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遺世界の英雄たち (旧題:遺世界)  作者: kimagure
プロローグ:遺跡
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火山の遺跡

 「うぉー、でけー!さすが、世界最高峰の火山!」


 飛行機に乗って数日飛び続け、ようやくたどり着いた。

 かつて世界最大の活火山だったと言われているその火山は、死火山であるにも関わらず、未だその圧倒的な存在感を放っていた。


 「よし、降りるか!」


 操縦桿を操作して着陸態勢に入る。

 羽ばたき機の翼が止まり滑空していく。

 ふわっと浮いた感覚を感じながら着地する。


 「到着〜!!」


 俺は伸びをしながら叫ぶ。

 飛行機から降り、辺りを見渡すと、そこは一面に歯車の海が広がっていた。


 「さて、遺跡に到着したわけだが」


 ここには単に観光に来たわけではない。

 古代文明の遺跡の調査に来たのだ。

 俺は地図を取り出して確認する。


 「デカすぎだろ…」


 この辺り一帯、いやこの火山がまるごと遺跡なのだ。


 「まぁ、行くしかないよな」


 俺は調査を開始した。

 しばらく歩いていくが、その莫大な量の歯車に圧倒される。

 どこを見ても歯車。直径10メートル以上の巨大なものから

 数センチ程度のものまで様々だった。


 「材質は主に鉄か…」


 歯車は、全て真っ赤に錆びていた。


 「お?あれは?」


 歩いて行くと、奇妙なものが目に入った。

 大量の煙突だ。

 どれもこれも規格外の大きさで、中にはビル並みの高さのものまである。

 そしてそれらは全て空に向かって伸びている。


 「ボイラーか」


 おそらく地熱エネルギーを使った蒸気機関だろうか。


 「降りてみるか」


 俺はロープを近くの煙突に固定し、歯車の間を縫うように降りていった。



 「すげぇ……こんな技術があったのか……」


 降り立った場所は、蒸気が立ち込めていて視界が悪い。

 だが、そんなことは気にならないほどに感動した。

 目の前に広がる光景は、まさに超技術の固まりだった。


 「なんだこのボイラーのサイズは…それに周囲の歯車もより緻密になっている…」


 全長は15メートル程。火山の絶大なエネルギーを受け止めるためのボイラーは、とてつもない大きさだった。

 そして周囲の歯車も、まるで機械時計のように緻密で精巧なものになっていた。


 「材質は…これは…オリハルコンか…」


 オリハルコン、その青い金属は、神の金属と呼ばれ、様々な特性を持つ。

 加工や精錬が難しいため、その使用には高い技術が必要だ。


 「帝国に匹敵…いや上回る程の技術…凄いなこれは…」


 感嘆の声しか出ない。これほどの技術を持った文明が存在していたなんて……。

 俺はしばらくの間、その場に立ち尽くしていた。


 「もっと奥に行ってみよう」


 さらに進むと、そこには大きな扉があり、そこには古代語で、


 『関係者以外立ち入り禁止』


 という看板がかけられている。


 「この先に何かあるのか?」


 好奇心を抑えきれずに、扉を開けると、そこにはまた階段が続いていた。

 階段を上っていくと、徐々に周りの温度が高くなっていくことに気づく。


 「溶岩貯まりに近づいているのか」


 マグマの川を見ながら更に進んでいくと、突然広い場所に出た。


 「ここは……?」


 そこは、巨大な空間になっており、中心に大きな柱が立っているだけだった。


 「オリハルコンで出来ているが…所々青銅も混じっているな…」


 オリハルコンを使えるのに、わざわざ青銅が使われているのが不自然だったが、あることに気がつく。


 「この柱…っ!?なんだこれ!?」


 柱だと思っていたそれは、恐ろしく緻密な歯車の塊だった。


 「一体なんのために…」


 柱は、マグマに突き刺さり、さらに奥深くの地中まで伸びているようだ。


 「まさか…火山をいや、星そのものを制御しようと…」


 そう考えた瞬間、全身の血が沸き立つような感覚を覚えた。


 「そんなことが本当に出来るなら……!」


 興奮しながら柱に手を伸ばす。

 すると柱は輝き始め、それと同時に俺の意識も遠のいて行った。


 「うぅん……」


 目が覚めると、辺りは冷え切っていた。

 そこでふと気がつく。


 「ここ…死火山のはずだよな…だとしたらさっきのは…」


 夢でも見ていたのだろうか。

 しかし、あの柱を見た時感じた、血が沸騰するような感覚を思い出すと、どうにも否定できなかった。


 「オリハルコンは…え…」


 先程見た、オリハルコンの歯車達は、全て青銅になっていた。いや、最初から青銅だったのだろう。


 「きっと夢でも見てたんだな」


 風化によりボロボロになっている遺跡を見て、

 俺は自分に言い聞かせるように呟き、地上へと戻っていった。

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