〜1章〜【フィンネル王】
王様がいるフィンネル城へと着いた。
大きい正門、まるで映画の中にいるみたいだ。
シラードが門番と話をつけたようで、
「それでは参りましょう!ちなみに王様は気難しい方なので、失礼な内容に注意してください」
門を抜けるとそこには長い廊下、たくさんの部屋が立ち並び、いかにも王の城という感じがした。そして心地よい風が流れており、かすかに花のようないい香りが漂っている。いよいよ王の間に入る。
「待っておった!神の使徒よ!そしてその従者よ!よくぞフィンネルへ来ていただいた!話は副団長のアランから聞いておるぞ!魔物の討伐に力を貸してくれるそうだな」
入ると早々に王様が話しかけてきた。その姿は一言で言うとライオンのようだ。顔の周りに立派な髭が生えており、背はアランと同じくらい大きい、体格はがっちりしていて人間というより、サイクロプスみたいな筋肉の塊だ。正直、素手では勝てる気がしない。
「はい、お会いできて光栄です。私どもはノア神のもとにつかわされた使徒です。この度は縁あってご助力するために参りました」
ミルキーがそれらしい事を言ってくれた。非常に助かる。すると、王様がライオンの様な髭を触りながら、
「ほう!ノア神と言ったか!これは罪を犯した神の使徒であったのか、この際は特に気にはしないが」
王様はノアの事情を何か知っているのか??
「王様はノア神の事をご存知なのですね?私は過去の記憶を無くしており、ノア神に助けられた身、何があったのかお聞きしても良いでしょうか?」
「よかろう、それでは取引だ!情報が欲しくば、南の森の魔女の討伐、そして数日前にフィンネル騎士団の精鋭を引き連れ、団長のカルロス達の消息を確認してきてもらいたい。騎士団は森へ出陣していったのだが、音信不通にて状況がわからないのだ」
なるほどそうきたか。ノアの名前をだしたら明らかに態度が変わった所をみると良くない噂が流れている。そのためにノアは信者を減らし、力が弱くなっていたのだろう。団長とやらは大丈夫そうだが、騎士団の方が心配だな。洗脳されてないと良いが、、、。
「わかりました。では討伐と消息の確認ができたら情報を頂きます。それでは早速、南の森へ向かいます!」
善は急げだ、魔物ならまだしも団員が相手になるとややこしくなる。俺とミルキーは急いで向かうことにした。
すると王様が大声で、
「待て!お前達だけではすぐにやられてしまうかもしれない、お供としてそこにいる団員と、レギオンの冒険者を連れて行きなさい。アラン、資金は私がだすから冒険者と旅の支度をよろしく頼んだ」
「かしこまりました。ではレギオンに戻り支度を整えてまいります。シラード!南の森に行く準備を!」
俺たちはレギオンは戻り、南の森へ向かうのであった。