第79話 2つの飛空艇
◇◇◇グリちゃん号◇◇◇
「船員確認。船員確認」
ルクスが、メンバーを集める。メンバーは、
リーダー:ルクス
副リーダー:クリム
舵:楓
船員:ガイア、レーナ、レクト、藍、セレス、ガロン、ラウス
の計10名。
主にアフリカを活動拠点にして、クエストを攻略をしている。
「……あ、あの。……ルクス先輩。レクトは、どうすればいいですか?」
新人の彼は、自分ことを『レクト』と、自分の名前で呼んでいる。
とても可愛いらしく、俺を見習おうとするレクトの頑張りは、真逆なのではないかと思うくらい、とても強い。
「う〜ん。それじゃあ、もう少しで次の目的地に到着するから、ルグアに連絡してもらえるかな?」
「はい!! わかりました。ルクス先輩!!」
背を向けるレクトは、足早に連絡室へと姿を消した。
◇◇◇サマースイーツ号◇◇◇
「皆様、わたくしの近くへ集まってください」
こちらでは、ゼアンがメンバーを指揮していた。メンバーは、
リーダー:ゼアン
副リーダー:努
舵:彰
船員:マロン、ノンノ、ヴェイン、フェンリル、ノアン、ガデル、ルナ
の計10名。
マロンは、本人曰く耳が聞こえないようで、脳自体も音声認識を拒絶しているため、魔法でのやり取りが基本。
{ゼアンさん、何をすればいいですか?}
ルグアよりは効果範囲が狭いが、無言通信魔法で質問してくる。
「ふむ……。なら、彰様へ、進路変更を伝えていただけますでしょうか? 南西から南南東に」
{了解しました}
マロンは、小柄な身体を軽やかにふわりと揺らし、スキップしながら、操縦席へ向かった。
ゼアン達は、南米を中心に活動している。ルナのおかげもあり、クエストも順調で、貢献度も高く有名になっていた。
その頃、ルグアはというと…………。
◇◇◇日本 東京◇◇◇
「一体いくつ作りゃあいいんだよ!! こうなったら、何とかイーツ? ってのをやった方が……、あ!!」
――B級魔法 オブジェクトトレースα改
コピーからリアライズまで、一括で行える、とっておきの魔法。
最初から、この魔法を使えばよかった。それと同時に、
――Z級魔法 オブジェクトテレポート
ぬいぐるみを全て転送する。喜ぶ顔は見れないが、休憩時間を作るには、手っ取り早いやり方だ。
そして、転送が終わり部屋を簡単に片付けると、かまどの中で眠りについた。




