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魔法使いを目指す前に、まずツッコミ役に就任しました  作者: 三科異邦


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放課後、小事件とツッコミ地獄

放課後の教室は、模擬戦で残った魔力の余韻と、少し散らかった机や椅子でまだ戦場の名残があった。

霧島ユウトは杖を背に、深く息をつく。


(やっと落ち着くかと思ったら、ここも戦場かよ……)


 と思った瞬間、ミアが弾ける笑顔で近づいてきた。


「霧島くん! 放課後も遊ぼうよ!」

「いや、遊ぶって何だよ! 俺は休憩が必要なんだ!」

「休憩より実践よ! ほら、光の玉を使った新しい技考えたんだ~」


 ミアは手に魔力の小球を作り、ころころと転がす。

ユウトはそれを素早く防御魔法で止めるが、教室中に小さな光の玉が飛び交い、微妙に混乱する。


「ちょ、待て! 壁に当たるだろ!」

「大丈夫、大丈夫~」

「大丈夫じゃねぇ!」


 そこにルナもやってきて、肩越しに笑う。


「霧島くん、私も参加するわ。面白くなりそうね~」

「面白くねぇ! 俺の休憩を邪魔するな!」


 セリナは慎重に杖を握りつつも、どこか楽しそうに呟く。


「……私も、少し戦闘後の整理を手伝います」

「いや、整理じゃなくて、混乱させるだろ!」


 フィオナはのんびり手をかざし、魔力で教室の空気を微妙に整える。


「……ちょっとだけ~」

「そのちょっとだけが結構効くんだよ!」



 ユウトは魔力で飛び交う小球を防ぎながら、ツッコミをフル稼働させる。

光の玉が天井に当たりそうになると、ルナが笑いながら幻影で邪魔をしてくる。


「ちょっと! 天井に当たるな!」

「ふふ、面白い反応ね~」

「面白くねぇ!」


 ミアは小球を追いかけて暴走する。

セリナは慎重に防御魔法を出すが、机の角に足をぶつけてよろめく。

フィオナは微笑みながら空気を整える。


(……また俺、ツッコミフル稼働か)


 教室の中は、昼休み地獄+模擬戦後のカオスがさらに進化した状態になっていた。

しかしユウトの必死のツッコミと指示で、なんとか被害は最小限に収まる。



 小事件がひと段落すると、ミアが大きく息をつく。


「ふぅ~、楽しかった!」

「いや、楽しいかどうかは別問題だ!」


ルナも満足そうに微笑む。


「霧島くん、やっぱりあなたは面白いわね」

「面白くねぇ!」


 セリナは少し照れながら、机の片付けを手伝う。


「……私も、少し役に立てたかな」

「充分だ、セリナ。事故込みで面白い!」


 フィオナはのんびりと魔力を整え、微笑む。


「……ちょっとだけ~」

「お前のちょっとだけで救われた回数、数えきれねぇ!」



 ユウトは深呼吸しながら心の中で呟く。


(昼休み地獄、初授業、模擬戦、そして放課後小事件……

このクラス、俺のツッコミなしでは絶対に回らないな)


 笑いと魔力、混乱と友情が入り混じる教室。

学園生活の本当の騒がしさは、まだ始まったばかりだった。


放課後の小事件が終わり、教室はすでに片付けられていた。

霧島ユウトは杖を背に、自分の部屋に戻る。


(やっと、静かになった……と思ったら昼休みも模擬戦も放課後も……俺、何やってるんだ?)


 部屋の机に弁当の残骸はない。今日は朝からずっと魔法とツッコミで疲れ果てている。

椅子に腰を下ろし、深く息をつく。


 しかし頭の中は、今日のクラスメイトたちでいっぱいだ。


放課後の光の玉をころころ転がして楽しむ姿。


(あの子、本当に魔力を楽しむ天才だな……いや、暴走する天才か)


 次にルナの挑発的な笑みが浮かぶ。

模擬戦中、横から幻影で攪乱してきたあの余裕。


(……怖い、でも面白い……いや面白くない! 反応が面白いだけだ!)


 セリナの慎重で真面目な姿も思い出す。

少しつまずいたけど、必死に補助魔法を流していた。


(あれで事故らなければ、完璧だったのに……いや、事故込みで可愛いのか?)


 そしてフィオナ。のんびり微笑みながら、微妙に空気を整える姿。


(……あの『ちょっとだけ』の魔力操作、恐ろしいほど助かる。なのに本人はのんびりしてる……不思議すぎる)


 ユウトは頭を抱えながら、ふぅと息を吐く。


(俺のツッコミ力、もう少し鍛えないと……

このクラス、全員が全力で暴走するからな……)


 夜の静けさの中で、ふと窓の外を見る。

月明かりが学園の塔や廊下を淡く照らしている。


(明日も、さらに騒がしくなるんだろうな……)


 しかし不思議と、心は少し軽い。

今日一日で、クラスの面白さや温かさを少しだけ感じられた気がした。


(……こんな日々も、悪くないかもな)


 机の上に置いた日記帳を開き、今日の出来事を簡単にメモする。

「昼休み地獄」「初授業」「模擬戦」「放課後小事件」――

全部、ツッコミと共に記録されていく。


 書き終えたユウトは、杖を枕元に置き、布団に潜る。

目を閉じると、またヒロインたちの笑顔や突拍子もない行動が頭をよぎる。


(明日も……頑張らなきゃな)


 夜の静寂の中、ユウトは小さく微笑む。

まだ始まったばかりの学園生活――

騒がしくも楽しい日々が、ゆっくりと幕を開けたのだった。



次回予告!


模擬戦と放課後小事件を乗り越えた霧島ユウト。

夜、ひとり静かに振り返れば、ヒロインたちの個性と騒ぎの余韻が頭に浮かぶ。


だが、学園の平穏はすぐに終わる――

•教室ではまた小さなトラブルが勃発

•ミア、ルナ、セリナ、フィオナ、全員が全力で暴走

•ユウトのツッコミ力、再びフル稼働必至


「俺の平穏な学園生活は、どこにあるんだ…!」


笑いと魔法、友情とドタバタ。

翌日の学園生活で、さらに強烈な事件が巻き起こる――


次回、騒がしい学園生活&ラブコメトラブル、開幕!

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