第2-6話 農場の拠点作り
「ある程度釣ったし、図鑑も埋まってきたから、みんなのとこに戻るか…………」
オレは、ストレージの中身をギリギリまで貯めて、釣り堀を後にする。ついでに、木材も600万本必要だったので、明理と何度も入れ替わりながら、素材集め。
短時間で終わったので、急いで畑に向かった。
「りんりん遅いよ〜。ほら、家早く建てよ♡♡♡ ちゃんと素材あるよねぇ〜? ねぇ〜?」
「あるに決まってるだろ!! 無かったら戻らねぇよ!!」
俺と藍のショートコントは、受けがいい。他の人たちは、些細なものでも、腹を抱えて大笑いだ。
「さあ、始めましょうか」
「おう!!」
セレス/輝夜の号令で建築作業が開始される。ちなみに、設計図は農業高校と実は、土木専門学校にも通っていたというガイア/奏が、一から作成した図案を使う。
「おーい、ガイア!! ちょっと彫り方と場所教えてくれないか?」
「わかりました。私が毎回伝えることは難しいと思うので、明理さんにも共有してください」
「もちろんだ。なぁ? 明理!!」
{はい!! しっかり記憶しておきます!!}
ガイアの指導を受けながら、作業は少しずつ進んでいく。オレは、こういう細かい作業も好きで、色あせてはいるものの、親の手伝いで裁縫をしていた。
言葉を交わすことは出来なかったが、衣服を直す度に笑顔で応えてくれた思い出は、一番の幸せ。
明理がウェンドラに、『いつか……。私とルグアを、ルグアの故郷に連れてってください!!』と言ってくれたのは、とても嬉しかった。
オレも、完全に忘れかけていた場所に戻り、どういう人がいたのかを、改めて知りたくなったのだから。
明理には、感謝しかしていない。ここまでくると、信頼も通り越してしまう。まるで毎日、今宵の暗闇に光る希望のように…………。
オレも恩返しがしたい。故郷に行く前でも後でも、いつかちゃんとしたお礼をしたい。
けれども、思い出が空白だらけで、どんなお礼をするか決まらないというのが、オレが抱える一番の問題だった。
「モードレさん!! こっちは何時でもくっつけられるので、持ってきてもらってもいいですか?」
「了解!! 今行くから少しだけ待ってくれ!!」
急いで立方体に穴を彫り、ガロンのところへ移動。ガロンが彫った突起を、オレの木の穴に差し込む。
サイズもピッタリで、すっぽりはまり、あとから駆けつけたガイアが、外れないように工夫を凝らす。
作業時間約7時間。ゲーム内ならではのスピード感と、ガイアの効率的な指示のおかげで、拠点となる建物が完成した。
「みなさん、今日はもう遅いのでお開きにしましょう!!」
ガイアの発言にみんなが頷き、一斉にログアウトした。




