ユウトの全力
霧の濃いダンジョンの通路。
足元の裂け目はさらに広がり、壁からも魔力の瘴気が漏れ出している。
「やばい…ここ、もう安全じゃない!」
ユウトがバットを握りしめながら叫ぶ。
ミアは跳ねながらも不安そうに後ろを見る。
「えー、でも逃げる道は…?」
ルナが周囲を魔法で探る。
「少なくともこの通路はもう危険!早く別の出口を探して!」
セリナは杖で障壁を張りつつ、後方を警戒。
「敵も増えている。安全地帯まで急ぐのよ!」
フィオナはユウトの肩に手を置き、落ち着いた声で指示する。
「皆、落ち着いて。私たちで道を作りましょう」
ユウトたちは裂け目や落石を避けながら、慎重に通路を進む。
しかし、通路の奥で行き止まりにぶつかる。
「…えっ、ここ、閉じてる…?」
ミアが叫ぶ。背後からも魔物の群れが迫り、全方向から囲まれてしまう。
ルナが険しい表情で呟く。
「…これは…完全に包囲されたわね」
セリナは冷静に杖を構える。
「逃げ道なし…ここで戦うしかない」
フィオナはユウトを見つめ、少し緊張した声で言う。
「ユウト…今、力を…」
ユウトは深く息を吸い込み、バットを握りながら魔力を全身に集中させる。
(ここで本気を出すしかない…!)
周囲の魔力の瘴気がユウトに吸い込まれるように集まり、バットから眩い閃光が迸る。
「行くぞ…全力で!」
瞬間、ユウトの魔力が爆発し、通路全体に魔力波動が広がる。
裂け目が一瞬で安定し、魔力の瘴気は押し戻され、迫る魔物たちは弾き飛ばされる。
ミアが飛び上がり、歓声。
「うわー、すごい!ユウト、かっこいい!」
ルナは息を整えながらも冷静に。
「…これが本気の力…やっぱりただ者じゃないわ」
セリナも杖を下ろし、微かに笑み。
「危なかったけど、無事でよかった」
フィオナはユウトの肩に手を置き、優しく微笑む。
「……やっぱり皆で力を合わせれば、どんなトラブルも乗り越えられますね」
ユウトは深呼吸し、バットを握り直す。
(これでダンジョンブレイクは鎮まった…でも、まだ油断できないな…)
霧の奥、魔力の波動が静まり、ダンジョンの異変はひとまず鎮圧された――かに見えた。
ユウトの全力魔法でダンジョンブレイクはひとまず鎮まったかに見えた。
裂け目は塞がり、魔力の波動も静かになった――しかし、霧の奥から低く響く地鳴りが伝わる。
「え…なんだ、あの音…?」
ミアが目を丸くし、後ずさる。
ルナが眉をひそめ、魔法で奥を探る。
「…これは…普通の魔物じゃないわ。規模が大きすぎる…」
突然、霧が渦を巻き、大きな影がゆっくりと姿を現す。
巨大な角を持ち、筋肉質の巨躯に漆黒の鱗をまとった大ボス――ダンジョンの奥を支配する存在が立ちはだかる。
「うわっ、で…でかい…!」
セリナが思わず杖を握りしめる手に力を入れる。
ミアは思わず後ずさるも、口を開く。
「うわー…これ、さっきのドタバタじゃどうにもならないかも!」
フィオナは深呼吸し、ユウトの肩に手を置く。
「ユウト…ここで力を出さないと、全員危ないです」
ユウトは目を閉じ、バットを握る手に魔力を集中させる。
(…まだ全力じゃない…でも、これ以上は後がない…!)
大ボスがゆっくり一歩踏み出すたびに、通路が揺れ、床の裂け目が再び広がる。
「…全方向から圧力が来る…これは…!」
ルナが冷静に分析しながらも、目にわずかな恐怖を浮かべる。
魔物の大軍も大ボスの影に集まり、周囲を取り囲む。
「くっ…完全に包囲されてる!」
セリナが杖を構え、防御魔法を展開する。
ミアは少し震えながらも跳ねる。
「えー、面白いけど怖いよー!」
フィオナは皆を落ち着かせながら、慎重に指示を出す。
「皆、無理せず、ユウトに合わせて!」
ユウトは深く息を吸い込み、バットに全力魔力を流し込む。
(ここで本気を出すしかない…全員を守るために…!)
大ボスの咆哮とともに、霧が渦巻き、魔力の波動がダンジョン全体を震わせる。
ユウトの魔力が光の渦となって広がり、迫り来る大ボスと魔物の群れを押し返す――
しかし、状況は依然として危険極まりなく、ユウトたちは全力で立ち向かうしかなかった。
逃げるか、戦うか、決断を迫られる――
次回予告
ヒーロー見参!
まぁ、学園長ですけどね。




