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魔王だって魔界攻略に励んでいる  作者: 神埼 ヒロキ
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新たな冒険者登場

ここはどこだろう...眩しすぎず優しくもない光に包まれていた。

ただ、わかっているのは、目の前に誰かが居るということだけである。黒く霞んだ影は優しく美声と言える声で囁いてくる。

「あら、やっと目が覚めた。」

それは、女の子の声で何処かで聞いたことのある声だった。

「あなたは魔王の座を奪われて、ただの冒険者になってしまったわね」

彼女は少し不満気に話しかけてくる。そして

「あの闘いは、元魔王のあんた自信はどう思ったの?」

「お、俺は...」

あの闘いは、自分では何が起こっているのかわからなかった。それは、たった1人のお爺さん相手に,10分も耐えることができなかったからである。

そして、何も言わない俺を見て彼女は最後に何かを言った。

「あのザマを見て、私は悲しいわ。だから、あのお爺さん、いや、...を倒して。」

途中何かを言おうとした途端に、「ざぁー」と彼女の言葉を遮るかの用のように雑音が聞こえ、最後しか聞き取ることはできなかった。そして、夢から現実へと引き戻された。


 目を開くと、そこは10畳程の和室だった。

起き上がろうとした時、隣からぼそぼそと小さい声がした。

「目は覚めました...か?」

そこには、小さい身体の女の子がいた。

俺は、なんでこんな女の子の隣にいて、どうして和室にいるのか、わかんない顔をしていると、その女の子は、微笑みながら「少し待っててください。」と、言ってどっかに行ってしまった。

 しばらく待っていると、身長と身体が大きく着物のような物を着た女の人とその後ろには、さっきの女の子と白衣のような服を着た男の人が現れた。

そして、身長の高い女の人に、

「目覚めはどうだい?」

と、太く少し低めの声で尋ねられ、俺はすかさず「大丈夫です...」と、少しビビりながらに答えた。

「それなら、よかった。私は、この宿屋の女将の【ミカエラ】。あんたの名前は?」

「お、俺は、〔ヴァルト・メフィスト〕です。」

って、宿屋?「なんで、宿屋なんかにいるんだ?」と思いこの女将、いや、ミカエラに聞いてみた。

すると、こう言うことらしい。

 いつも通り庭掃除をしていた雑用係の【テトラ】が倒れている俺を見つけて、ここに運んでくれたらしい。

テトラとは、ミカエラの後ろにいた、男の人である。

「雑用係言うな!」とテトラがツッコミを入れたが、みんなにスルーされていた。そんなテトラに俺はお礼を言っといた。

そして、なんであんなところに倒れていたのかミカエラに聞かれたが、自分でもわからなかった。だから、目が覚める前の出来事を話した。


今日も、いつも通りの朝を迎えて、いつも通り挑戦者【冒険者】と闘っていた。そして、あの人は現れた。

あと1勝すれば、500勝という快挙を成し遂げようとしていた時、扉の前に現れた挑戦者は、1人のお爺さんだった。

魔王への挑戦者は、5人のパーティーや10~20人攻略組で挑戦しに来るのだが、このお爺さんはたった1人で挑戦しに来たのである。

 服装は、ボロボロのTシャツに黒の半ズボン。もちろん、この半ズボンも裾のところがボロボロである。例えを言うならば、魔界に迷い込みモンスターに襲われたような姿である。

そして、足には水色のサンダルで、手には、持つところから螺旋上に伸びた骨製の紅い杖を握っている。それは、見た目からしてオーダーメイドだった。

これは、500勝もっらたわ! と心の中で喜んでしまった。しかし、顔に笑みが出ていたのか、お爺さんは首を傾げながらこっちを見ていた。

そして、扉が閉まったと同時に戦い始まった。


俺が、相手の出だしを伺っていると、お爺さんは動いた。そして、手に持った杖で円を書き始めた。すると、円形の魔方陣が現れ、少しずつ光の粒子が集まってきた。

俺は、身の危険を感じ距離を取った。

そして、距離を取って2秒もしないうちに、激光を放っている魔方陣から黒い物体が現れた。

俺の黒い双眼は、驚愕に見開いていた。その黒い物体は3メートル程の魔人【ディブレア】だった。ディブレアは、古来に生きていたとされる魔界のボスの1人である。

それはそれは、冒険者を裂くように切り倒し負けることを知らない強さであった。それ故、冒険者に付けられた仮名【ダブルコード】は、《裂剣の魔鬼【ディオス】》である。

 な、なんでこんな化け物召喚できるんだよ!ってこの爺さんボスを召喚しやがった!?俺は、目の前にいるボロボロの服を着たお爺さんをただ、呆然と見ていた。

「小僧なに突っ立ってんだ。まだ、始まったばかりじゃぞ。」と、お爺さんは笑みを浮かべながらこっちを見ている。

1分も経ってなく、ほんとうに始まったばかりである。

「くっそぉぉぉおおお…」

俺は、叫んだ。500勝目の相手がこんなボロボロの服を着た冒険者だったことに。いや、

500勝目にこんなにも強く俺よりも1段階上、いやもっと2,3段階も強い敵と闘っているこの事態に。

俺は、今この状況で使える一番強い最強の魔法唱える。詠唱時間はそこそこ長いがこれしかない。俺は、必死に魔法詠唱を叫ぶ。

しかし、お爺さんは俺を見て何か言いたそうにしていた。

必死になっていた俺は、それに気付かず詠唱を続けた。お爺さんは、ディブレアに黒く全てをも真っ二つにしいてしまいそうな、大剣を渡していた。そして、詠唱の終えた最強の魔法を唱えた。

「大地を焦がし天までも紅く焼き尽くせ。《煉獄の裁き【インフェルノ・ジャッジ】》途端、天井に異空間の扉が現れ太陽のような紅く燃える炎が、お爺さんと魔神【ディオス】を多い尽くす。しかし、ディオスが片手に持っている黒く輝く大剣を紅く燃える炎に振り上げた。刹那、爆発による轟音と爆風が巻き起こった。そして、爆風による砂煙で視界は遮られた。

 そして、音と風が止み、目を開くと、お爺さんとディオスは無傷だった。俺の方は、魔力を全て使った体は重く立っているのが精一杯でひざま付いた。

お爺さんは俺に付かずいてきて、

「お主の魔法は怖いのぉ...後、さっき言おうとしたのじゃが、ディオスに持たせた大剣は神器じゃよ」

「な、なぁぁぁにぃぃぃいいい!」

お爺さんの言った言葉に、驚愕してしまった。

神器とは、強すぎた初代魔王を倒すために神が創ったとされるこの世界で一番強いとされる、最強の武器である。その、武器は7種類あるが武器に秘められた力は不明だった。そして、その武器により初代魔王が倒される時に、空間転移の魔法により武器を隠したとされていた。それ以来、神器を見つけるどころか、探す者もいなくなり伝説とされていた。

お爺さんは話を続けた。

「そして、この武器の秘めた力は、魔法を吸収する力だ。」

俺は、話にのまれて頷くしかなかった。

そして、俺はこのお爺さんが何者なのか聞いた。

すると、

「お主がわしを降伏させるか、わしを倒すことができれば、教えてやる。」

そして、お爺さんはこの後の事について話をした。

簡単に説明すると、魔王が挑戦者に負けてしまうと、一度天界に行くという。そして、天界で能力を駆け出し冒険者と同じにされて、冒険者として生まれ変わるということだった。

「そろそろ、時間じゃな。」

そう言って、ディオスいや、このお爺さんによって、魔王の座を奪われてしまった。


 この話をミカエラさんや宿屋の人に聞かせると、目を輝かせていた。

なにごとっ、と思っていると、最初に口を開いたのはテトラだった。

「3週間後にある闘店大会に俺等と出てくれないか?」

「え、え...」

いきなりの事で、目を丸にしていると

「そっかそっか」

テトラは、ヴァルトがこの街の事についてあまり知らないことを思い出した。

「闘店大会って言うのは...」

闘店大会について説明してくれた。

 この冒険者の集まる町【マリオード】にある商店街の店を営んでる冒険者が、1~5のパーティーを組んで戦う大会で、1位になった店は、マリオードのランキング店舗の裏表紙になり、客が2倍ほど増えるという。

過去に、閉店間際だった店がこの大会で1位を取り、行列のできる大人気店に変わったこともあるほどだ。そして、もっと驚いたのは賞金が出るという。ただ、賞金が貰えると聞いても驚かないが、貰える賞金がとんでもなかった。

「100万リードっ!!!」

とんでもない額に声を出してしまった。

ミカエラやテトラは「「うんうん」」とうなずいた。

100万リードは、新築の家を建てられる程の金額だ。

そして、この宿屋は戦える冒険者はテトラ1人だけだという。テトラの横にいるさっきの女に子【マリア】は、冒険者に登録してないという。

そして、最後の一言が決め手だった。

「俺は、お前の命の恩人だろ。」

笑顔で言い放つその言葉には、逆らえなかった。

そして、しぶしぶ闘店大会に出ることとなった。


その頃魔界では、

「初代魔王様の復活だぁぁぁ」

この言葉により、魔界は騒々しかった。

お爺さんは、次々に出てくる酒やら食べ物を口にしながら話をした。

「お前等久々だな。魔王達に迷惑かけなかっただろうな。」

「おひさでーす」「迷惑なんてかけてませんよ」「久々って、もう800年も会ってねーよ」…

お爺さんの言葉に思ったこと言い合う魔人や魔物たち。

そして、ある言葉が飛んできた。

「そろそろ元の体に戻らないのぉ~」「たしかに。」「あの姿久々にみてぇ」「何で、お爺さんに成り済ましてんだ?」

と、声が飛び交い始めた。

お爺さんは、「はぁ…」とため息をつき、しょうがないと言わんばかりの顔で変化魔法を解いた。

すると、金髪の腰あたりまである長さで、背丈は170cmほどの人間へと変わった。

「うおぉぉぉ」と声が、またたくまに盛り上がりを見せていた。

それは、普通に「イケメン」という文字の当てはまる顔であった。

 みんなが盛り上がっている中、ある女の子だけは不機嫌であった。白銀の髪のロングヘアで、150cmぐらいの女の子は、初代魔王と言われている男を睨んでいた。

「絶対に、あの子はあんたを倒しにくるんだから!」と、一言言い残して、暗い闇の中へと消えていった。

 この作品を最後まで読んで下さりありがとうございます。

初めての小説投稿で、こんな感じでいいのかな?と不安ながら書いていました。

しかし、自分なりに結構良くできたんじゃないかと思う部分が所々あったので良かったと思います。

一話目はこんな感じでしたが、二話目からは、私の妄想を…じゃなくて、読者さんが興奮できるような話にしていこうと思っているので、次回も読んでもらえると幸いです。

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