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[悲報] 魔法使いを目指す俺、ツッコミ役に就任しました  作者: 三科異邦


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22/63

夏休み前なのに地獄! テスト勉強会、開幕

夏休み目前。

つまり――テスト期間である。


「……おかしいだろ」


 霧島ユウトは机に突っ伏しながら、心の底からそう思っていた。

窓の外では夏の日差しがきらきらと輝き、風に揺れる木々が「遊ぼうぜ」と囁いている。


(なんで俺は、こんなところで……)


 場所は学園の空き教室。

名目は――テスト前合同勉強会。


「霧島くーん! ここ分かんなーい!」

「開始五分でそれかミア! まだ何も説明してねぇ!」


 ミアは机に頬杖をつき、ノートを逆さまにしたまま元気いっぱいだ。

いや、元気なのはいいが、勉強する気はどこに行った。



「ふぅ……やっぱり勉強会って退屈ね」


 ルナは椅子にもたれ、魔導理論の教科書を指で弾いている。

ページはほとんど進んでいない。


「テスト範囲、ちゃんと確認したのか?」

「一応。でも暗記は苦手なのよ」

「お前、暗記科目全部アウトじゃねぇか」


「ふふ、霧島くん、ツッコミが冴えてるね」


 セリナは静かに微笑みながら、きれいな字でノートをまとめている。

見本のような勉強姿勢だ。


「セリナ、ありがたいけど……お前が優等生すぎて逆に焦る」

「大丈夫です。分からないところは一緒に確認しましょう」


(天使か?)



「ねえねえ~、おやつ持ってきたよ~」


 フィオナが机の上に焼き菓子を並べ始めた瞬間、空気が変わった。


「ちょ、待て! 勉強会だぞ!」

「糖分は脳に必要なんだよ~」

「それは分かるけど、先に勉強だ!」


 ミアは即座に反応した。

「食べてから勉強しよ!」

「順番逆だ!」


 リアは眼鏡を直しつつ、淡々と口を開く。

「……この流れ、前にもありましたね。結局、半分も進まなかった記憶があります」

「やめろ、正論は俺に効く」



 それでも何とか勉強会は進む。

魔法史、魔力制御、基礎演算――。


「霧島くん、この公式どういう意味?」

「それはだな……えーと……」


 セリナに説明していると、ルナが割り込む。

「ねえ、その公式、応用問題出る?」

「出る」

「じゃあやっぱり覚えないとダメじゃない」

「だから最初から言ってる!」


 ミアは完全に限界だった。

「もう夏休みの予定考えよーよ!」

「現実逃避すんな!」



 ふと、リアがぽつりと言う。

「……でも、テストが終われば夏休みですね」


 一瞬、全員が黙った。


「海!」

「祭り!」

「避暑地!」

「昼寝!」


「お前ら……急に元気になるな!」


 だが、その空気は嫌いじゃなかった。

テスト前のピリピリと、夏休みへの期待が混ざった、この感じ。


(……まあ、悪くないか)



「よし、じゃあ一時間集中して、その後少しだけ夏休みの話しよう」

「本当!? 約束だよ!」

「約束だ。ただし――」


 ユウトは全員を見回す。


「テスト、全員赤点回避な」


「……」

「……」

「……が、頑張る!」


 こうして、夏休み前最後の戦い――

テスト勉強会という名のドタバタ地獄は、まだしばらく続くのだった。

次回予告


ついに迎えた、夏休み前テスト当日――。


「……終わった」

「まだ始まってもないわよ?」

•寝不足でふらつくユウト

•勉強したはずなのに見覚えのない問題たち

•ヒロインたちの余裕そう(?)な表情と不安な本音


「ねえ霧島くん、この問題……どれ選ぶんだっけ?」

「今聞くな! 俺も思い出してる途中だ!」

•テスト中なのに心が落ち着かないドキドキ展開

•ちょっとした視線や仕草で集中力が削られるユウト

•夏休み突入をかけた、静かな戦いが始まる――


果たして、勉強会の成果は出るのか?

全員そろって夏休みを迎えられるのか!?


次回、夏休み前テスト当日編、開幕!


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