祝、特別企画
教室はいつもと少し違う雰囲気。
「さて、皆さん!」
リアが元気よく立ち上がる。
「今日は特別企画です!」
ヒロイン達が揃って顔を見合わせる。
「特別企画……?」
「はい!なんと――」
「100,000文字達成記念です!」
\わー!/
拍手はもちろん、教室の机も揺れるほど盛り上がった……かもしれない。
⸻
「まずは、作者さん!」
ヒロイン達が前に出る。
「いつも楽しい物語をありがとう!」
「途中で忘れられたり、過酷な試練を課されたりしても、最後まで頑張ってくれて……本当に感謝してます!」
「……いや、ちょっと待って」
「私たちも大変だったんですけど?」
「ふふ、それも含めてだよ!」
「作者さん、最高です!」
ヒロイン達、にこにことお辞儀をし、
「これからもよろしくお願いします!」と声をそろえる。
⸻
そして読者への感謝も忘れない。
「そして、読者の皆さま!」
「いつも読んでくれてありがとうございます!」
「応援コメントや感想、全部読んでます!」
「あなたたちのおかげで、ここまで書き続けられました!」
リアがカメラ目線でウィンク。
「これからも、もっと面白くなるよう頑張ります!」
ヒロイン達も拍手で応える。
「ユウトは……えっと、今回は出番なしだけど」
「私たちの代わりに読者に感謝してね、ユウト!」
椅子で寝ていたユウトが、寝ぼけた顔で手を上げる。
「え、あ、ありがとう……」
「本当に……ありがとう……」
リアが小声でつぶやく。
「まったく、あの子は相変わらず……」
教室中が笑いに包まれ、
穏やかで、ほんの少し誇らしい時間が流れる。
⸻
最後にヒロイン達がそろって締め。
「これからも、物語も読者も大事に!」
「そして、作者さんも大事に!」
「はい、次回もお楽しみに!」
教室の窓から差し込む夕陽が、
100,000文字を越えた物語の“一区切り”を柔らかく照らしていた。
リアが机の前で手を組み、にっこり笑う。
「さてさて、今回は特別企画よ!」
ミアが首を傾げる。
「特別企画……?また何か無茶振りですか?」
リアは軽く手をひらひらさせる。
「違う違う!今回はね、作者が乙女ゲーみたいな文章を書いてみるっていう挑戦よ!」
ルナが思わず吹き出す。
「え、マジで?あの作者が?恋愛ゲーム風に?」
「えーっと、どうやって書けばいいのかな……」
作者役の椅子に座っている人物(リアの目線的には自分)が、そわそわとペンを握る。
「じゃあ、まずは主人公……いや、ユウト君ね、を登場させて」
「ふふ、それならやりやすいわ」
ミアが手を組んで目を輝かせる。
「うんうん、どんな乙女ゲー展開になるか楽しみ!」
リアが腕を組んで、少し挑戦的な笑みを浮かべる。
「じゃあ文章スタート!ちょっと甘く、ドキッとする感じで……」
窓から差し込む柔らかな光。
ユウトが教室に入ってくると、私の心は思わず跳ねた。
「……ユウト君、今日も来てくれたんだ」
その声は、自分でも驚くくらい自然に出た。
胸の奥が熱くなる。
彼の視線が、ふと私に向く。
「……どうした?急に赤くなって」
心臓の鼓動が耳にまで届く。
「べ、別に……ただ、教室の光が眩しいだけ……」
ユウトはにこりと笑い、私の手元にそっと近づく。
「手、触れてもいい?」
思わず息を呑む。
掌が触れた瞬間、世界が少しだけ静かになる。
胸の奥の高鳴りが、指先まで伝わる。
⸻
リアが文章を読み終えると、教室がしーんとなる。
ミアが手をたたいて拍手。
「きゃー!乙女ゲーっぽい!すっごくドキドキする!」
サラはちょっと赤くなりながらも、にやにや。
「この作者、やればできるじゃん……」
リアは肩をすくめて笑う。
「まあ、文章はさておき、
ヒロイン達の反応を見るだけで満足よ」
「それじゃ、次は誰を書こうか……?」
ヒロイン達が顔を見合わせて、にっこり笑う。
「もちろん、私よね!」
「いや、私も負けないわ!」
「え、じゃあ私も……」
教室はあっという間に、乙女ゲー風お遊び会議で大盛り上がり。
作者も少し赤くなりながら、ペンを握り直す。
「……さて、次はどんな展開にしようかな」
リア様にはご迷惑をおかけしておりますので、
この場でかかせて頂きます。
【リア編:夕陽に染まる教室で】
教室の窓から差し込む夕陽は、淡いオレンジ色に染まり、机や床を優しく照らしていた。
リアは一人、窓際の机に向かってノートを書き込んでいた。筆先が走る音が、教室の静けさに小さく響く。
「……どう書けばいいのかな……」
小声で呟くその声に、少しだけため息が混ざる。
今日は一人で残って、自分の考えをまとめていた。
でも、どこか落ち着かない気持ちもあった。
その時、後ろから足音が近づく。
リアは集中していたため気づかない。
ふと視線を上げたとき、背後にユウトが立っていたことに気づいた。
「……あ、いたの?」
リアは思わず声を詰まらせ、目を逸らす。
「え、えっと……別に……」
口ごもる言葉に、心臓が早鐘のように打つ。
ユウトは柔らかく微笑みながら、一歩近づいた。
「集中してると思ったけど、少し休憩も必要かなって」
その声に、リアの肩が軽く震える。
「……そ、そんなこと……」
顔が熱くなり、頬が赤く染まる。
ユウトの手がノートに触れ、そっと位置を直す。
「これで書きやすくなるかな?」
触れた瞬間、リアの胸の奥がじんわり熱くなる。
息が詰まり、思わず手を握りしめた。
「……っ……」
目を閉じて深呼吸する。
でも目を開ければ、ユウトはまだそこにいる。
微かに笑みを浮かべ、優しく見つめている。
「……なんで、こんなに緊張するんだろう」
リアは心の中でそう呟く。
普段は誰にでも強気で、冗談も交えられる自分なのに、
ユウトが隣にいるだけで、胸が早く打つ。
「リア?」
ユウトの声に、思わず振り返る。
「あ……えっと……その……」
言葉が詰まり、顔が真っ赤になる。
ユウトは笑みを絶やさず、さらに一歩近づく。
「大丈夫?緊張してる?」
その距離、ほんの数十センチ。
息遣いが互いにわずかに重なる。
心臓の鼓動が、教室の静けさの中で大きく響く。
「……緊張なんて、してない……!」
口では否定するけれど、指先は小さく震えていた。
ユウトはにこりと微笑み、そっとリアの手を取り、自分の手で包む。
「……手、冷たいね」
その言葉に、リアの心臓はさらに跳ねた。
「……っ……」
息が詰まり、思わず顔を背ける。
ユウトの手は温かく、優しく触れたまま。
リアはわずかに目を閉じ、胸の高鳴りを感じる。
まるで世界がゆっくりと、二人だけの空間になったかのように感じた。
「……リア」
その声に、リアは思わず目を開ける。
「……な、なによ……」
「その……笑った顔、夕陽に似合うね」
リアは息を飲み、頬を赤く染めながら、目をそらす。
「そ、そんなこと……言わないでよ……!」
でも、声は小さく、震えてしまった。
ユウトは笑みを絶やさず、そっと頭を傾ける。
「言わなくても、伝わってるんじゃないかな」
リアは目を閉じ、心の奥で小さく笑った。
胸がぎゅっと熱くなる。
夕陽が教室を染める中、二人だけの静かな時間が、ゆっくりと流れていった。
リアは読み終わると、思わず顔をしかめた。
「……ちょっと、これ何?恥ずかしいんだけど!」
ページをバッと閉じて、少し怒ったように見せるけれど、頬は赤い。
「なにこれ、ユウトの名前が出てるし、私の心の声まで勝手に書かれてる……!」
机を軽く叩き、ツッコミを入れる。
「これは……リアいじりすぎでしょ!ちょっとやりすぎじゃない!」
でも心の奥では、少し照れくさくて、つい笑ってしまう。
「……でも……う、うれしい……かも……?」
指でページを押さえながら、顔をそっと背ける。
「いや、うれしいとか言わないんだから!」
小声でつぶやいて、少しプイッとそっぽを向くリア。
リアの心の中は、ツッコミ半分・照れ半分でぐるぐるしていた。
‥‥‥
夕陽がゆっくりと沈む学園の中庭。
ヒロインたちは集まり、少し照れくさそうに笑いながら、手を合わせる。
リアが口を開く。
「皆さま、今回は読んでくださって本当にありがとう!ドキドキしてもらえたかな……?」
少し顔を赤くしながら、でもしっかりと視線を前に向けるリア。
ミアはページを手に取り、くるりと回って笑顔を見せる。
「楽しんでもらえたなら嬉しいです!これからも、もっとドキドキしてもらえるように頑張るからね!」
セリナは少し照れながらも、きちんと前を向き、手を胸にあてる。
「私たちが感じた気持ちや、ユウトくんとのやり取り……少しでも皆さんに伝わっていたら嬉しいです」
深くお辞儀をする。
「本当にありがとうございました!」
その後、少し笑いながらリアが付け足す。
「……次はまた新しい物語もあるから、楽しみにしててね!」
ミアも手を振りながら、
「次はどんなドキドキが待っているのかな……?私たちも楽しみです!」
セリナは微笑みを浮かべ、静かに締める。
「では皆さん、また次回まで。私たちも、しっかり準備しておきますね……!」
ヒロインたちの声が夕暮れに溶け込み、学園の空気は少しだけ甘く、温かい余韻を残した。
読者に向けた感謝と、これからの物語への期待を胸に、彼女たちはそっと微笑む。
皆さまありがとうございます!
本当は全ヒロイン分描きたかったのですが、大変なので諦めました。(キッパリ)
またの機会にお会いしましょう!




