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第71話 受注クエスト:大量昆虫駆除③


 ――ブギュ!?



(虫が倒れた時の効果音(SE)にしては、なんか違うよな)


「アンゲーマー、突然手を止めて、どうしたんですか?」


 さっきから、ルナに質問されてばかりだ。理由は、気になる点が、たくさんあるからなのだが……。


 まあ、気にしすぎもあまり良くない。ルナはとても筋がよく、基本の振り方も力強くなった。


 ただ、実践編に入った途端、群がる敵に対して、1体ずつ倒す癖が表に出てしまい、振り払うだけで刃は空を斬るだけ。


 毎回私が助け出しては、レクチャーを見せる。下界にいる住民のこともあるため、ざっと900垓以上の虫を、一閃で1000兆分の300万消す。


 私1人なら、あっという間に片付く数だが、今は現在進行形で指導中。


 教え子に、手を抜くわけにはいかない。


「ルナ。剣の特長は、大勢の敵に対して対応しやすいこと、攻撃範囲=腕の長さ+剣の長さでダメージ判定がある。今回の場合、敵が密集していることから、横スライドで広範囲に斬れば、複数体同時に倒せる」


 ここまで説明すると、溜めを行わずに、群れへ向かって刃を真横に動かす。



 ――ブギュッ!!



 少し違和感がある声と一緒に、深緑色のポリゴンが、粉雪のように降り注ぎ、はかなく消える。


「なるほど、ぼくは今まで、狭く見過ぎてたみたいです。それに、横の動きがイマイチ納得できないので、コツを教えて下さい。アンゲーマー先生!!」


(妙に変化したな……、っていうか呼び方長くなってねぇか? ”先生”は必要ないだろ!! ……ん? いや待てよ?

 私が教えてやってんだから、間違ってはいない。まあ、いいか…………)


「わかった。んじゃ、始めるぞ!! まずは…………。この剣に向かって、一度横斬りをしてくれ」


 私は、〈クリムゾン・ブレード〉を縦に真っ直ぐ構え、護りの体勢をとる。


 ルナも意味をわかったようで、剣の中央目掛けて振り抜く。確かに、剣の動きは強くなっていて、後ろに押される感覚もある。


 しかし、最初は良かったが、途中で刃が斜めに傾き、斬るより叩いている感じだった。


「手首と、腕の動きが原因だな…………。横の場合、今は手首を固定した方がやりやすい。さっきのでわかったのは、手首のスナップを入れようとした時、横ではなく縦に持ち上がっていた。スナップは、どちらかというと、応用に近いしさ。加えて、腕が縮んでいる。なあ、ちょっといいか?」


「…………はい」


 私は、ルナの右手首を掴み、



 ――マークバインド



 拘束魔法をかける。部分的な拘束なので、一時的に固定したのと同じ。


「…………これって。あれ? 手首が動かない」


「動かないんじゃない。そういう風にしたんだ。この状態で、ある程度水平に振れるようになってから、スナップを使うといい。スナップを使う場合は…………」


 私は、身体が回転しないように腰を固定し、スナップを効かせて振り抜く。


「こんな感じになる。君の手首を固定した理由としては、腕を真っ直ぐに動かすことを、できるようにするためだ」


「わかりました。やってみます」


 そして、ルナは素振りを始める。手首を固定しているため、剣は上を向いたままだが、解除すると、重さで自然に横を向く。


 私は、虫を少しずつ一掃しながら、彼の成長を見届けた。



(第72話に続く)


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