第61話 受注クエスト:上位強化素材収集①
{連絡、連絡。みんな聴こえてるか?}
私の得意技になりつつある、無言通信魔法は、日に日に進化を遂げていた。
{ガイアです。メンバーの藍、セレス、彰、4人全員目的地の三重県に到着しました}
真っ先に返信がきたのは、革収集チーム。
{はい、こちら鉄鉱石他収集担当、高知県のルクスです}
続いて、兄のチーム。兄の他にゼアン、ガロン、レーナ、ノアンも一緒だ。
{こちら努。しっかり聴こえています。メンバー全員無事に鹿児島県に到着しました}
ゲームの世界では、鹿児島でも鉱石を入手できるため、派遣した。メンバーというのは、ノンノ、クリム、ルナの3人。
{ルグアさんが来る前も、このように遠距離通信をしてましたが、鹿児島と東京で繋ぐのは初めてです。それに、ノイズも全くない。 by.努}
{そりゃどうも。私は満足できてないけどな}
離れた場所で、このような会話をしている理由は、ただ単に採集がめんどくさくなったから……。
ではなく、ルグアは武器錬成に集中するため、東京に残っている。
{素材が集まったら、こっちに転送してくれ!!}
{{了解しました!!}}
ーーーー数分後ーーーー
「フェンリル。だんだん、素材が集まってきたな。そろそろ作業に入るか…………」
「そうですね。武器ランクは、20でしたっけ?」
「ああ」
目の前には積み上げられた大量の原石と、革。ルグアは、原石を加工可能な鉱石に変える作業に入る。
と言っても、無言詠唱で一瞬なのだが。鉱石組は順調のようで、絶え間なく送られてくる。
革も、魔法を使えばあっという間に増やせるが、ルグアの場合作りすぎてしまう。
「私の魔法は時に便利だし、時に理不尽なくらい不便なんだよな」
「いいじゃないですか、自分も使ますが、能力値が低いので……、是非使ってください」
「良いのか? んじゃ早速」
ルグアは、革の山から一枚選び出し、裏で個人的に作った巨大シェルターに移動すると、部屋の中心に置く。
倍加魔法の効果を、かなり控えめに設定して脳内で詠唱を開始。
直後、一枚の革はコピーされるように増えていく。
控えめのため、効果時間も短い、薬草の時は説明してなかったが、ただ倍加させただけでは、数分後に元の枚数に戻ってしまう。
それも、効果範囲が狭ければ狭いほど、持続時間も短い。実体化させるには、別の魔法が必須となる。
今回は、全体100%のところ、ルグアの能力値の関係もあり、2%の力で使用しているため、効果時間は、たった20秒しかない。
普通に考えれば、十分なくらいの時間だが、実体化魔法は詠唱に時間がかかることで、有名らしい。
そのため、ルグアは特殊な式を薬草収集の時に、1秒ほどで生成、成立まで行い同時詠唱で反映させている。
後に彼女は、このゲームの魔法に詳しい人物に出会うのだが、それは遥か先の話。
ルグアは、現物複製した革を抱え、シェルターの外に出た。




