プロローグ2
「うぅぅ……ここは?」
ゆっくりと体を起こし見回すと、ゲーム内の一室にいた。
目の前で見守るのは、ノアンとその仲間だろう。
「ルグアさん、大丈夫ですか? どうやら、無理し過ぎていたようですね」
ノアンは、そう言って仮想の料理を差し出した。黙って口に入れると、口に広がるのはチョコレート。
「あ、あの、初め……まして、【トリスタン】のガロンです……。新しいモードレさんがこんな状態で来るのは、驚きました」
私よりも背が低い少女が、恥ずかしそうに挨拶をする。続くように、
「お久しぶりで合ってるかしら? 【パーシヴァル】のレーナよ。レースの時はお疲れ様、見事な走りだったわ」
と、女性が話す。自己紹介はまだ続き、
「【ベディヴィア】のゼアン。ベディと呼んでください」10代男性
「【ガラハッド】のラウス。ノアンの弟です。よろしく、モードレさん」10歳未満男子
「二つ名【アグラヴェイン】のワルツ。呼ぶ時はアグラかヴェインで、プレイヤー名はNG」10代前半女子
「【ガレス】です。嬉しいことにプレイヤー名もガレスです」10歳未満女子
「ボクは【ボールス】プレイヤー名は内緒だよ」10代後半男子
「【パロミデス】。これ以上は言わない。最後に一言、よろしく」年齢性別不明
「アタイはノンノ、二つ名は【ユーウェイン】だよ。13歳です」女子
自己紹介は今のところ、ここで終わりらしい。
覚える名前が多すぎて混乱していると、今度は、
「あなたが【モードレッド】のルグアさんですね。ガウェインから話は聞きました」
そのセリフにまとわりつく、円卓の騎士――いや剣士が道を作る。先に立つのは2人の姿。
「私は、【アーサーラウンダー】団長、【アーサー】のセレスです。隣にいるのは、副団長【ランスロット】のメアン」
「アーサーラウンダーにようこそ、そしてよろしくお願いします」
2人は自己紹介をしながら歩いてくる。1人は女性、もう一人は男性。手には指輪がはめてあった。
「名乗ってないのはあなただけですよ」
団長は、手を差し出し声をかける。それではとひとつ咳込むと、
「私はルグア。普段はゲーム警察として、強制サービスゲームの取締と報告、誘導をやっている。【モードレッド】として、よろしく頼む」
これで全員の挨拶が終わった。これから始まるのは、円卓の剣士の破滅の物語。




