第23話 時間停止中の攻略
日差しが強いサバンナ地帯の上空を、私は努を抱えて移動中。
画面右上のデジタル時計は、お昼の12時で止まっている。エンドレスバトルの特徴の1つだ。
現実世界の時間が止まり、ゲーム世界の時間だけが進むということ。
ちなみに、『デスゲーム』は並行時間。『鳥籠』は倍速時間となっていて、違和感は少ない。
時の流れは変わらず、ただ、現実と差が生まれるだけ。慣れれば、普通の生活に戻れる。
「ルグアさんは、何歳ですか?」
努からの質問。私は、
「16。逆におまえは、いくつだ?」
と聞き返す。
「18歳です。ルグアさんの方が、僕より年下ですね」
そうこうしてる間に、見えてきたのは、全体的に神々しい、黄金城ダンジョン。
広大な敷地に建物が3つ重なり、跳ね返す眩い日の光に目を細める
周辺には、ガーディアン。
それを掻い潜り、城内に潜入すると、本日2度目のダンジョン攻略開始。
(厄介なやつが、ごった返していそうだな)
思考で感じとる自身の不安感に、目を背けながら剣舞を披露すると、努が後ろで援護を行う。
剣と魔法の世界は悪くない。戦いに終わりはなくなった。
これから始まる。ログアウトするための攻略は、山あり谷あり谷底ありの深淵。
私のプレイにリスタートは必要ない。その分努力すればいい。ガーディアンは増えていく。
今は、敵を倒し続ける。努はオーブのお零れをもらいながら、身を護る。
なかなか減らない相手を縦横無尽に切りつけ、道を切り開いていった。




