また少し・・
すこし・・
す・・・
ー ズリッ・・・・・ ー
伸ばしたメドサの手は虚空を切り・・・
「あっ・・・・・がっ!」
城の塔の窓から落下。
そのまま地面に叩きつけられて息絶えた。
その後、兵士が気がつき回収。
蘇生魔法を使うも肉体と精神の繋がりがもうその場に無いため彼女は帰ってこなかった。
アルムファイムはその後何度も繰り返し行うが。
メドサは生き返りませんでした。
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「とさ、おしまいおしまい!」
創造主はそう説明をするとパチパチ拍手をした。
「てめぇ!」
掴みかかる!
だがその拳は空を切る。
ー あぶないなー。でも残念無念。僕の世界にいるから君の攻撃は僕は届きませんよー。」
創造主は一瞬で発光体になり手をヒラヒラする。
完璧にバカにしてる。
ー バカにしてないってばー。君が彼女がどうなったか見たいだろうから全て見せただけであって。 ー
「見たくなかった。」
ー えー。薄情だな。確かにキスまでしかしてなか・・・ ー
「うるさい黙れ!」
ー あー。あれか!最後までいってなかったから未練があるんだね? ー
「違うっ!」
ーそうだよねー。他の子でもあったよね。じゃあ何で君は彼女に執着する? ー
「それは・・・・・」
ー ザ、ザー! ー
頭の中でテレビの砂嵐が起こる。
ー じゃあ話の内容を変えるよ。何で君はモブを好きになる?メインヒロインを選べばクリアーまであっという間なのに?君って案外一人一人大切にしたいタイプなの? ー
「違う!だから・・・・」
ー ザ、ザザザザザー!!!!! ー
砂嵐が続く。
この場から離れたい!
メドサに会いたい!
そして話をしたい!
僕は・・・・
「もういい!話などしたくない!すぐにあの世界へ!!」
ー もう少し話したかったなー。 ー
「僕はしたくない!だから・・・・!」
怒る僕に創造主は
ー じゃあまた、頑張ってきてねー。 ー
手を降って送り出した。
もう一度あの世界へ。
その時かすかに聞こえたあの声。
ー あ、忘れてたんだけど。メドサ・・・・・ ー
その途中で僕は飛ばされた。
いつも通り草むらに出る。
僕はその場から直ぐに立ち上がりメドサを探しにいく!
会いたい!
今すぐ!
謝るんだ!
正面の玄関にいるのはアルムファイム!
ならばそのお付きは・・・・・
メドサだ。
僕はすかさずメドサに声をかける。
「アルムファイムとメドサ、おはよ・・・・」
だがそこにはメドサではなく違う女性がいた。
「あら駄目狐様じゃないですか?ところでメドサって誰ですの?」
「あ、あれ?いつものお付きの・・」
「いつもはこの子、ククルさんにお願いしてますわ。」
「はい。ククルです。よろしくお願いします。」
挨拶にククルが返事をした。
確かに挨拶した女性はメドサではない。
その時だった。
ー あー。君は聞かないからな。メドサちゃんは脇役・・・・モブだったので邪魔だからこの世界から消しました。ー
「け、消した?!」
ー ズキッ! ー
頭が痛くなる。
ー だからさっきの映像を最後まで見せたのになー。もう会えないから。モブは皆、僕の世界の役者としての駒だからね。 ー
「はがあっ!」
声と同じに痛みが伴う。
急に大きい声を出したのでアルムファイム達は驚く。
ククルはアルムファイムの警戒のため剣を抜く。
ー この世界は全て僕が作れるからね。ちなみにだけど神の声、僕がやってたっていったらどうする?あはっ!あはははははは! ー
神からのお告げ。
シャンメールの盾や魔王討伐。
全ては創造主が仕組んだものだったら。
ー ズキンッ! ー
「頭が!」
ー だから言ったでしょ。君はモブ。君の役割は勇者の案内だけでいいから。僕の遊ぶ駒でしかないから・・・・・君も。 ー
「う、うわああああああ!」
その声が頭の中で響き、僕は目の前が真っ暗になりその場に気絶した。
ー そろそろ君、出番だよ?きいているかい?いつまで寝たふりをしてるんだ? ー
メドサの消滅。
ライローグはとうとう砕けてしまいました。
彼はこのまま消滅するのか?
それとも?
次回は・・・・・お休み予定です。
そろそろファルスティーナの話も書かないと!
またお願いします。
那祢でした。




