閑話休題・その2 〜設定は後から生えてくるもの〜
同じ教室。
同じ円陣。
なぜか前回より紙束が分厚い。
「……増えてるよね?」
ミアが紙を持ったまま言う。
「増えてるわね」
セリナが遠い目をする。
「作者」
ルナが笑顔で断言する。
「調子に乗ったわ」
「……質問が来ると」
フィオナが小さく言う。
「安心するんだと思う」
⸻
Q1.
「リア・クロフォードって血縁だったんですね?」
一瞬の沈黙。
「……そうらしいわね」
セリナが静かに言う。
「私も、最近知った」
淡々と続ける。
「え!?」
ミアが声を上げる。
「知らなかったの!?」
「設定上は」
「姉妹、だったはずよ」
「“だったはず”ってなに?」
ルナが楽しそうに突っ込む。
ミアが回答を読む。
「A.
そうです。血縁です。
完全に後から決めました。」
「ひどい!」
「でも正直!」
「A. 続き。
二学期から“姉”としての存在感を出していきます。」
「……急に仕事し始めたわね」
セリナが小さくため息をつく。
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Q2.
「この作品、最初からここまで考えてました?」
「来たわね」
ルナが嬉しそう。
「答え、分かってるでしょ?」
ミアが読む。
「A.
考えてません。
初期は“学園ラブコメっぽい何か”でした。」
「でしょうね」
「知ってた」
「A. 続き。
キャラが勝手に動いてます。」
「責任放棄!」
ミアが叫ぶ。
「でも」
フィオナが言う。
「私たち、ちゃんといる」
「……それが一番怖いわ」
セリナ。
⸻
Q3.
「リアさん、今後どんな立ち位置になりますか?」
「重要!」
ミアが前のめりになる。
「A.
ツッコミ役が増えます。」
「ユウト、過労死するわね」
ルナが笑う。
「A.
セリナより容赦ないかもしれません。」
「……覚悟しておくわ」
セリナが小さく呟いた。
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Q4.
「作者さん、キャラの好感度管理してますか?」
「してない!」
ミアが即答。
「一応、回答読むわよ」
と紙を見る。
「A.
してません。
むしろ、想定外のところが伸びてます。」
「……フィオナ?」
ルナがちらっと見る。
「……?」
フィオナは無自覚。
「ほらね」
セリナが頷いた。
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Q5.
「このままハーレムになりますか?」
「直球!」
ミア。
「A.
ハーレムかどうかは分かりません。
全員が納得する形を探します。」
「作者にしては」
ルナが腕を組む。
「珍しく真面目」
「A. 続き。
多分、修羅場はあります。」
「でしょうね!!」
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Q6.
「結局、何を考えずに一番困ってますか?」
「これ好き」
ミアが言う。
「A.
魔法設定と学園のルールです。」
「今さら!」
「致命的!」
「A. 続き。
雰囲気で押し切ります。」
「それでここまで来たからね」
セリナが認める。
⸻
Q7.
「それでも読者に一言ありますか?」
少しだけ、間が空く。
ミアが読む。
「A.
ここまで付き合ってくれてありがとうございます。」
「……珍しく素直」
ルナ。
「続けられてるのは」
フィオナが小さく言う。
「見てくれてる人がいるから」
誰も、否定しなかった。
⸻
「以上!」
ミアが紙束を閉じる。
「設定は後から」
「感情は先に」
「そんな作品も」
「悪くないわね」
「……うん」
教室に、ゆるい笑いが落ちた。
――閑話休題、完。




