第20話 昔流行った転生ゲームの実態
〈WWM〜世界魔法大戦〜〉
インストールは、誰でもできるが新規登録するには、国民番号を所有している必要がある。
私は、1ヶ月前に所得したばかりで国民番号は、〈005791871〉。
このゲームの特徴の1つとして、ステータスの数値を足すと、国民番号になる。
私は、ランダムではなく自分で、初期ステータスを割り振った。
プレイヤー名:巣籠 明理
Lv.1
性別:WOMAN 種族:妖精族
ジョブ:エルフソードマン
国民番号:005791871
HP:1,977,895
ATK:1,007,470
DEF:997,690
MAT:1,025,631
MDE:783,185
あとで気づいたが、相変わらずの異常なステータス配分だ。レベル1でこれは、ありえない。
それは、一旦端に置いておき、現在進行形で空を移動している。
眼下の世界は、緑から赤へ、赤からオレンジへ。そして、舗装された城に着く。
『おーい、そこの君ー!!』
真下で叫ぶのは、1人の少年。上手く進路を切り替え、地上に降りる。
「君は確か、最近話題になってるルグアさんですよね? はじめまして、須田努です。サイン下さい」
この世界まで、私の人気が出ているとは思ってなかった。私は、
「すまん、ルグアは私で合ってるが、サインはないんだ。代わりに……」
と言いかけ、努が、
「一緒に戦ってくれるんですか? ありがとうございます!! 是非是非」
早とちりで、話を進める。
「しょうがねぇなぁー、わかったよ。言っとくがレベル1の私は、強いぜ? マジで」
ささっと、パーティを結成して、ステータスを見せると、予想と同じ引き気味の表情。
「ルグアさん、本当に噂と一緒だ…………」
「噂ってなんだよ!?」
前にノアンも言っていたが、その”噂”が、何なのかわからない。
後々自分も気づくだろう。
私と努は城ダンジョンに、歩を進めた。




