第九十七話「少しの別れに恋人は?」
こんばんわ!
お盆も仕事、今日誕生日の那祢です。
年月がたつのはあっという間。
みなさまもコロナに気を付けて充実した日常をお過ごしください。
なんか後書きみたいになってしまった。
そんなわけで・・・・・
今回は冒険からリタイアするライローグのお話。
これがきっかけで・・・・・・まだ言えません!
ではまたあとがきで!
その夜、約束通り送別会が開かれた。
旅の別れを寂しがるカイル。
いつもよりもテンションを高くしてるマリアン。
護衛グッズを売り付けるアルムファイム。
お酒を飲んで絡んでくるミリュン先生。
そんな皆を優しい目で見るブレイ。
そして少し離れたところで不機嫌なメドサがいた。
僕との別れが納得できないようで送別会を開催する前から不機嫌だ。
先程のマリアンの件もあったけどね。
お開きになるとき・・・・・
「寂しい!アドバイスだけで良いからいてほしい!」
とすがるカイルに
「みっともないからお止しなさい!明日に備えて寝ましょう!」
と嗜めるアルムファイム。
「わかったわ。皆も早く眠るのよ?行くわよカイル。」
「・・・・・うん。」
と当たり前のようにカイルに寄り添い退出するミリュン先生。
「ライローグ、早ク倒シテモドッテクル。必ズムカエニイクカラ、マッテイテクレ。」
リザードマンなので表情が読み取れないが優しさが伝わるブレイ。
「まあ、背中に乗せても良いけどよ?そうすると、け、結婚しないといけないから・・・・・するか?」
「あら?それならなに不自由無いお金持ちの私と結婚した方が良いのではないでしょうか?」
「ああん?何て言った?貧乏で悪いか?お金で恋は買えないんだぜ?」
「あーら?古い思考をお持ちで?お金で買えない物なんて無いのよ?」
「はあ?!にんげんはものじゃねぇ!愛だけは。絶対に買えない!」
「買えます。バーゲンセールで売ってますわ?」
「アホかっ!バーゲンで売ってるはず無い!」
「三個二百円で。」
「特価か!」
不器用に誘うマリアンに貴族の威圧感で対応するアルムファイム。
二人のバトルが今始まった。
「・・・・・・誰にもライローグはあげません。」
そう小さい声で言いながら僕の足にバレないように絡んでくるメドサ。
その尻尾を優しく撫でるとメドサはビクッとして睨まれる。
顔が真っ赤なので敏感何だろう。
鱗がざらざらとしてなで心地は良い。
先まで器用に動かしてるんでどんな神経入ってるのだろう。
ツンツンしたり触ったりしてみた。
「・・・んっ!・・あっ・・ん・・」
曇り声をあげるメドサ。
このままでは違うスイッチが入る。
お○さんスイッチでなく息○スイッチが!
僕は直ぐに止めた。
だが・・・・・
「・・・・・もう、我慢できない。ライローグ。ごめん。」
メドサはそう告げ僕を抱えてその場を飛び出した。
あ。
目が青く光っている。
「だからあなたは・・・メドサ?あ、あれは!まずい!!!」
「えっ?何が?何がまずいの?」
慌てるアルムファイムにポカンとするマリアン。
アルムファイムはマリアンに
「マリアン!急いでミリュン先生呼んできてくださいませ!それとシャンメールからもらったあれも用意を!!場所は魔法で知らせるから!お願い!急いで!!」
「あ、ああ。わかった!」
マリアンは急いで動くそしてアルムファイムは宿を飛び出した!
「メドサ!どこまで連れていくんだよ!」
「まだ・・・・・まだ駄目。もっと・・・・・」
すごい早さで夜道を通り抜ける。
青く光る目が早さで夜の道に線を引く。
あっという間に町の外れの空き地についた。
どうやらここが目的地らしい。
建物も全く無い。
あるのは町を囲む策と草むらだ。
「なあ、メドサ。ここは?」
「・・・・・・ふー・・・・・ふー」
メドサは息を切らしてる。
質問しても無言だ。
ただ抱き締める。
かなり強い力だ!
「め、メドサっ!」
「駄目、だめ!誰にも渡さない。私の・・・・・私のっ!」
「痛いよっ・・・・!」
「痛い?なら他の子に振り向かないで!私だけを!パンの時の私だけに優しいライローグでいて!」
「う、・・・うん。・・・わかったから。今、人間・・・・人形だから。・・・締め付けるのやめてほしい。死んでしまう。」
「ふー。ふー。ふー。」
「落ち着いた?」
「ふー。ふー。・・・・・うん。」
メドサの目は青いままだがなんとか話ができる様だ。
力も緩まった。
「いきなり連れてかれたから驚いたよ。で、何で村の外れまで?」
「・・・・・・・・」
「メドサ?」
「・・・・・聞きたい?」
「言いにくいことなの?」
メドサは無言。
三十秒ぐらい黙ったあと・・・
「ライローグ、今は人間だよね。」
「うん。何だか妖力がいきなり無くなったからね。」
「そう、ライローグはラミアって種族は知ってる?」
ラミア種。
下半身が蛇。
魔法や身体強化魔法に長けている。
進化もありメデューサと同じ石化や人間化もできるのだ。
あとは繁殖・・・・・・
「あっ!」
「・・・・・・」
メドサを見ると顔を背ける。
ラミア種族の繁殖方法は少し特殊だ。
ラミア種は女性しかいない。
いや正しくは生まれない。
そのため男性は同種以外で探さなければいけないのだ。
ダンジョンにいるラミアは倒した男を繁殖の道具に使うのもそれが理由だ。
それと繁殖適合率は人間の方がよい。
なら今は?
僕の事が大好きなメドサにとってまさに餌をもったカエルみたいなものなのだ。
「もしかしてメドサは・・・・」
の問いに無言に頷くメドサ。
そうだな。
ここでメドサと別れる。
無事帰ってこれると確信とれない。
ならば。
「メドサ、いいよ。」
「ら、ライローグ?」
「離れるの怖いよね?」
僕はメドサの頭を撫でる。
「うん。」
「なら僕は君を大切にしたい。だからメドサのしたいことして良いよ?」
「本当?」
「ああ。」
「・・・・うれしい。」
すり寄るメドサ。
蛇だけど子犬みたいだと思えてしまう。
覚悟決まったし。
あれだよな?
しっかり出来るのか?
メドサの顔を見つめる。
僕はメドサにやさしいキスを・・・・・
「ま、待ちなさい!ライローグ!!!メドサ!!!」
いきなり大きな声が聞こえる。
僕たちが振り向くとそこには・・・・
「そんなことはさせませんわよ!」
メドサの主、アルムファイムが息を切らしながら仁王立ちでこちらを指を指して立っていた。
お別れする彼氏彼女。
そんな二人を邪魔するアルムファイム。
それは何故?理由は?
それは次回であきらかに。
・・・・・・・・
ちなみに次回は急展開。
またお願いします。
那祢でした。




