番外第3話 ゲームの中でまたゲーム(WM35年)
「モードレ様、呼び方の件なのですが」
「ああ、あれか。初めて会った時は、”モルド”って言ってたよな」
「はい。今、少々困惑しておりまして、どちらでお呼びすればよろしいでしょうか?」
「ん〜。私はなんでもいいが…………。そういや、ゲーム内でミニゲームしたよな? あれって、まだあるか?」
「もちろんでございます。全8000問用意されていますので……。また、新規問題も随時更新しているので、ご心配なく」
「8000問か…………。それ、10問ずつ同時に出題してくれ」
数学問題がある可能性を知っていての、10問同時。数学のは授業は嫌いでも、ミニゲームは大好きなので、問題無し。
「では…………。こちらの準備は完了しました。始めます」
私の周辺に10個の窓。全てジャンルが違う問題。私は、両手で2問同時に問題を解いていく。
――現在50問正解しました。
「おっ!! クリア数のアナウンス付きか……。面白くなってきたぜ」
◇◇◇1時間半後◇◇◇
――現在1000問正解しました。
「1時間半で1000問ですか…………。となると、1分間に11問。そのペースで続けると、後々後悔しま…………」
「問題ねぇよ。これくらい。脳はほとんど使ってないからさ」
「と、言いますと?」
「全て勘。それだけで終わらせてる」
「勘ですか……。とても正確なので不自然に思いますが…………」
――現在1500問正解しました。
楽しい、楽しすぎる。いくら勘だとしても、クリアすればするほど、気持ちが高揚してくる。
――1750問正解しました。
一晩中やっていたい。まるで、わんこそばみたいな、問題の嵐。
勘の力をフル稼働させて、高速で正解していく。
元々入力スピードが速く、両手の指も波打つようにキーボードを叩き続ける。
解いている問題が違うため、片手で1つのキーボード、両手を使っているので、2つのキーボードを操作。別々の入力情報を約5秒、早くて3秒で確定を押す。
――現在2500問正解しました。
「ゼアン。あと、残り何問だ?」
「5500問です。この調子ですと、あと4時間で全問終わることになりますね。ですが、そろそろ勘も疲れてくるのでは?」
「…………。まあ、確かにその通りだ。けど、私にとって体力的なやつは関係ないと思っている」
「なるほど。問題を追加しましょうか?」
「頼む」
――出題数が現在生成済みの6000問追加されました。
「これで残り11500問ですが、よろしいでしょうか?」
「おう、全部解いてやる!!」
(3.5話に続く)




