第49話 我が物にした少女
「こういうことだったのか」
〖正気に戻れたと、受け取れば良いのかね?〗
「ああ、もう苦手なことから逃げないようにした。だから問題ない」
何ら変わりない2人の会話。意識を取り戻した私は、自分を許してくれた剣を構える。
仲間はすでに退避して、フィールドにはいないため、求められるのは、本気で戦う、それだけだった。
「クリム、分担しないか? 無理なら別にいいけど…………」
私は、数分前まで暴走していたにも関わらず、バトルでの疲労を知らない。
剣と一つになっている龍は、
〖では、試練として挑むのはどうじゃ? 我はここらで羽休めとさせてもらうかの。重くはなるが、そなたなら、大丈夫だろう〗
【アンゲームブラスター/無敵のプレイヤー】。その名を自分で汚した分、返上するなら今しかない。
一部のプレイヤーだけが使える行為〈レベルリセット〉
全ての数値を、レベル1まで戻せるが、その代償として集めた経験値も、0になってしまう。
ルグアは、これを迷うこともなく発動、初期化を開始。
プレイヤー名:巣籠 明理
Lv.1
性別:WOMAN 種族:妖精族
ジョブ:エルフソードマン
国民番号:005791871
HP:1,977.895
ATK:1,007,470
DEF:997,690
MAT:1,025,631
MDE:783,185
ステータスは再び、振り出しに戻る。これでいい。私は永遠にレベル1でいい。
私しかできない、プレイスタイルの一つ。レベリング無しで強者とやり合えること。
素早さ、反射速度、回避率、秒間攻撃回数、判断力、実行・反映速度。
全ての条件が正常の場合、一撃が緩やかに、不安定の場合は、力強く視認不可能になる。
今は暴走のせいか、時々意識が朦朧としているので、威力は測定できない値のはずだ。
「わかった。その試練ってやつ、乗ってやる。報酬はあるんだろ? 強化段階追加とかさ。クリムゾンブレードの」
冗談混じりではあるが、一応本心からの希望でもあった。クリムは、その答えを待っていたかのように、承諾。
〖ならば、900000段階まで追加してやろう。保証はないがな〗
ここからが、本当の真っ向勝負。私は大地を踏みしめ蹴り飛ばす。
彼女の加速は、秒速を超え、音速を超え、光速も超えて、波紋すら残さず、姿を消した。




