第40話 戦争の幕開け Lv.垓のプレイヤー
北朝鮮のとある場所。そこに、ルグア達を含む、総勢2億人の日本人プレイヤーが集結した。
プレイヤーだけがというわけではなく、日本人NPCを入れての2億人。
このゲームには、戦えるNPCと鍛冶や商売に向いている非戦闘NPCがいる。
そして、フェンリルは両用NPCとのこと。今回は危険なので、補欠として日本で待機。
精錬してもらった剣は、手には馴染むが重さで負ける。
全く振れないということではなく、逆に剣に振り回されているような…………。
広大な戦場に密集するプレイヤー。1時間後、敵陣が出揃った。黒人、白人、黄色。
相手は、外国人だけで、味方は2億、敵は空中からざっと見て5000億。視界に収まらない人数だ。
1人の黒人プレイヤーにスポットを当てる。レベルは、0が23個。つまり、1000垓。
対して、日本人プレイヤーの平均レベルは、2000万。中でもルグアのレベルは、未だ3。
いくら、初期ステータスが強くても、垓の相手の威力は、尋常ではないだろう。
EXP必要量も、国民番号分集めなければいけないため、レベリングに時間がかかる。
「んじゃ、代表として、私から一言させてもらうぜ?」
○○倶楽部みたいに、どうぞと勧める仲間。気を取り直し、私は前に出た。
「では、これより。WWM世界定期大戦の開幕をここに宣言する。勝ち負け文句なしのバトルを願う」
運動会で選手宣誓をしているような言葉。でも、生徒じゃなくて校長、教頭側のセリフに近い。
気づけば、地上が大荒れで日本人プレイヤーの死亡エフェクトである、藤色のポリゴン。
ポリゴン別に、日本が藤色、米が赤、中・韓が茶色、巴西が緑、加がオレンジ、豪が青。
露、英、仏、西、独 墺等は、紫。
その他は、ピンク色の死亡エフェクトになっている。地球規模のゲームで嬉しい機能だ。
その間に、日本人プレイヤーの人数が急激に減少。私も加勢するがもう遅い。
敵を倒すと、すぐに次の敵が別方向から攻撃。
私の噂は海を渡っていたので、私ばかりダメージを与える。
【アンゲームブラスター】という異名。周りの人は、【無敵のプレイヤー】として考えるようだ。
ジリジリと後ろに下がる少女の足。振っても振っても減らない敵。
重い剣を離さぬよう、自分の近くに引き寄せる。そして、感じた違和感。
なぜなら……………………。
(第41話に続く)




