閑話休題 いきなり討論会
ダンジョン騒動がひと段落した――という体で始まる、謎の空間。
どこか学園の一室っぽいが、なぜか机と椅子が円卓状に並んでいる。
そして、その一角には――
黒マントの魔族が、普通に座っていた。
「……で、なんで俺ここに呼ばれてるの?」
魔族が心底どうでもよさそうに言う。
ミアが元気よく手を挙げる。
「今日は閑話休題・特別編!討論会形式でお送りします!」
ユウトが即ツッコむ。
「いや待て、敵だったよな!?ついさっきまで命のやり取りしてたよな!?」
魔族は肩をすくめる。
「安心しろ。今日は“戦闘不可モード”だ。というか、こういうの嫌いじゃない」
ルナが冷静に資料(どこから出したのか不明)をめくる。
「では最初の議題です。
『バットは武器としてアリかナシか』」
ユウト
「まだ引っ張るのそれ!?」
魔族が顎に手を当てて真面目に考える。
「魔力伝導率は低いが、感情補正が異常に高い。
使い手が“ノリ”で強くなるタイプだな」
セリナ
「つまり…ユウト専用武器?」
ユウト
「褒められてるのかディスられてるのか分からん!」
フィオナがふんわり微笑む。
「でも、壊れにくいのは大事だと思います」
魔族
「そこは評価する。杖はだいたい折れる」
ユウト
「ほら見ろ!だからバットで正解なんだって!」
⸻
ミアが次の議題カードを出す。
「次のテーマ!
『ヒロインたちは自分がヒロインだと自覚しているか』!」
一瞬、沈黙。
セリナ
「……討論する必要ある?」
ルナ
「自覚があるかどうかより、扱いが問題だと思うけど」
ちらっとユウトを見る。
ユウト
「なんでそこで俺を見る!?」
魔族が面白そうに笑う。
「ふむ…全員ヒロインだが、
一番“物語を壊す力”を持ってるのはミアだな」
ミア
「えっ!?私!?やったー!」
セリナ
「喜ぶところじゃないと思うわよ…」
フィオナ
「でも、ミアさんがいると場が明るくなりますよね」
魔族
「そう。世界観ブレイカーだ」
⸻
さらにどうでもいい議題が続く。
・学園の制服は動きやすいのか問題
・魔族的に「夏休み」は存在するのか
・ドッペルゲンガーに勝ったとき、どんな気持ちだったか
魔族
「正直、倒される側も結構疲れる」
ユウト
「知らんがな!」
⸻
気づけば時間はいい感じに過ぎ、
魔族は立ち上がってマントを翻す。
「まあ、今日は楽しかった。
次に会うときは……敵かもしれんがな」
ミア
「じゃあまたねー!」
ユウト
「軽いな!?」
魔族は霧のように消えていく。
⸻
残された一同。
少し間が空いてから、フィオナが一歩前に出る。
「……というわけで、今回は閑話休題でした」
ルナ
「本編の緊張感、どこ行ったのかしらね」
セリナ
「でも、たまにはこういう回も悪くないわ」
ミア
「次はもっとくだらないテーマでもいいよね!」
ユウト
「それ以上くだらなくなる余地ある!?」
フィオナはくすっと笑って、優しく締める。
「また次回、ですね。
今度はちゃんと物語、進みますから」
――たぶん。




