滑って転んで落っこちて乗っかったった
思いついたので書いてみました、とりあえず書けるとこまでという自己満足のための
ものですので投稿間隔とか酷い事になる予感ビシバシですが、まぁそういうのもアリ
かなーというゆるい感じて読んで頂けると有難いです。
なぜそんな時間にそんな所を走っていたのか、今となっては悔やむばかりではある。
深夜の2時過ぎ、山の中を雨に濡れながら寒さに震えて ただバイクを走らせていた。
家に着くのはおそらく明け方になるはず、途中のSAで休んだ方が安全だろうとは思いつつ
早く家でゆっくりしたい、濡れた体でSAで休んでもたいして休んだ気にはならないだろう。
そう考えて走り続けた、それがあのタイミングであそこを通りかかってしまった理由だった。
左の片側が山、反対側が谷になっている急なカーブで意識的にゆっくり行こうとしていた、その時に
それは起こった。
前輪が谷側にズルリと滑る異様な感覚。
落ち葉でも溜まってるとこに乗っちゃったか?
「違うっ、これっ道ごとっ 滑って・・・・・」
後で知ったことだけど、前日からの雨でゆるんでいた そこは ちょうどその時に発生した直下型の地震で
大きく崩れて そして俺はその地滑りの中に飲み込まれてしまった。
幸いにして時間も時間であり、崩落に巻き込まれたのは俺一人だったらしい。
その崩落災害から数分後・・・・・
ヴィーム! ヴィーム! ヴィーム!
市ヶ谷の某所、地下深くにある とある団体の24時間監視センターに緊急を知らせるアラームが鳴り響いていた。
「おいっなんだよ、この警報は?」
「いや、俺っ、自分もこんなの初めてで、なんか勝手に知らないシステムが立ち上がってて・・・・・」
当直に詰めていた新人が仮眠から飛び起きた先任に慌てながらも状況を説明しようとしていた時
モニターにある文字が表示されているのに気づく。
「おいっ これって・・・・・!」
「緊急時マニュアルに従い、該当する最上位の指揮権を持つものに至急かつ直接連絡・・・・・って」
「きっ 基地指令ですか?」
モニターにはとある田舎の山の中を通る高速道路のすぐ近くのある地点を中心にしたMAPと
そこを指し示す矢印、そして・・・・・
[-索敵、及び重要監視対象に指定の特殊弾性素材の起動波を測定-]
[-緊急時指定により回線を部内に限定、外部との接続は切断されました。本プログラムは独立体制に移行-]
[-外部との回線は本システムに接続不可となります、連絡等は別個のシステムを使用して下さい-]
「なんだよ、これ? こんなの初めて見たぞ、俺・・・・・。」
「どっ、どうしましょう? とりあえず上の方に連絡を・・・・・・」
本来、とてもとても有能な男達がわたわたと動き始めたのと同じ頃
ようやく、俺は自分が生きていることに気が付いていた、やっと気を失っているという状態から
目が覚めた訳だ。
「いてててててててて・・・・・・」
あっちこっちが痛い、しゃれにならん。
息をしても胸が、いや肺か? 痛くて呼吸が浅い。
こういう時はゆっくり息を・・・・・ 無理! 自分でコントロールできねぇよっ。
「はっ はひっ くそっ 真っ暗で、なんにっも見え・・・・・ねぇ」
ゆ、指は? 動くか? ゆっくりでいい 右の親指から順番に・・・・・
手首・・・・・・ 肘・・・・・ 肩・・・・・・いっ痛ぇっ くそがっ右肩と・・・・・
左のわき腹・・・・・ 足は、なんとか動くか?
いや 感覚がそもそもにぶいっつうかよくわからん。
じっとしてるほうが良いのか?
真っ暗で判らんけど谷側の下のほうまで滑り落ちたのか?
息がしずらいし、視界も狭い、・・・・・ああヘルメットかぶったままだからか。
大きく動かすと身体が悲鳴をあげそうになるのでちょっとづつちょっとづつ
地面に引っ掛けるようにしてヘルメットを脱ぐ。
「ぷふぁっ はぁっ はぁっ げふっ」
うあっ なんか額から濡れた様な、なんか流れ落ち・・・・・
これって血? 頭を怪我してたのか?
焦って自分の頭を触ってみると額を浅く切っているみたいだった。
鏡もないし、そもそも暗くて見えないか。あんまり触るのも良くないだろーな。
手探りで脱いだメットを確かめてみると シールドが外れてる上に額の上に当たる辺りに
裂けた様なキズがあった。
メットになんか突き刺さったかなんかしたっぽい あっぶねーギリギリで中身にかすってたっぽいな。
ドクドク出血するって程ではないけど じんわり染み出てくるなぁ。
押えておいた方が良いのか・・・・・。
ポトッ
・・・・・なんて考えていたら額から頬を伝って落ちた血が地面に触れた瞬間。
地面だと思っていた所が淡く光った、ホタルの発光みたいな緑の光が水面に広がる波紋の様に地面だと思っていた所を流れていく。
その淡い光で俺はようやく自分がいる周りを少しだけ見ることが出来た。
俺は大きな岩の様な物の上に乗っていた、そして周りは・・・・・
昔、旅行で行った中国地方の鍾乳洞の中にでもいるようだった。
淡い光の中で見たそれはひたすらに幻想的で・・・・・なんというか現実離れした光景だった。
それが垂れ下がった鍾乳石や下のほうに見える鏡のように静まり返った水面だけならば
そうでもなかったんだろうけど。
だって、俺がのっかっている巨大な岩に見えた、それは
どう見ても 巨大な およそ人間の10倍はあろうかっていう
鎧を着込んだような 巨人 だったんだもの。
そして俺はぼんやりと(ああ・・・・ 発掘物っていうと伝説のアレとか、関わった物みな不幸になったっけ)
(いやいや秘境のあれなら不幸になるのは破壊される遺跡とかのほうか・・・・・)
そんなバカな事を考えて現実逃避をしていたらいつの間にかまた気を失ってしまったらしい。
やっぱり血を流しすぎたのかなぁ。
思いついたシリーズがあと二つ~四つ程あるので仕事の合間にまた書いてみる予定です。