第33話 地上拠点の復興作業①
完成したての自宅。何も無い空っぽの部屋。アパートと比べるても広々としていて安心感がある。
まずは、タンスかな? そう思ったが、肝心なルームアイテムを持っていなかった。
「ルグアさん。起きてますか?」
努から呼び出しの声。私は玄関の扉を開けて、中に入ってもらう。
「何かあったのか?」
理由を聞くための質問。彼はどんよりした空気を醸し出して、
「あのですね。1ヶ月前の種族大戦で、地上拠点に被害が出てしまい」
ここへ来た旨を話す。
「復興作業中なんですけど、物資を運ぶための人手が足りず、あまり進んでません」
復興作業か。当時を思い出すと、確かに家はボロボロ。とても住めそうになかった、
運搬はやはり空輸だろうか? 物資と言えば、この辺りはレンガ造りなのでレンガブロック。
(コンクリートの方がよくね?)
考えを巡り巡って、レンガとコンクリートを組み合わせることにした。
だが、この世界にはコンクリートは無い。
「となると、まずはセメントだな」
私は、必要な材料を集めるため、吹き抜けの天窓から外に出ると新潟方面へ。
場所はすでに確認済み。群馬の中心、高崎・前橋周辺が、全てセメントでできている。
この時のために魔法で作った、6億L入る、特製全自動回転式巨大バケツ、1杯分汲み上げて村へ運ぶ。
バケツが大きすぎるので、山間の平地に置く。全自動なので様子を見なくても大丈夫だ。
まだ同じものが9個あって、それも全部汲んで2時間ほどでセメントが準備完了。今度は、レンガだ。
北海道に行く際、栃木と茨城の間、宮城から青森エリアは廃墟が多かった。
ヒビがない綺麗なものを集めれば、なんとかなる。私は、廃墟へ赴き、魔法錬成する。
出来上がったのは、これまた大きなケース。失敗なのか成功なのか、自分でも分からない。
必要個数9000兆。1ケース3000億個、行ったり来たりを5000万回。選別を同じく5000万回。
足りない分を集めるために、プラス往復5000万回。
ゲーム内でしか発揮不可能の怪力のおかげもあり、3日間徹夜して、材料を揃えた。




