夜、山頂
1.
夜、誰もいないクインム山の山頂に一人の男が立っていた。
「……ふう、」
ふうっと、息を吐くと男は手にしていた酒瓶をくいっと傾けた。
――とっとっとっ、
軽快な音と共に酒が地面にぶち撒けられる。
「……まったく、任務遂行前に死んでしまうなんて、」
男はそう言うと、軽く笑った。「……まあ、今回は流石に相手が悪かった、ということですかね。……まさか、卯下の猟犬が来るとは、ねぇ……。私も予想できていませんでしたよ、アンロットさん、」
男は酒瓶を地面に置くと、ゆっくりとした動作で手を合わせ、静かに祈った。
「……まあ、それ以上に収穫もありましたからね。……今回は良しとしましょうか、」
男はそう言うと、軽く笑った。
とりあえず、これにて本作は終わりとなります。ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
さて、個人的な感想ですが、着地点(結末)は想定していた通りでした。しかし、全体的に書き直しが多く、矛盾や破綻も多かったように思います。
やはり、練り上げたプロットをかなぐり捨てて思いつくままに書いたのがいけなかったと思います。
次回は今回の反省を活かしてプロットを練った長編小説にしてみるつもりです。元々、本作は長編小説のシリーズ物として構想していたので、ストーリーや設定はそれを引き継いで行く予定です。とりあえず三部になる予定で着地点も決まっています。
それでは、ここまで読んでいただき、ありがとうございました。