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しぃ いず ぷれこしゃす まいざぁ がぁる

いつもより多目です。(通常五千文字、今回七千文字)

サブタイトルはてけとー。

 カフェを後にした真紅朗。

 桃花と白玉を連れ、青空旅舗(ブルースカイ)に戻って来た。


「あら、あらあら、トーカちゃん? シャンクロ様とご一緒にどうしたの?」


「こんにちはであります、ルピナさん。実はトーカはこちらの真紅朗様と一緒に、駆け落ち、の途中なのでありますよ!」


『ただいまなのじゃー』


「いや、真紅朗じゃぞ。ルピナ殿」


 桃花は駆け落ちを強調しながら、わざとらしく真紅朗の腕に抱き付いて、ルピナさんに向かって笑顔を見せた。二人の女性は元気いっぱいな白玉と名前を訂正する真紅朗の事を無視している。


(自分で言うていた割りに板ではないのだな。ほどほど柔い)


 自らの腕に押し付けられた桃花の一部分の感触に、真紅朗は顔色も変えず胸中に独り言る。


「まあまあ、お二方ともお若いのに大変ですわね! 何を隠そう、わたくしルピナも、だんな様とは駆け落ちした口ですのよ! 駆け落ちの先輩として、トーカちゃんには、後でわたしが色々教えてあげます!」


「はい、よろしくお願いするでありますよ、ルピナ先輩!」


「うふふ、はい、トーカちゃん!」


 桃花に笑い掛けたルピナさんが真紅朗に 視線を向けた。


「あら、でもシンクル様、トーカちゃんの宿泊代は頂けますの?」


「それなのだが、ルピナ殿。払うのは構わんが部屋をわ……「はい、トーカちゃんも同室での宿泊ですね!!」……かの?」


「……ん?」


「……はい?」


 自分が話している途中に被せて来たルピナさんと、真紅朗は困惑した顔をしばし見合わせた。


「「?」」


 やがて、根負けし気疲れした真紅朗は桃花の分の宿代を支払って部屋に戻ろうとした。


「……まあ、それでよい。部屋の鍵を頼む。桃花どのの分はこれで足りるかや?」


「……ッ!!」


 カフェの支払いに続き、真紅朗が魔法の革袋から無造作に銀貨を数枚掴み取り、ルピナへと手渡す所を見て桃花の瞳がギラリと光った。


「はい、ありがとうございます! こちらをどうぞ。あ、白玉ちゃんお預かりしましょうかしら?」


 それにはふるふると首を横に振って返し、首に絡まる白玉と、腕に抱き付く桃花をそのままに、真紅朗は宿の部屋へと戻っていった。


「──では、どうぞ……であります……」


 部屋に入って早々に、今まで着たままだったギルド受付嬢の制服を恥じらいを装い、はだけだした桃花の頭に、半目になった真紅朗は無言でチョップを喰らわせた。


「あいたっ! ……う~、何をするでありますか、真紅朗様?」


「それは此方の言う事ではないかの、桃花どの?」


 頭を抑えてジト目で見上げる桃花に、真紅朗は腕を組み呆れた声を聞かせた。咄嗟に力加減を忘れていたので、真紅朗は内心、桃花の頭が柘榴みたいに割れないで良かったと思っていたりする。二人の遣り取りを見て、白玉は真紅朗の顔の見上げ、目をキラキラさせている。


『主様、とーかとなにしてるのじゃ? 遊んどるのか? わしも混ぜてたも?』


「ほれみよ、桃花どの。白玉がこんな事を言い出しとるじゃろうが」


「え~! でも、真紅朗様。トーカは今夜からこのお部屋で真紅朗様と枕を並べて眠るのでありますよ? 最早、早いか遅いか、時間の問題なのであります。そうして既成事実を積み重ね、真紅朗様の金貨は晴れてトーカの物に!」


『主様の金貨が、なんでとーかのものになるのじゃ? どうしてなのじゃ?』


 グッと胸の前に拳を握り締める桃花、白玉は真紅朗の首からふよふよと宙を漂い、くりくりした瞳で見詰め桃花に纏わりついた。


「それは……その、あれでありますよ、白玉様。先ずは真紅朗様が、トーカに口で言うのもはばかれる様なあれやこれやを行うであります。そして、トーカは真紅朗様に逆らえないようこの身体に色々と真紅朗様好みに調きょ……、もとい、躾……、あ、いえ、覚え込まされるであります。挙げ句の果てに、真紅朗様の子を宿したトーカは嫁として、真紅朗様の金貨の権利を貰うのであります!!」


『分かったのじゃ! とーかの言う事はよう分からんかったけれどつまりは、とーかは主様の(つがい)なのじゃな? おめでとうございます、主様!!』


「ああ、目出度いな? 桃花どのの脳みそがのー……。……ほんに桃花どの、乙女とかいう設定はどこに行ったのじゃ? あんまり明け透けでは動く食指も動かんわ! ──これでいて()の子というは繊細なんじゃよ……」


 真紅朗は魂からの叫びを桃花に聞かせる。どうした感情の動きか、瞳から光をなくした桃花は真紅朗に笑顔を向けて、諭すように口を開いた。


「あの、……真紅朗様? まさか、温和(おとな)しくて優しい女性が好み、とか言い出しませんでありますよね? そのような女性はこの世にもあの世にも、過去現在未来永劫、存在など致しませんのでありますよ。もしいると言うなら、それは男性の前では猫を被って演技する事の上手い、頭の良い女性だというだけであります。そう、このトーカのように……。お勉強になりましたでありますね?」


 凍えるような笑顔で言い切る桃花に真紅朗はたじたじとなった。


「いや、()は別に……」


 桃花は嘆かわしそうに首を振り、決意を込めた呪詛のような声を漏らした。


「──まさか真紅朗様まであの女に毒されていようとは、これはきっちり、みっちりこのトーカの素晴らしさについてお教えして差し上げないと……」


「待て待て、桃花どの!? 一体なんじゃ、あの女って誰のことか!?」


『そうじゃ、とーか。わし主様と何時も一緒じゃが、とーかとルピナさんくらいしか人族の雌にはまともにあっとらんのじゃ』


 白玉が主の言葉を継いで言うと、桃花は目に光を取り戻し真紅朗に頭を下げた。


「──真紅朗様、申し訳ないであります! 真紅朗様がうっかり妙な事を口になさるので勘違いしたでありますよ。ですが、良かったであります。真紅朗様があの女の手練手管に引っ掛かっていなくて。……では、銀貨一枚慰謝料としていただくであります!」


「いや、なんでそうなる! 可笑しいじゃろ。……しかも、吾より白玉の言葉の方が信用されとるし」


『わし、主様の味方じゃよ!』


「だって、白玉様は嘘なんて吐けそうにないでありますよ?」


「……ま、それで桃花どのがまともになるなら仕方有るまい、ほれ手を出しや」


「言ってみるものでありますね? ささ、このトーカにお渡しくださいであります!」


 先程の凍える笑顔は何だったのかと思わせる日の下の華のような笑顔を魅せる桃花が勢い良く差し出した手に真紅朗は銀貨を載せた、振りをした。桃花に銀貨をこれ見よがしに見せ、少女の掌に一瞬だけ触れさせ、直ぐに自らの手の中に銀貨を回収した。


「先程の茶屋で、吾の置いた銀貨を勝手に回収しておったじゃろ、桃花どの? 吾に断りも入れなんだし、慰謝料とやらはそれで相殺じゃ。桃花どのが示した額より多いわけだしの」


「ええ! ヒドいであります! 横暴であります! これはあれでありますね。DVとかいうあれであります! 真紅朗様はトーカを弄ぶだけ弄んでポイッとする気でありますか!?」


「人聞きが悪いのう。吾は別に、桃花どのをこのまま捨て置こうなどとは思うておらんぞ。──丁度良い、 これからどうするか相談しようか? のう、桃花どの、白玉?」


 真紅朗は笑顔を浮かべ、桃花と白玉へ柔らかな視線を送った。


「桃花どのは何処か行ってみたい所など在るかや? 吾も白玉も世界についてよう知らぬ故、先ずは、桃花どのの行きたい場所でも目指そうと思うのじゃ。良いな、白玉?」


『かまわんのじゃ。わしどこでも主様と一緒じゃ』


 竜というか犬のようだの、白玉が顔を見上げてもふもふの尻尾を振るの様子を見て真紅朗はそんな事を思う。


「──よろしいのでありますか!? ではでは、トーカはとてもとても趣味が悪いことで有名なこの国の王城を見てみたいのでありますよ! お城全体を金で作った成金趣味で、正直アレはどうかと思うと他国の旅人がいう事でお馴染みなのです!」


 桃花は拳を握り締め、真紅朗と白玉に力強く聞かせた。


「桃花どのは、なんでそんなものが見たいのじゃ?」


「え、だって金色って素敵でありますよ? 勿論(もちろん)、一番は金貨の色でありますが」


 なんでこんな当たり前な事を聞くの、そう言わんばかりの態度で首を傾げ、桃花は真紅朗に答えた。


『とーかも金ピカ好きかや? わしの同類の紅顕竜(こうけんりゅう)の奴も金ピカ好きらしいのう。なんじゃっけ、彼奴の住まう山。彼処にたんまり溜めとるらしいの』


「白玉様! 紅顕竜(こうけんりゅう)と云えば竣峰レドラムでありますか!? 王都への途上にあるのであります! 真紅朗様、この街から王都へは普通は竣峰レドラムを大きく迂回して行くのであります。迂回せず竣峰を越えて行けば、大幅な時間短縮となるでありますよ!! 真紅朗様、王都へ行くであります! 竣峰を越えて……(つい)でにトーカは金貨を拾って」


「では、そうしようかの。二、三日したら出掛けるぞ」


 真紅朗達が目的地を決め休もうとすると、ルピナさんが駆け込んできた。


「大変、大変、大変ですよう。シンクロ様一体、何をされたんですか? 衛兵さん達が今、この旅籠の入り口に大挙してやってきましたよ!」


「ルピナ殿、だから吾は、ん……合っているの」


「そんなこと、今はどうでも良いです。衛兵さん達はだんな様が抑えていますけれど、どうされるんです?」


 真紅朗はルピナさんを安心させるように笑みを浮かべて見せた。


「心配めさるな。吾は出て行くよ。桃花どの、おぬしは本当に吾について参るのか? ほれ、白玉来よ」


 立ち上がった真紅朗は宙にぷかぷか浮かぶ白玉に手を伸ばした。白玉は嬉しげにして主の腕に纏わり付く。桃花は真紅朗の着流しに手を伸ばし、袖を掴み立ち上がった。


「もちろんトーカは、真紅朗様に付いて行くのに決まっているでありますよ。大体、真紅朗様なのであります、トーカに付いて来いと言ったのは」


 青空旅舗を出て行こうとする真紅朗達に、頬に手を当てルピナさんは困った顔をした。


「あらあら、そんなつもりではないんですよ? シンクリェ様はお金払いが良くて大騒ぎもされませんし、白玉ちゃんはもふもふ可愛いしセロとシェラの面倒を見てくれるし、トーカちゃんはお友達です。それに宿代をいただいたばかりですもの。ゆっくりされて良いのですよ」


「とても有り難い言葉じゃな。まあ、なればこそ、迷惑を掛けられんの。さっき払った宿代は迷惑料代わりに貰って置いとくれ。ほれ、行くよ」


 真紅朗は自然な仕草で傍らの桃花の手を取り繋ぐと、宿の入り口に向かった。そこでは宿内に入れまいとする店主セリムと、押し入ろうとする衛兵一人が押し合っていた。衛兵も一般市民に手を上げる事は出来ず、外の衛兵隊は合図を待ち、無理矢理に押し入る事も出来ずにいる。


「我らは公務でやって来ている。この宿自体に用など無い、怪しい者を出せば良いのだ!」


「何を持って怪しいというかだねぇ。おいらにゃあ、宿の客よりもあんたらの方が怪しいのよぉ」


「貴様っ!」


 衛兵はセリムの言葉に激昂し、腰の剣に手を掛けた。それを見た真紅朗は一歩でセリムと衛兵の間に話って入ると、衛兵の剣をすぅっと振り抜いた指で穿ち砕いた。


「無防備な民草に剣を抜こうとは、貴様それでも本当に衛兵か? ほれ、吾が相手をしてやる。貴様は外で待っておれ」


 真紅朗は衛兵の頭を掴み外へ向かって、現状の自身の膂力を忘れ、宿の入り口から力一杯に投げ飛ばした。あっさりと第三宇宙速度を越えて投げ飛ばされた衛兵は外で待ち構えていた仲間を巻き込んで諸共に爆殺し、その先の建物などの障害物破壊して飛び、最後には肉片すら残らずに焼失した。


「ほれ、相手をしてや……なんぞこれ? きっと……逃げたのじゃな?」


 宿を出た真紅朗は青空旅舗(ブルースカイ)の入り口から街壁を越えて彼方まで真っ直ぐに伸びる道に目を見張った。地面が熱で溶けてガラス状になり舗装されている、其処に人間がいた様子はまるでなくなっていた。背中に刺さる視線に真紅朗は振り向き誤魔化そうとする。


「桃花どの、セリムどの違うんじゃ。えっと、これはだの……」


『真紅朗様は異界の神様なのじゃ。こんぐらい訳ないのじゃ! えっへん!』


 しかし、主大好きなもふもふ幼竜が真紅朗の思惑を破壊した。


「ほへー、ではトーカは異界神、真紅朗様の巫女でありますか? 悪くないでありますね。金貨の落ちる音が聞こえてきたでありますよ。むっはー!!」


「真紅朗のそれ、変わった服だと思っちゃいたが、異界の神様か。なら納得だなぁ。しかし、衛兵の何十人か、それとこりゃ、住民も何百人か逝ったなぁ」


 今まさに大量虐殺を働いた真紅朗は、桃花やセリムの平然とした反応にむしろ驚いた。自分を見て驚いている真紅朗に桃花は何かに納得した顔をした。


「あの、真紅朗様? どうしたのでありますか?」


「いや、吾は今大量虐殺した訳じゃな?」


「はいであります。見るからにいっぱい、亡くなったでありますね」


「では吾は、何故に非難されぬ? 大量虐殺者じゃろ?」


「……真紅朗様は神様であります。……そして、この世界では神も魔も竜さえも等しく、この世の人獣十三氏族にはなす術の無い災害でしかありません。つまりは真紅朗様がなす事全ては人に非難など出来るはずが無いのであります。異界の神様であろうと、現世の神であろうと神であることには変わりがないでありますから。ですが、真紅朗様は特別でありますよ! 何せ、お話しが通じるのですから!!」


 桃花の妙な言い方に真紅朗は眉をしかめた。


「此方の神は話しが出来んのか?」


「ええ、真紅朗様と交わせるようにはお話になりません! 真紅朗様はトーカがふざけてもお許しく「行き過ぎねばな」……おほん、お許し下さるでありますが、此方の神様方を相手に巫山戯(ふざけ)るなど持っての他です。巫山戯なくとも相手の神の気分次第でぷちっとされてしまうでありますが、先ず良い結果などもたらしませんのであります」


「成る程の。桃花どの、序でに済まんが人獣十三氏族とはなんじゃな?」


「この世界に存在する知恵を持つ生き物達の総称でありますよ。人族、獣人族、森人族、海人族、爬人族、蛙人族、翼人族、喰人鬼族、夜鬼族、鋼人族、魔人族、竜人族、霊鬼族の十三の種族を総称して人獣十三氏族と呼ばれるのであります。そうそう、この街は人族の国ヒュマルクの辺境でアーセルという街であります。お話しした王城はこのお城でありますね」


『主様はすごいのじゃ!』


 桃花の説明が終わるのを見越したように白玉が叫び。真紅朗はあやすように幼竜の頭を撫でた。


「いきなりどうした、白玉(ハクユウ)?」


『主様はとーかのようわからん話しについて行けてすごいのじゃ!』


「そうか。そうじゃ桃花どの! この白玉は白顛竜(ハクテンリュウ)だが話は通じるが、竜も神と同じなのか?」


 真紅朗は白玉の頭を再度撫で、桃花に視線を向けた。セリムが白顛竜と聞いて驚いている。


「ええ、そのもふもふ白顛竜様なのか? 家の嫁さんとチビ共がかなり粗相してたんだが、大丈夫か?」


 セリムの家族を心配しての言葉だが、当の白顛竜様は自ら彼等に危害を加えないと約束した。


『わしルピナさんもセロとシェラも好きじゃ! 一番は主様じゃけどな~。あの子等にもルピナさんにも何にもせんぞ』


「そうかい、そりゃ良かった。いやあ、白顛竜様がこんなに話せるとはな。伝承は当てにならんなぁ」


 セリムと白玉の遣り取りに頬を緩ませる真紅朗。桃花はそんな彼に笑みを浮かべ、真紅朗の問いに答えた。


「真紅朗様、この世界に竜と呼ばれる生き物は五種五色五体存在するであります。白玉様はつまり白顛竜様、先程のお話に出た紅顕竜様、蒼霸竜(ソウハリュウ)様、黄尋竜(オウジンリュウ)様、黒戒竜(コクカイリュウ)の五体でありますね」


「ほう、桃花どの続けておくれ。まだ、途中なのじゃろ?」


「はい、では、続けるであります。ぶっちゃけて言えば、神も竜も序でに魔も、性質は本来変わりません。みんな、災害です。白玉様がそういう状態となっているのは、(ひとえ)に真紅朗様との繋がりのお陰であります。この世界では本来、神も竜も魔も、会話は出来ても意思疎通は出来ないモノなのであります」


「そういえば、白玉には出会い頭に炎を吹きかけられたか。まあ、無傷で終わったが」


「──真紅朗様は恐ろしい事を言うでありますね。ですが、白玉様の炎の息(ブレス)に耐えられるという事は、真紅朗様を傷付ける事の出来る存在はこの世界には(およ)そ居ないのでありますよ?」


 桃花は呆れた顔で真紅朗の防御能力を分析した。


「え、だって、あれじゃぞ。ちょっと暑そうなだけじゃぞ?」


「……ハア、真紅朗様がちょっと熱いというそれでも、普通の人は灰も残りませんでありますが」


 これ見よがしに溜息を吐き桃花は真紅朗の出鱈目さに笑ってしまっていた。そこへセリムが口を挿んだ。


「なあ、何時までも外で話してないで、中に戻らんか? このまま旅立つつっても、夕飯くらい食ってけよ。チビ共もお別れくらいしたいだろうしさ?」


 真紅朗は桃花と顔を見合わせて、どちらかともなく笑い合い、セリムに答えた。


「では、晩餐を馳走になろうかね。桃花どの」


「せっかくのお誘いでありますものね。真紅朗様」


『セロとシェラにお別れするのじゃ!』


 セリムは彼等に笑みを見せ、宿の中に叫んだ。


「ルピナあ! 真紅朗達が飯食って行くってよ!」


 青空旅舗の中に消えていくセリムを追い、真紅朗達二人と一頭は宿の中に入っていった。


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