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[悲報] 魔法使いを目指す俺、ツッコミ役に就任しました  作者: 三科異邦


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42/65

本当のコト

「……一つだけ」


放課後、誰もいなくなった教室

リアが言った。


「あなたの話」

「少し、違う」


ユウトは苦笑した。


「さすが監督役」

「気づいたか」


「気づくわよ」


リアは腕を組む。


「あなた」

「制御できないから、学園に来たんでしょう」


沈黙。


ミアが恐る恐る言う。


「え?」

「強すぎて来たんじゃないの?」


「逆」


ユウトは、短く答えた。



「俺の魔法さ」


ユウトは、地面に視線を落とす。


「出力が」

「安定しない」


「不安定?」

セリナが聞く。


「正確には」


ユウトは息を吸う。


「思った通りに弱くできない」


全員が、固まった。



「弱く出そうとすると」

「逆に、跳ねる」


「強く出そうとすると」

「さらに跳ねる」


「だから」

「事故る」


ルナが、ゆっくり瞬きをした。


「……それ、才能の暴走ね」


「そう」


ユウトは頷く。



「家での訓練」

「独学」


「全部」

「感覚任せ」


「センスだけで」

「何とかしてた」


フィオナが小さく言う。


「……危ない」


「めちゃくちゃ危ない」


ユウトは即答した。



「だから」


ユウトは、学園の校舎を見上げる。


「制御を学ぶために」

「ここに来た」


「正確な詠唱」

「段階的出力」


「理論と安全装置」


「全部」

「俺に足りなかった」



ミアが、首を傾げる。


「でもさ」

「今も、普通に戦えてない?」


「それが」

「問題」


ユウトは笑った。


「何とかなるんだよ」


「感覚で」

「タイミングで」


「外して」

「当てて」


「危ない橋、渡り続けてる」



セリナが、眉をひそめる。


「それ」

「制御できてないって言うの?」


「言う」


ユウトは断言した。


「制御できてたら」

「最初から正解を出せる」


「俺は」

「失敗しない位置に立ってるだけ」



「……なるほど」


リアは、静かに頷いた。


「あなたは」


「制御型じゃない」

「適応型」


「起きた現象に」

「即座に合わせる」


「だから」

「事故が減る」


「でも」


視線が鋭くなる。


「根本解決じゃない」


「はい」


ユウトは素直に認めた。



「だから」


ミアが言う。


「ツッコミ?」


「そう」


ユウトは笑う。


「前に出ない」

「状況を回す」


「自分が暴発しない位置に」

「立つ」


「それが」

「一番安全だった」



フィオナが、静かに言った。


「でも」

「それでも、助けてる」


「うん」


ユウトは頷く。


「止められないなら」

「逸らす」


「制御できないなら」

「合わせる」


「それが」

「俺のやり方」



ルナが、ふっと笑った。


「ねえ」

「それ、天才の思考よ?」


「やめろ」


「褒めてる」


「やめろ」



リアが、結論を出す。


「霧島ユウトは」


「制御が苦手」

「理論は後回し」


「でも」


「状況把握と修正能力は」

「異常に高い」


「だから」


一拍置く。


「本番に強い」


ユウトは、肩をすくめた。


「テスト弱いんだけどな」


「知ってる」


全員、頷いた。



「二学期」


リアは言う。


「あなたは」


「否応なく」

「前に出ることになる」


「制御できなくても」


「センスで」

「何とかしてきたあなたが」


「今度は」


「ちゃんと制御を覚える」


ユウトは、息を吐いた。


「……地獄だな」


ミアが笑う。


「でもさ」


「今まで」

「何とかなってきたでしょ?」


「まあな」


「これからも」

「何とかなるよ」



ユウトは、少しだけ笑った。


「……その代わり」


「事故ったら」

「全力でツッコんでくれ」


「任せて!」


ミアが即答した。


次回予告


「では――二学期最初の授業を始める」


教壇に立つのは、

魔法理論担当・グレイヴ先生。

無表情。

声低め。

嫌な予感しかしない。


「夏休みで」

「頭が溶けている者も多いだろうが」


「溶けてるって言われた」

ミアが小声で言う。


「事実でしょ」

セリナが即答する。


「俺も溶けてる側?」

ユウトが聞く。


「あなたは常温」

フィオナが静かに言った。


「微妙!」


次回、真面目にやれと言われると、だいたい何か起きる


ちゅどーん!

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