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遺世界の英雄たち (旧題:遺世界)  作者: kimagure
プロローグ:遺跡
4/34

草原の遺跡

 街から飛行船で飛び続けて数時間

 ようやくその遺跡にたどり着いた。


 「おお!見えてきました!」


 広大な草原のど真ん中にある街。

 全体的に蜘蛛のような見た目をしており、

 巨大な八本の脚が街を支えている。


 「これが古代文明の移動都市!凄い大きさです!」


 少女は感動しながら上空から遺跡を眺める。


 「そろそろ下りる準備をしなきゃ!」


 少女は飛行船を操作して、着陸を始めた。


――


 ガコン…


 鈍い音とともに船体が揺れ、地面に着陸する。


 「とうちゃーく!」


 少女は嬉しそうに飛び降りた。


 「うわっと…街が斜めになっている…」


 長年の劣化によって脚が歪み始めているのか、

 支えを失いつつある街は、僅かに傾斜していた。


 「おぉ~……この感じも趣があっていいかも」


 少女はその感覚を楽しむように歩き始めた。


――


 「蒸気パイプだらけ…本当に昔は街ごと動いていたんだ…」


 街そのものが一つの巨大な蒸気機関になっているようで、至る所に蒸気管や歯車などが張り巡らされていた。


 「さてと、とりあえず誰かいないかな?」


 少女は人を探しながら街の中へと入っていった。

 この街には、かなりの数の機械人形がいるようだ。

 しかし、どれもこれも稼働しておらず、まるで廃墟のように静まり帰っていた。


 「街の中心部にも行ってみよう!」


 少女は更に奥へと進むことにした。


 「ここが中央制御室みたいだね」


 中心部までやってきた少女の前には大きな扉があった。


 「さぁて、何か面白いものは無いかな~?」


 少女は期待に胸を膨らませつつ、扉を開ける。

 そこには、大量のパイプや歯車がひしめき合っていた。


 「これは…かなり高出力な蒸気機関だよね?…これが街を動かしていたエンジン…」


 そこで、あることに気がつく。


 「これ…青銅?」


 機関の中心部には、僅かに青銅が用いられているようだった。


 「どうしてこんな旧式を使ってたんだろう?もっと効率の良い金属を使えばよかったのに……」


 ジリリリリ!


 その時、時計からベルが鳴った。


 「あっ!昼ごはんの時間!そろそろお腹空いてきたし、食べよっと」


 少女はバックパックの中から弁当箱を取り出した。


――


 食事を終えると、部屋から出て、再び街の探索を進める。


 「これは…なんだろ?」


 少女の目の前には、謎の乗り物のようなものがあった。


 「全長は5メートル程度…イスみたいなの付いてるし、乗り物かな?」


 殆ど老朽化していたが、

 金属で出来た本体に、青銅製の翼が3対ついていた。


 「これは何に使うものだったんだろう?……動くかな?」


 本体のカバーを取り外して、中の機構を見る。

 奇跡的に、内部はまだ原型が残っており、修理すれば最低限の動きはしそうだ。


 「ちょっと修理してみようかな」


 少女は動力源である蒸気機関をチェックした。


 「やっぱり完全に壊れてる……でもまだ使えそうな部品もあるからなんとかなるはず!」


 幸いなことに、少女は機械工学の知識があり、ある程度なら修理できる技術を持っていた。


――


 数時間後……


 「直った!!!」


 ブォォォォン!!!という音とともに翼が勢いよく動き始め、車体が浮く。


 「これ!飛行機だったんだ!」


 それは、かつて空を飛ぶことを夢見た者達がいた証であった。


 「凄い!こんな速さで飛べるなんて!」


 飛行船では得られないその圧倒的な速さに、少女は大喜びしている。


 「あっちに行ってみよう!」


 少女はより遠くへ行こうと操縦桿を動かす。

 が……


 バキンッ!!


 突然、操縦席に嫌な音が響く。


 「えっ!?」


 次の瞬間、機体は真っ逆さまに落ちていった。


 「きゃああ!!!」


 ドゴオオオオン! 大きな衝撃と共に機体が大破する。


 「痛たた……」


 幸い高度はそこまで上げていなかったおかげで、

 大きな傷は負わなかった。


――


 ふと、少女は腕時計を見る。


 「あっ!そろそろ帰らなきゃ!」


 少女は急いで飛行船に乗り込み、離陸させる。


 「危なかったぁ……おじいちゃんに怒られちゃうよ…」


 少女は冷や汗を流しながら帰路についた。

 後ろを振り返って遺跡を見ると、

 街に付いている脚が、ほんの僅かに動いたような気がした。

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