閑話休題 〜その質問、誰が得するんですか?〜
黒板の前。
なぜか椅子が円形に並べられ、ヒロイン四人が座っている。
「えーっと」
ミアが紙束を持って立ち上がる。
「今回は特別企画!」
「読者のみなさんからの質問に答えるコーナーでーす!」
「なんで私たちが……」
セリナが額を押さえる。
「作者が逃げたからよ」
ルナが即答した。
「……逃げたんだ」
フィオナが小さく頷く。
⸻
Q1.
「リア・クロフォードはどこに行きましたか?」
一瞬の沈黙。
「……」
「……」
「……そんな方、いましたね」
セリナが静かに言う。
「すいません、完全に忘れてました」
ミアが読み上げる。
「二学期では」
「もっと出番増やします」
「急に雑な作者コメント来たわね」
ルナが肩をすくめる。
「血縁キャラを放置するのはどうかと思うわ」
セリナは割と本気だった。
「でも」
フィオナがフォローする。
「出番増えるって言ってるから……」
「信じよう!」
ミアが親指を立てる。
⸻
Q2.
「作者の人、感想とか評価欲しがってるみたいなんですが、どうなんですか?」
「出た」
ルナが即反応する。
「欲しいに決まってるでしょ」
「承認欲求の塊よ」
「言い切るな!」
ミアが突っ込む。
セリナは腕を組む。
「まあ」
「創作を続ける燃料にはなるわね」
「でも」
ルナが続ける。
「甘やかすと調子に乗るタイプ」
「じゃあどうすればいいの?」
ミア。
「ちゃんと読んだ上で」
「一言で刺す」
「……怖い」
フィオナが小声で言った。
⸻
Q3.
「ヒロインのスリーサイズ教えてください」
即、却下の空気。
「次!」
セリナが即座に言う。
「待って!」
ミアが止める。
「一応、回答あるよ!」
紙を読む。
「A.
数字で語れる魅力なら、最初から数字で設定してます」
「なるほど」
ルナが頷く。
「つまり?」
「想像に任せます」
「以上!」
「逃げた!」
「逃げたわね!」
フィオナは少し考えてから言った。
「……想像の方が、優しいこともある」
「深いようで何も言ってない!」
⸻
Q4.
「バトル要素ほとんどないですが、登場しますか?」
「来たわね」
セリナが姿勢を正す。
「出てきます」
ミアが読む。
「ただし」
「そこまでバトルパートはないかもしれないです」
「でしょうね」
ルナが即答。
「この作品」
「戦闘より会話でダメージ与えるタイプだもの」
「精神攻撃多め……」
フィオナが小さく呟く。
⸻
Q5.
「結局、この作品は何がしたいんですか?」
少しだけ、空気が変わる。
「……それ、核心じゃない?」
ミアが言う。
セリナが答える。
「多分」
「キャラが勝手に喋るのを眺めたい」
「正解」
ルナが即認める。
「予定通りに進まないのも」
「込みで、ね」
フィオナは少し考えてから言った。
「……誰かの日常が」
「ちょっとだけ、楽しくなればいい」
誰も否定しなかった。
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Q6.
「推しは誰を選べばいいですか?」
「全員!」
ミアが即答。
「一人に絞らなくていいわ」
ルナが微笑む。
「途中で変わってもいい」
セリナが続ける。
「……気づいたら、決まってると思う」
フィオナが締めた。
⸻
「以上!」
ミアが紙を畳む。
「思ったより平和だったわね」
ルナ。
「作者が出てこなかった分、ね」
セリナ。
「……また、やるのかな」
フィオナ。
「やるでしょ」
三人同時に。
教室に、少しだけ笑いが残る。
――閑話休題、ここまで。
次回予告
なんか楽しくなっちゃったので続きます




