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第百八十二話 レベル上げと『魔トレ』

  『マジックアイテム』の捜索しながらモンスターを倒してレベル上げをする。それには四階層が都合良かった。


  『セブリア神殿』の四階層は鉄の洞窟。岩肌に見えるのは全て鋼鉄という自然ではあり得ない場所だった。


  そして出て来るモンスター達もやたらと硬い。剣や槍の通らない体を持ち、魔法も効きずらい。小型モンスターばかりなのでダメージさえ通れば簡単に倒せるのが唯一の救いだ。


『ここのモンスターから手に入る経験値は高い、大量に狩れればレベルも上がるだろうさ』

「でも硬いですよ。剣だとすぐに刃こぼれします」

「こういう時はアイツだな。来い! 『マルファス』!! 」

『ゲーートオーープン! マルファス・ゲーート!! 』


  盾の悪魔『マルファス』。俺は全身に盾を身に付けた『マルファス・フォーム』に変身し、八枚の小型盾も出して周りに浮かべた。


  そして両腕の先端が鋭くなっている盾を拳を包む形状に変化させて、近くにいたメタルなスライムを『全身全霊』で殴り飛ばした。


「ハァッ!! 」

『ビギィッ!? 』


  久しぶりの『全身全霊』だったが上手くいった。俺の一撃を喰らったメタルなスライムは一撃で砕け散った。


『おおい! 何だそれは!? それも悪魔の力か!? 』

「いえ、あれは悪魔から習った技術です。隼人さんが『マルファス』に教わった『全身全霊』です」

「まあ、砕けたのは『マルファス』の盾が強固過ぎるからだと思うけどな。この調子でどんどん行こう! 」

『よし、ならワシはモンスターの動きを止める事に専念しよう』


  こうして俺達は四階層を制圧していった。目当ての『マジックアイテム』と、ついでに『アーティファクト』も回収しながら進み、四階層でモンスターを見かけなくなった頃には、俺のレベルは四十一に達していた。


『ところでハヤト。お前さん魔法は使わないのか? 』


  四階層から三階層に帰る途中、ジンマに張って貰った結界の中で休んでいると、ジンマがそんな事を聞いて来た。


「いや魔法は使いたいけどさ、魔力が足りないんだよ。『ドライアド』から貰って『魔力の種』は食べたんだけど、中々魔力が増えなくてさ」

『む? 『瞑想』はやっとるのか? 『魔力感知』が出来るのなら、『瞑想』も出来るだろう? 』

「「…………『瞑想』? 」」


  顔を見合わせる俺とメテオラを見て、ジンマは盛大にため息をついた。


『…………知らんのか。お前さんらは魔法を習った事はないのか? 』

「…………いや、『マルコシアス』って悪魔に魔力の流れを感じ取るところまでは習ったな」

「ですね。あれが『瞑想』だったんですかね? 」

「いや、あれは感じ取るところまでだからジンマの言ってるのとは違うんじゃないか? 」

『…………やれやれ。ではワシが教えてやろうかの』


  ジンマによると、魔力はただ待っていては中々育たないらしい。体の中にただ溜まる魔力は濁る。感情や魂の影響を受けて濁った魔力は、とても燃費が悪くなるらしい。


  …………ガソリン的な話だろうか? 何でも濁った魔力だと、本来なら五でいいところを六、もしくは七掛かるらしい。


『魔力が濁るのを防ぐには、魔力を体の中で動かすのが一番良い方法なのだ。その為に用いるのが『瞑想』だ。そして体の中を巡らせると言うのは、いわば小さな魔法だ。継続していれば魔力は増えるのだ』

「『瞑想』で魔力が増えるのは何故ですか? 」

『む? …………フム。簡単に言うならば筋トレだな。体を鍛えれば筋力は増える。それと同じで魔力を使っていれば魔力は増えるのだ。同時に体の中にある魔力回路も鍛えられるからな、徐々に魔法を撃つスピードも上がるぞ』


  なるほど。筋トレに例えられると解りやすい。


  俺とメテオラはジンマに瞑想のやり方を習い、すぐに実践してみる事にした。


  とは言え、俺達は体内の魔力の流れはすでに把握しているのだ。ようはこの流れを大きくすれば良いのだろ? などと簡単に考えていたのだが、すぐにジンマからダメ出しが入った。


『まてまて、ただ流れを強くすれば良いってもんじゃないぞ? お前さんらの魔力回路はそう強くはないのだ。無理を続ければ焼き切れてしまうぞ。まずは流れを把握し、ほんの少しだけ速くするのだ。決して焦るな、毎日続けなければ意味の無い事柄ほど、焦るとろくな事が無いものだ』


  それも筋トレと一緒か。やりすぎは体に無理が祟る。


『この修行はお前さんらの他には比奈にも必要なものだ。ワシやツバキも毎日やっておるからな、一緒にやれば、上達も早かろう』

「そうですね。比奈さんが起きたら、一緒にやりましょうね隼人さん」

「そうだな、一人だと忘れそうだしな」

『ほれほれ、喋ってもよいから魔力は流せ』

「ウス! 」

「はい! 」

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