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第2-4話 リアルでの暮らし

◇◇◇明理の自宅◇◇◇



 〈VWDL〉からログアウトした私は、ルグアが休憩している間、ビデオゲームの調査依頼に対応していた。


 主流になっているのは、仮想五感〈フルダイブ〉がほとんどだが、レトロなビデオゲームも、引きを取らないくらい溢れていた。


 そのため、私のゲームプレイ時間はレベルが違う。長い時は、寝ずに5日以上やっているのだから。



「よし!! このゲームは…………。こんな感じかな? 対象年齢は12歳以上推奨っと。で、こっちは8歳でも問題なさそうだったから…………」



 スマホに報告内容を書き込み、送信。同様に他のゲームもプレイして、最速で2時間から3時間半。長くて1日で全クリ。


 審査会社も、会社の方でやるよりも、私がやった方が効率がいいようで、会社名と申請・受付等の部署だけが残っているらしい。



「審査会社なのに審査しないのは、審査会社じゃなくなってるじゃん!!」



 思わず口から飛び出したツッコミに、言った私が笑い転げてしまいそうになる。


 それは一旦置いといて、ゲームに戻る。ゲームのジャンルは、リズムゲーム、知育ゲーム、ホラー、ダンジョン、クイズなど、多種多様。


 苦手なジャンルでも、勘の力さえ借りれば、あっという間に攻略できる。で、必ずレーティング報告。


 レーティングは、簡単に話すと能力値に合っていて、悪影響の少ない年齢に向けた、取り扱い説明書みたいなもの。


 これらも、私が決めることになっていた。会社に聞いた話によると、過去にレーティング設定したところ、全体的に審査していなかったことで、いじめが激しくなったとのこと。


 その後、問題になったゲームは回収され、リメイク版として発売されている。



――コンコンッ!!



 部屋の扉を叩く音。私はゲームを一度停止させて、玄関を開ける。そこには、〈ファミリーファーム〉のディスクと追加のPCを持つ、陸や輝夜、沙耶華に奏、藍といった、兄と友人だった。



「明理さん!! 一緒に遊びませんか? 休息を兼ねて農場開拓です!!」


「ウチも手伝っちゃうよ〜♡♡♡ ほらほらぁ〜!!」



 相変わらずテンションが高い藍に、一同が硬直したが、そそくさと私の部屋に入って、ログインの準備を進める。


 ゲーム内では400年、リアルでは先週ぶりの農作業。楽しみで仕方がなかった。全員の準備が完了すると、



「「ゲームログイン!!」」



 一斉に掛け声を発して、ゲーム内に移動した。懐かしい農場は、整備が不十分のまま。雑草も好きに生えていて、ログインしていないだけでこうなるのかと、頭を悩まされる。



「ま、いいか……。早速、作業に取り掛かろうぜ!!」



 私は、ログインしたメンバーに開始の合図を送り、森林に向かった。

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