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[★毎日更新★][悲報] 魔法使いを目指す俺、ツッコミ役に就任しました  作者: 三科異邦


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フィオナ・リースは、声を出す前に考えてしまう

「……次は、私?」


夕暮れの教室。

フィオナは、少しだけ驚いた顔をした。


「そう」

リアが頷く。


「無理なら――」


「ううん」


フィオナは、小さく首を振った。


「話す」


その一言は、短かったけれど、

不思議と重みがあった。



「私」

フィオナは、机の端を指でなぞりながら話し始める。


「昔から」

「喋るの、遅いの」


「知ってる」

ミアが言う。


「でも」

「嫌じゃない」


フィオナは、少しだけ笑った。



「考えるのが」

「先に来ちゃう」


「言葉より?」

ユウトが聞く。


「うん」


「言ったら」

「どう思われるかな、とか」


「空気、変わるかな、とか」


ルナが、静かに頷いた。


「優しい子あるあるね」


「……優しいのかな」


フィオナは、首を傾げる。



「家ではね」

「私、末っ子だったの」


「兄と姉がいて」

「二人とも、よく喋る人」


ミアが想像して言う。


「賑やか?」


「すごく」


フィオナは笑う。


「だから」

「私は、聞く側だった」



「最初は」

「楽しかった」


「でも」

「だんだん」


声が、少しだけ小さくなる。


「私が何か言う前に」

「話が進んじゃう」


「気づいたら」

「決まってる」


セリナが、静かに言った。


「……居場所が、薄くなる」


フィオナは、頷いた。



「だから」

「私は、見てた」


「人の顔」

「声のトーン」


「言葉の裏」


ユウトは、息を呑んだ。


(だからか……)



「学園に来てからも」

フィオナは続ける。


「最初は」

「同じだった」


「でも」


視線が、ユウトに向く。


「あなた」

「変だった」


「え?」


「誰かが喋ってても」

「ちゃんと、待つ」


「私が言い終わるまで」

「割り込まない」


ミアが言う。


「それ、普通じゃない?」


「普通じゃない」


フィオナは即答した。



「だから」

「ちゃんと、話そうと思った」


「ちゃんと?」


「自分の言葉で」


フィオナは、胸に手を当てる。


「怖かったけど」



「フィオナ」


ユウトは、少し迷ってから言った。


「無理して喋らなくていい」


「……うん」


「でも」

「黙ってる=何も考えてない、じゃないよな」


フィオナは、目を見開いた。


「……それ」


「ずっと」

「言ってほしかった」



リアが、静かにまとめる。


「フィオナ・リースは」


「一番、慎重で」

「一番、観察している」


「だから」

「一番、見抜いている」


ルナが微笑む。


「怖いわね」


「……怖くないよ」


フィオナは、小さく言った。


「ちゃんと」

「好きな人のこと、知りたいだけ」


その言葉に、

教室の空気が、一瞬だけ止まった。



その夜。

ユウトは思う。


(この子も……強い)


声を上げない強さ。

見続ける強さだ。


次回予告


霧島ユウトの過去


‥あれ、フィオナってこんな子だったっけ‥


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