〜序章〜【冒険の始まり】
女神の像を包むように黒い箱が現れ収納された。神殿の中は静かになり風の音がよく聞こえる。木陰で寝ていたミルキーも目を覚ました。ステータスを確認すると、
【叡智】と【探求】のスキルが増えていた。
なぜか寂しい気持ちになる。
「ニャーオ?」
ミルキーがすり寄って慰めてくれているようだ。俺は女神の力を糧にして、この異世界で生きていくと改めて心に誓った。
と思っていたのも束の間、何か聞こえる。
「よかったです。いや〜本当によかった!何とか石像から脱出できた〜。コウガミさん助かりましたよー!あの拘束スキル半端ないわよね。私でも抵抗できなかったもん。仕返ししてやりたいわ!まったく!」
ん、なんだ?女神か?いや口調は違うな。
何か別なやつだ、そう思いたい。
「びっくりだよね〜!ブラックボックスって収納した物のスキル獲得できるみたいだし、無限に収納できちゃうのかな?私も収納されたけど、まぁ女神だし死にはしないからね!すごく気になるなー!」
まさか、拘束から逃げたくて利用されたのかな俺は。まぁこの世界の事を色々教えてくれたしwin-winって事でいいか。こうして話しかけてきてるって事は女神をこれからも助けてくれそうだしむしろありがたい話だ。にしても、ブラックボックスのスキルってどこまでできるんだろう。もしかして本当に無限にスキルが得られるんじゃないのか?そしたら最強のスキルだ!
「そっちが本性でしたか。で、女神さんは何でまた拘束されてたんですか?何か悪い事でもしたんですか?」
「よくぞ聞いてくれた!救世主コウガミよ!お前には私の秘密を教えてやろうではないか。私は常に知識に飢えているのだよー。何せ知識と探求の神だからな!そこでだ!神にも様々な種類がいるんだが、私は踏み入ってはならない領域を知ってしまってな。何やかんやあって、あそこの石像に拘束されてしまったのだよ」
神の世界にも何やら事情があるみたいだな。それに拘束されるってのは神にも序列や力の差はあるって事か。まさしく異世界っぽい感じで良いね。そんな事を考えていると目の前に女神が現れた!
「ふふふ、こうして姿を見せた方が話しやすいだろう?実体こそはないが霊体として復活するくらいのパワーは残っていたぞ。それと私の名前は気軽に「ノア」と呼べ、今はコウガミを依代にしているからな。そのくらいは許可しよう」
女神の姿はまさしく神話に出てきそうな感じだ。銀色の長髪で華奢な身体をしており、息をのむほどの美人だ。
が、性格は知っての通りである。この姿で静かにしていれば信仰したくなる感じなんだけどな。
「わかったよノア。これからよろしく!この世界に関しては無知だから力を貸してくれ!」
「もちろん、お前の願いを聞くかわりに私への信仰心を増やし完全体で復活させ、拘束したやつらに仕返しするまで依代としてこき使わせてもらうぞ?」
「そんな野望があるのか。まっ、この世界に来て何をするのか決まってなかったし、その野望助けてやってもいいよ」
「ニャニャー!」
こうして俺は猫のミルキーと、捕らわれの女神ノアとのパーティで異世界での冒険を始めるのであった。