表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/165

第6話 真夜中の作業ゲーム ※修正済み

 ファミリーファームに戻った、明理ルグアルクス


 集合場所は昼間に行った森林の前で、先に到着したのはルグアだった。


(試しにもう一度やってみるか……)


 私は心の奥でため息をつくと、手に持つ斧を振る。


 すると、斧は手の中から消え、あらぬ方向に飛んでいった。


 辺りを見回すと、目に入ったのは別の木に、不自然な形で突き刺さった斧。


 高いところにあったが、もともと木登りが得意だったので急いで回収する。

 

「待たせてごめん」


 遅れてやってきたルクスは、走ったのだろう、膝に手をつき謝罪。私は、


「そんなん気にしてねぇよ」


 と言いながら、メニューを開きオープンビューに変更。


 ルクスも同じように操作する。


 私のより先にルクスのステータスが表示された。


プレイヤー名:ルクス

農業ランク:2

木こり:5095 鉱夫:6000 

釣り人:-300 設計士:4000

農家:9000


 平均的な値がほとんどで、問題点は見当たらない。


 が、続くようにステータスを開いた瞬間、周りの空気が氷点下まで下がった。


 なぜなら、私のステータスが全て-100000だったのだ。


 これには、色素が抜けるくらい青ざめてしまう。


「マジで言ってんの、これ? 何もできねぇじゃん」


 そう、あの時一回で切れたのは、意思の強さによる現象。


 実際は0%に等しかったのだ。


「これは頑張るしかないね、ルグア。知ってると思うけど、明日、大学があるから落ちるよ」


 と言って、ルクスは姿を消した。


「やるしかない……か。そうだよな」


 1人残された私は、一言つぶやき作業を再開、斧をひたすら振り続ける。

 

 時刻は20時。集中力が途切れるまで同じ動きを繰り返す。


 1本目、ステータスに変化無し。

 2本目、同じく変化無し。


 4本目、変化無し。8本目、変化無し。


 16本目、32本目、64本目、変化無し。


 失敗と成功を何度も何度も。

 それから、約2時間後。685本目、ついに数字が動く。


 100000から98000へ。マイナスというのは変わらないがたったの2千だけでも嬉しい。


 この後も、10時間近く木を切り続け、疲れ果てた時には、翌日の午前8時になっていた。


 最終的に切ったのは38960本。

 スキルポイントは、さらに5500増えて-92500。


 徹夜の作業を終え、増えたポイントに喜びたかったが、突然襲いかかる眠気に負けて、ログインしたまま眠りについた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ