心配な時
ちょっと長く話し込んでたみたいだね。ミーシャに心配かけたかな?
「ごめん、ミーシャ。
ちょっとリアと話し込んでいてついついなかに戻るのを忘れてしまってたよ。」
なにもないならよかった。
涼は目をはなすとすぐフラフラと飛んでいってしまいそうな人だから心配なのよね。
とんでいってもう帰ってこないのではとちょっと不安になる。
「なにごともないならそれでいいんです。
それに、リアがパーティーなんて出るなんてどうかしたの?」
そう、リアことキャメリア・ローンは人嫌いで有名なんですよね。
なのに、今夜はパーティーにでてるからちょっとした話題の中心になってたりするんです。
「ちょっと、勇者に興味があってね。
それに、私は、この国が好きなの、そうはみえないかもしれないけどね♪」
なるほど、だから自分の大切なものを守ってくれる人を見にきたわけですね。
「珍しいですね。
リアが人に興味を示すなんて。でも、いい傾向かもしれません。
これを切っ掛けにどんどん回りに目を向けてくれたらいいんですけどね。」
いつまでも、一人では生きていけるとは思っていない。
自分でもそれはわかってた。
ただ、何か切っ掛けがないと自分でもどうしていいかなんてわからなかった。
このまま、なにも変わらず過ごすのだろうと思っていた。
でも、大好きなこの国が魔王のせいで危険にさらされているという。
どうにかしないとって思ってたけどなにをしていいかなんてわからないしと思っていたときに勇者の話を聞いた。
会いたいと思った。
少しでも勇者と話をしてどうかこの国を救ってもらいたいと思った。
だからこそ、勇気を出して勇者のお披露目のパーティーに参加した。
思っていた以上に誠実な人なのかもしれない。
自分の意見はきちんと伝えそれでこの国のことも考えると自分でよく見て考えると言ってくれた。
今はその言葉を信じるしかない。信じて大丈夫だと私は確信した。
「新学期から私も真面目に学院に通うことにしたから。
涼学院にいってもよろしくね。私にできることはなんでもするからね♪」
「なんでもですか?
では、こんど街にデートしに行きましょう!」
「涼!なにを言ってるんですか。」
ミーシャの視線が怖くて振り向けません。
「じょ、冗談に決まってるじゃないですか。」
「あら、私は別にかまいませんけど。」
「リアも何いってるの!」
こんな風に友達と笑いあえるひがくるなんて夢にも思っていなかったよ。